第七話 邪魔者削除
ねえねえ。くーろん。あなたに頼みがあるの。良いかしら?
「姉さんの頼みなら、なんでも」ふふ、そう。ありがとう。あのね。くーろん、やか「嫌です」あら、まだ何も言ってないじゃない。
「八峡絡みでしょう」えぇ、そうよ。ダメなのかしら。お姉ちゃんの頼みでも?
「……俺は姉さんが恋をする事に関して、何も言いません」なら「けどアイツはダメです」……なんでかしら。
そんなに、あなたはやかいの事が嫌いなの?「嫌いです。少なくとも、恋愛面に関して、あいつは信用出来ない」……それって、やかいが別の女と一緒に居るから?
「……知ってるんですか?」えぇ、でも。一つだけ勘違いしているわ。くーろん。やかいは、騙されているの。だって、私とやかいは相思相愛ですもの。
「それは違うと」なあに?くーろん。私の言う事が嘘だなんて思っているのかしら。そうだとしたら、私は悲しいわ。
「……百歩譲って相思相愛だとして」譲らなくても良いわ。本当の事ですもの。私とやかいは出会った瞬間に運命がはじまったの。
まるで歯車がかみ合う様に、わたしは直感的にそう感じたの。きっと、やかいもそう思ったに違いないわ。
「アイツは、もう他の女と付き合っている」そうね。でもそれは仮初なの。だから大丈夫。まだ取り戻せるわ。「……何を?」ねぇくーろん。やかいの傍に付き纏う女を、どうにかしてくれないかしら?
「俺に手を汚せと?」出来ないの?「……出来ますよ」そう、なら良かったわ。そうね、適当に一緒に任務にでも行ってもらって、そこで消息不明になって貰おうかしら。腕や足あたり、捥ぎ取っておいて、死亡扱いでも良いわね。
「……ハァ」ふふ、大丈夫、あなたなら出来るわ。くーろん。「八峡めが……許さんぞ」あら、ダメよ。やかいに手を出したら。どうしても手を出したいのなら。
私の最期を見てからにしなさいね。「……はい」良かったわ。ふふ、でもこれで、邪魔なものは無くなる。
私とやかいだけの世界になる。素敵だわ、私は死ぬまで幸せでいられるのね。
早く明日にならないかしら。早く、早く、明日になって、調子が良くて、やかいに会いに行って、そこで私は、幸せにやかいと一緒に居られるの。
楽しみね。えぇ、愉しみだわ……。
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