アニマルバースどうぶつずかん その④「ゼドゲウス」

◇ゼドゲウス


◆戦力評価

 STR … 10/10 → 9/10(第2形態時)

 TEC … 2/10

 VIT … 10/10 → 8/10(第2形態時)

 AGI … 7/10 → 9/10(第2形態時)

 POW … 8/10 → 10/10(第2形態時)

 INT … 3/10



◆神器『永劫核えいごうかくヘトラキサキドル・ゼペルトリンデ』

 "無双"の七星神器セブンス・クェイサー。外部から何の干渉を受けずとも魔力カズムタイト・エネルギーを生み出し続ける、正真正銘の第一種永久機関。

 古くは"黄金の果実"、"万能の聖杯"、"願望器"とも呼ばれた聖遺物であり、古代種族・ヤルダモが過去に侵略した星系から持ち出された至高の宝物。

 同時に、それが流れ着いたあらゆる文明圏で血みどろの争奪戦が繰り返されてきた、最悪の呪物でもある。


 かつては無尽蔵のエネルギー供給によってヤルダモの深宇宙の逃避行を支えたが、第11銀河に定着した後の時代では、無用な動乱の原因となりかねない頭痛の種であった。

 議論の末、これはかねてよりヤルダモたちを悩ませていた原生生物―――すなわち狂える邪竜・ゼドゲウスに与えられ、以て彼は底なしの飢えを満たされる。

 ヤルダモは戦力ではなく叡智によってゼドゲウスと友誼を交わし、かつての邪竜は大地を統べる陸王へと変わった。


 勘違いされがちだが、神器・永劫核がもたらすのはあくまで無限大のリソースでしかなく、即物的な権能や戦力では決してない。

 ゼドゲウスという唯一無双の器があるからこそ、無限の魔力は無敵の暴威として機能するのである。



◆プロフィール

 "無双"の最強種。全長約600m、頭頂高並びに胴直径約180m、推定体重600万t以上を超す、規格外の超巨大地竜。

 七星の最強種の登場以前よりアニマルバースに存在する超越者、『古き三王」の一角。『陸王』の称号を持つであり、数千年にわたってアニマルバースの生態系の頂点に君臨している。


 種族はイグノゲウス。アニマルバース全体でも珍しい恒温性爬虫類の仲間、ドラゴン科地竜属の一種である。

 その起源は先史文明種族・ヤルダモの飛来と『けもの』の誕生より以前に遡り、アニマルバースの原生生物として広く存在を知られている。

 ドラゴン科の過半は進化の過程で空を飛ぶための翼を得た種族だが、地竜属は元はドラゴン科全体の始祖にあたる系統であり、翼を獲得する以前の原始的な種が多い。

 一方、日夜変化していく環境に適応した結果として、完全な陸生へと先祖返りした種も存在し、イグノゲウスは後者に該当する。

 縦に長い体躯、短い四肢、トカゲとワニの中間のような頭部、鋭利な棘状に変化した独特の鱗を主な特徴とする。また、背中には過去に翼だった部位が退化・変形した体温調節用の放熱皮膜を持つ。

 その名は彼らの母星の古代言語で『鎧の牙』を意味し、性質は極めて獰猛。身に纏う高密度の筋肉によって、短い四肢で這いずるような所作からは想像もつかない素早さで動くことができ、恐るべき咬合力で同じ竜種の鱗すら食い破る。

 非常に高い身体能力と凶暴性から、アニマルバースで最も危険な肉食獣とも称される。


 ゼドゲウスはその中でもさらに著しく発達した筋肉を有し、代償として極めて攻撃的な代謝要求―――底無しの食欲に支配された特異個体だった。

 そこに永劫核ヘトラキサキドル・ゼペルトリンデというエネルギー供給源を得た結果、規格外の巨躯と絶対的な膂力を併せ持った"戦いの神"へと変貌したのである。


 巨体に成長して尚、ゼドゲウスはイグノゲウスの特徴である高い敏捷性を失っておらず、桁外れの筋力が鈍重の2文字とはまるで無縁の動作を可能としている。

 ただし、縦長の胴体と比して短い四肢は、もはや増大に増大を重ねた自重を支えるには適さず、退化しつつある。

 その代わり、永劫核の魔力の影響か、重力を操作して空間に干渉する異能を発現しており、を小刻みに改変することで移動の不都合を補う。

 この異能はある種のワープドライブさえ可能としており、平時はこれを使って銀河中のあらゆる『陸』を強制的に捻じ曲げて、自由気ままに移動している。

 また、咆哮に伴う共振現象で周囲の物体を破壊したり、息を吸って強く吐き出すことで『風の砲弾』とするなど、一挙手一投足が災害に匹敵する異次元の戦闘力を誇る。


 グリス=ポラベラムを撃破したゴマ=ゴマフを急襲して戦端を開き、互角以上の戦いを演じて圧倒。

 一時はゴマの反撃によってダメージを負うも、ヘトラキサキドル・ゼペルトリンデの魔力を全面解放することで飛竜型の『第2形態』へと変貌し、カズムタイトの熱線で撃破寸前まで追い込む。

 しかし、ゴマが突如として出現した"天使"に救出され、また土壇場で新たな力『ゴマフィックライズ』を発現させたことで、徐々に形勢が逆転していく。

 最後は壮絶な熱光線の撃ち合いの末に敗れたが、それでも竜王の矜持を見せつけるが如く、その場に立ったまま絶命した。

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