アニマルバースどうぶつずかん その②「阿修羅神刀斎鯱光」

阿修羅神刀斎鯱光あすらしんとうさいしゃちみつ


◆戦力評価

 STR … 7/10 → 8/10(肉体全盛時)

 TEC … 15/10

 VIT … 5/10 → 7/10(肉体全盛時)

 AGI … 6/10 → 8/10(肉体全盛時)

 POW … 2/10 → 5/10(肉体全盛時)

 INT … 5/10


※戦力評価について

 下記の5つの項目について、原則的に10ポイントを最大値として評価する。

 平均的な体格の成人男性の場合、各能力は3ポイント前後である。

 訓練されたアスリート、または兵士の場合、各能力は5ポイント前後である。

 7ポイント以上は常獣を超えた領域であり、到達には才能が必要となる。


○STR

 筋力、膂力。力強さ、破壊力、攻撃能力の最大規模を示す。


○TEC

 技量、技巧。器用さ、動作の精密性、敵対者の動向を察知する能力を示す。


○VIT

 耐久力、生命力。肉体の頑健さ、免疫力の高さ、戦闘を続行するタフネスを示す。


○AGI

 機動力、敏捷性。距離に対する移動速度、1つのアクションに対する瞬間速度、危機に対する反射神経の鋭さを示す。

 基本的には移動速度、動作の速度、反応速度の3点を統合的に判定する。

 鯱光の場合、「長距離を高速で巡航するような能力は持たない」こと、「優れた技量によりすべての動作に無駄がない」こと、そして「膨大な戦闘経験がもたらす未来予測」をそれぞれ加味してこの評価となっている。


〇POW

 魔力、精神力。神秘的な異能に対する適性、体内に保有するカズムタイトの総量、異能の行使と制御に必要な精神のレベルを示す。


〇INT

 知力、知性。平時における知的能力、有事における判断力、用兵能力を示す。



◆神器『鵜羽麒麟村宗うばねきりんむらむね/零子刀れいしとうヤルルカーン』

 "星斬"の七星神器セブンス・クェイサー。白波の如くうねる刃文が特徴の秀麗な太刀。

 二尺五寸九分半(約78.6cm)、身巾尋常ながらも重ね厚く、刃肉豊かにつき、切先伸び、反りやや浅い。

 実戦における信頼性―――取り回しと頑強さを重視した剛刀ながら、あまりの完成度によって、その刃は魔性の機能美を帯びている。

 シャチ氏族の最上層、皇族付きの鍛冶師の家系にのみ精錬法が伝わる特殊合金『ヒヒイロノコン』から鍛造されており、どれほど乱雑に扱っても刃毀れ一つ起こさない。ただし、十全の切れ味を発揮するには習熟が必要。


 シャチ氏族太古の刀鍛冶、万児村宗まんじむらむねによって鍛えられた霊刀。

 原則的にはシャチ氏族の聖地・秘境トゥシマに奉じられており、剣聖の位を授けられたシャチだけが帯刀を許される。


 しかし、ただ"斬る"ことのみを一意に追及し、それ以外の余分を一切排した稀代の大業物は、そこにあるだけで余獣に『斬りたい殺したい』という感情を呼び起こさせる極大の呪詛でもあった。

 その刀身の煌めきは、周囲を狂わせる死の色香。戦火で熱され、血で冷やされ、膨大な殺戮の歴史を纏う災厄として世界に刻まれた、破滅の宿業そのもの。

 妖刀や魔剣という言葉ですら生温い、刀剣の形をした祟り神。それが鵜羽麒麟村宗零子刀・ヤルルカーンの正体である。



◆プロフィール

 七星の最強種、"星斬"。左目に十字の傷跡を持つ、シャチ氏族の偉丈夫。口元に長い白髭をたくわえた老爺だが、その身体は未だ溌剌とした生命力と闘気に満ちている。

 本名、遮智頓堀守尾所松鯱光しゃちとんぼりのかみおそまつしゃちみつ。幼名、珊瑚丸さんごまる

 シロクマ=シャチ連邦共和国・陸軍省戦術機動騎兵師団『義鯱衆』の頭目。また、シャチ皇族に直接仕え守護する近衛衆の一家、尾所松家の当主でもある。

 父は先代の当主にして遮智頓堀守の鯱久しゃちひさ、母はその妻である叉や花さやか

 本編時点で89歳。並み程度には異性と関係を持っていたが、結局は生涯未婚のままであった。


 近衛衆家の一人息子として、儀礼作法と風流、武芸と兵法に親しんで育つ。

 剣は御留流である朧新陰流おぼろしんかげりゅうに学んだが、流派それ自体にはこだわりが無く、多種多様な武術を積極的に吸収していた。

 38歳の時、パンダ氏族伝来の拳法に着想を得て、斬撃で以て鎧を通すいわば『浸透する斬撃』の妙技を編み出す。

 この業の完成を讃えて第十五代剣聖位と鵜羽麒麟村宗を授けられ、阿修羅神刀流を創始するに至る。阿修羅神刀斎を名乗り始めたのもこの頃から。

 その後、ライオン王国に客将として招かれ、剣術指南役に就任。ライオン王家並びに軍部と交流を重ねる。

 54歳の時、スミロドン氏族によるライオン王国への侵攻に対し、同盟国軍として義鯱衆を率いて参戦。戦乱の最中、単身で三個宇宙艦隊を退ける大戦果を挙げ、『星団斬り』の異名と最強種の称号を得る。


 二面性のある性格で、平時は礼儀正しく厳粛だが、ひとたび身内と認めた者の前では軽妙な好々爺のように振る舞った。

 他方、こうと決めたら滅多なことでは意見を曲げない頑固さも併せ持っており、付き合いの深さによって印象が二転反転する獣物だったという。


 けもの暦2025年、『あざらし戦役』の勃発に伴い、ライオン王国より本国へ帰還。

 義鯱衆の指揮官に復帰して各地を転戦、シロクマ=シャチ連邦共和国の対あざらし防衛戦の勝利に貢献する。

 その後は星系間同盟『五輪協定』による防衛網構築事業に参加していたが、アリュゾホート・マグサリナス・ゴマ=ゴマフによる『最強種狩り』の機運を独自に察知し、同盟に先駆けて交戦。

 大いに健闘するも一歩及ばず、ゴマ=ゴマフとの決戦の末に敗死する。

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