アニマルバースどうぶつずかん その⑥「ドラクリオ・クレムベル」

◇ドラクリオ・クレムベル


◆戦力評価

 STR … 10/10

 TEC … 3/10

 VIT … 7/10

 AGI … 6/10

 POW … 12/10

 INT … 0/10



◆神器『万色杖ばんしきじょうフワラルネストラーベ』

 "暗澹"の七星神器セブンス・クェイサー。所有者の魔力を何倍にも高める銀河最強の神秘の杖。ヤルダモが創造した魔導兵器の中でも最高クラスの逸品。

 在りし日のアニマルバース六英雄の一匹、ネコ氏族の大魔女ゲルダが愛用していた『千色杖ネストラーベ』の原型となった存在でもある。

 また、かつてはあざらしの強勢個体、識別コード『魔法使いウィザード』が保有していた。


 ドラクリオ・クレムベルの影響下において暴走状態にあり、寄生している恒星トゥラヴァースから吸い上げた天文学的なエネルギーを再生魔法に変換し続けている。

 ドラクリオは無性生殖(栄養生殖)によって増殖するが、これはある種のクローニングであり、そうして増殖した単一の個体には寿命がある。

 故に、時間を巻き戻す『再生』の魔法で細胞の劣化を押し留めることで、寿命の限界を克服しているのである。



◆プロフィール

 "暗澹"の最強種。無数の触手、金属の如く黒光りする甲殻、深紅の光を放ちながら蕩ける6つの眼球を備えた、巨大な球体型の怪生物。

 七星の最強種の登場以前よりアニマルバースに存在する超越者、『古き三王』の一角。

 『王』と『最強種』の称号は必ずしも重複するものではなく、前者としては古参だが、神器を得たのが比較的最近であるため後者としては新参という立場にある。


 種族はユランタル・クレムベル。トゥラヴァース星系Θ星ネシエシを原産とする植物であり、タケとサボテンが融合したような姿・性質を持つ。第11銀河統括機構においては侵略的外来種に指定されていた。

 非常に高い繁殖力と環境適応力を有しており、『あざらし』の原型である『細胞X』と並んで、ヤルダモの『外宇宙制圧用極限兵器』の開発において研究が進められていた。型式番号AXV-003。開発コード『バンブー・エルフ』。

 ただし、ヤルダモ文明の末期、彼らの興味は既に細胞Xへ傾いており、結局のところユランタル・クレムベルを用いた兵器は未完成のままであった。


 ドラクリオも本来は軽度の遺伝子改良を施された研究用の個体に過ぎなかったが、ネシエシへの入植を巡る戦乱の中で、次元断層爆弾の直撃に曝されたことから未知の突然変異を引き起こす。

 ネシエシ全土に地下茎を伸ばし、天体そのものを自身の手足に変貌させると、当時領土を争っていたチンパンジー氏族とサイ氏族の派遣戦隊を壊滅に追い込んだ。

 その後、恒星トゥラヴァースを次元断層へと叩き落とし、星系すべてから光を奪ったことにより"暗澹"の二つ名を冠された。

 トゥラヴァース星系は現在もドラクリオの支配下にあり、周辺宙域を航行する輸送宇宙船などにとって深刻な脅威となっている。

 さらに種族あざらしの強勢個体、『白き十の王』の一角『魔法使いウィザード』と遭遇してこれを撃破し、彼から神器・万色杖『フワラルネストラーベ』を奪って以降、その脅威は加速度的に増大している。


 けもの暦2026年の半ば頃、突如として出陣したライガード・レオポーン皇帝率いるライオン王国の軍勢に襲撃を受ける。

 古き王にして最強種たるその力を存分に見せつけ、銀河最強と名高いライオン王国軍をも手玉に取るが、皇帝ライガードが振るう神器・燎嵐槌りょうらんつい『ベティエヌ』の一撃の下に討たれた。

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