アニマルバースどうぶつずかん その③「グリス・ナヌラーク・ポラベラム」

◇グリス・ナヌラーク・ポラベラム


◆戦力評価

 STR … 8/10

 TEC … 6/10

 VIT … 8/10

 AGI … 6/10

 POW … 4/10

 INT … 7/10



◆神器『奏星弓そうせいきゅうセニキス=ミラオリス』

 "壊乱"の七星神器セブンス・クェイサー。星の光を魔力へと変換し、事実上無限に矢を生み出す白皙の神弓。

 しかしてその正体は、弓型の照準端末『奏弓そうきゅうセニキス』と、小惑星サイズの超々大型レーザー砲台『星弓せいきゅうミラオリス』の組み合わせからなる戦略兵器である。


 使い手の技量次第ではセニキス単体でも戦闘行動に堪えうるポテンシャルを発揮するが、その真価はやはりミラオリスによる広域殲滅能力にある。


 星光の一射によって引き起こされる現象は、重力の崩壊に伴って基本相互作用の均衡が喪失し、射程内の空間中を局所的に"無"へと変える───重力子フレア空間破砕砲のそれと類似する。

 だが、それはあくまでも現実に反映される事象の説明に過ぎない。他の七星神器もまたそうであるように、奏星弓の本質は宇宙の摂理を逸脱しており、既に異能や超常の一言で済まされるような次元にはない。


 本編では使用されなかったが、衛星砲・ミラオリスは1つの『主機』と複数の『受信照射ユニット』に分離する機構を有している。

 攻撃に先行して受信照射ユニットを展開、照準器セニキスより入力される諸元に対応して各基の位置を逐次修正しながら、主機から供給されるエネルギーを誘導することで目標地点を精確に撃滅するのが本来の運用方法である。


 ミラオリスがゴマ=ゴマフによって破壊され、グリスのソウルと共にユニバース・ジーンへと吸収されたため、完全な形では現存しない。



◆プロフィール

 天衣無縫の恵体を誇るクマ。クリーム色の独特な毛並みを有しており、シロクマとグリズリーの混血ハーフだと言われている。

 シロクマ=シャチ連邦共和国・宇宙航空軍ガレオルニス星系方面総督。最終階級は大尉。

 父は同じく連邦共和国の宇宙航空軍中佐、クマムト・ポラベラム。母親は公表されておらず、クマムトも生前多くを語らなかったため、一部では実子ではなく養子だった可能性が指摘されている。


 弱冠24歳にして宇宙航空軍のガレオルニス星系方面総督に就任した英才。

 15歳で陸軍に入隊し、17歳の時に反政府ゲリラとの武力衝突で初の実戦を経験、緒戦より凄まじい戦果を挙げ世間に衝撃を与える。

 その後も国家保安局や宙域境界警備隊などへ移籍して順調にキャリアを重ね、やがてガレオルニス星系方面総督の地位を得る。

 かねてより『あざらし』の脅威に対して敏感な姿勢を見せており、ガレオルニス星系方面総督の座は彼の悲願であった。

 過去の経歴には不明な点の多いグリスだが、年齢的にはあざらしの恐ろしさを若くして知った世代であろうため、動機としては充分と考えられる。


 頭脳明晰で社交性が高く、常に冷静でおおらかな性格の好青年。鍛え抜かれた体躯を持つ一方、クマ氏族の基準においては端正な顔立ちをしており、女性関係は大変華やかだったという。

 戦場では打って変わって勇猛果敢に戦い、また指揮官として冷徹に振る舞う。決して動揺や涙を見せないことで有名だが、戦死した部下の遺族への挨拶と、定期的な墓参りは欠かさず行っていた。

 朗らかで高潔な反面、あまり己の身の上を語ろうとはしないため、交友関係は全般的に浅く広いものだったとされている。それを証明するかのように、数多の女性と浮名を流しながら、正式な結婚に至ったことは一度もない。

 唯一、宇宙航空軍のベアザック・クマルノフ大佐とは家族ぐるみで親交があったが、実父クマムトを大腸癌で亡くしてからは疎遠になっている。


 特命の警備任務を帯びてセルスウォーム星系・バロライテ基地に駐留していた折、ボンゴマ・ファミリーの潜入工作を受け、奇襲により基地は壊滅。

 奏星弓セニキス=ミラオリスを用いて敵首魁ゴマ=ゴマフと交戦し、撃破寸前まで追い詰めるが、後一歩のところで及ばず敗死した。

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