第五話 昼食に近き朝食

「意味分かんねぇ……」………殴らないの?そう……残念。


 こっちから命令して………あげるのも……良いけれど………。


 相手の意志に関係無く………殴らせるのは………趣味じゃないから………。


「意志ありで殴られるのは良いのかよ」そう言ってるでしょう?………私が気持ち悪いのなら………殴れば良いのに………。


 気持ち悪かったら………そう罵倒すれば良い………その言葉が……私にとっては……なによりもの……ご褒美ですもの………。


「いや……良い」……どうして?……あなたは平気で殴る事が………出来る人間でしょう?


「違う……もう俺は……違うんだ」………そう……義弥は変わろうとしているのね………けど、ムダ。


 あなたは……誰かを鼻で笑いながら……好意を踏み躙る事が……出来る。


 ………隠しても……変わろうとしても………本質は隠せない………根底は変わらない………。


「あんたに何が分かる」ふふ………分からないと思った?……私は……あなたに出会う前に………あなたの事を調べたの………。


 多分……あなたよりも知っていると思うわ………なんなら……あなたの小学校時代の事を……言ってあげま「やめろッ!」………ふふ、そうよね。あなたは……その時代が一番……嫌いなんだものね。


 大丈夫………それを口にしたりはしないわ……誰にも口外しない……それが契りに反するから……私はあなたを傷つけない………。


 さあ……お話もここまでに……しましょうか………お腹は空いてない?


「……食欲は無い」ダメよ……食べなくちゃ……私のせいであったとしても………人並みの事は言わせて………もらうわ。


「なんでだよ」私の手料理………食べて欲しいから……じゃ……ダメ?


「……上目遣いで聞かないで下さいよ」………ふふ、それじゃあ……色仕掛けがお好み?


「シャツを脱がんでくださいよ」………それじゃあ、暴力で無理やり………私を止めてみる?


「……良いっすよ、食りゃいいんでしょう?……はぁ」ふふ……それで良いの………それじゃあ。料理をするから……待っててね?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る