第二話 九重花久遠編・連絡


 

 八峡さん、あなたも、この学園の生徒だったのですね。


 私は全然、知りませんでした。


「俺は多分そうだと思ってた」そうですか。はい。ご存知の通り、この学園は祓ヰ師になる人が集う教育機関。


 当然ながら、私も祓ヰ師として、この学園に入学しました。


 しかし、不思議なことですが、八峡さんは祓ヰ師になるつもりでこの学園に居るのですね。


 失礼ながら、八峡さんには、その様なお力などまったく見えなかったもので。


「一般人だからな」そうですね。祓ヰ師の多くは血筋関係で、一般人が祓ヰ師になる者は極めて少ない、と聞きます。


 しかし、目指す者は居るみたいですが、道半ばに、厭穢に襲われて死亡、などの事故があります。


 八峡さん、あなたは私の恋人役、なので早々と死なぬ様に、お願いしますね。


「お願いでどうこう出来る訳ないだろ……」それも、そうですね。


 ならば、八峡さんが任務に同行しましょうか。九重花家はそれなりの術師の家系、私もその血を宿し、術式も宿してます。


 お相手との相性が悪ければ、私も死ぬかもしれませんが、相性が良ければ、まず負ける事は無いでしょう。


 なので、八峡さん。事前に任務へ出る時は、私に連絡してください。


 家の電話番号を渡しておきますので、………「携帯電話無いのか?」携帯、電話、ですか。


 あ、あの……申し訳ありません、その様な現代趣向品は、持ち合わせていません。


「家の仕来りか?」いえ、そういう訳ではありませんが………「だったら買いに行くか」か、買う……ですか?


 携帯電話は、買う事が出来るのですか?「ケータイショップなら買えるだろ」そ、そうなのですか。


 携帯電話は、私にでも扱えるのでしょうか………「そこらへんは俺が教えてやるよ」あ、ありがとうございます。


 と、言う事は、携帯電話を購入するのに、八峡さんも同行してくれる、と言う事ですか?


「まあそうなるだろ。流石に金は払えないけど」お金に関しては問題ないです。


 まるで、「でぇと」と、言う奴ですね。楽しみです。それでは、参りましょうか。


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