第9話 オフ会に参加する

 そして、やってきたオフ会の日。藤井さんの件は置いといて、近くに来たら大人の対応しようと決めてお店に入ったの。


 四条さんははほら、あのオネエ系の編み物お兄さんを勝手に想像していたけど、普通にサラリーマンだったわ。


 受付終えてペンネームの名札を貰って、適当な席に座ってオフ会が始まったの。まあ、普通の飲み会よね。だんだんと席移動したり、ちょっと違うのは「あなたが〇〇さんですか、作品いつも拝見しています」という挨拶が飛び交うこと。

 伊太利杏さんは綺麗な女性だったわ。クリスマス休暇だから、お正月はもうイタリアへ戻るのですって。クリスマスを大事にする文化の違いだから仕方ないけど、おせちとお雑煮を食べたかったと笑っていたわ。

 鴇田さんは私よりちょっと年下の女性だったわ。私は本の感想やWebと書籍版の違いなど尋ねたりして。でも、ネット弁慶というのかしら、Twitterでは強気な発言多かったけど、実際には口数が少ない大人しい人。まあ、よくある話ね。ネットだけで実行しない気弱なタイプ。でも、その年は確か……やだ、また話しが逸れるところだった。


 とにかく席を移動するようになったから、私は隅の赤いチェックのクロスがかかったテーブルに移ったわ。あ、そこのレストランはね、色違いのクロスがかかっていたの。赤い色が好きだからなんとなくそこへ移動してそこにいる方たちと楽しくお話したわ。


 藤井さん? 結局誰かは分からなかったの。参加人数も多かったし、探すのも怖いし、あちらも怖いというから避けていたのかもね。


 まあ、とにかく普通に終わったわ。オフ会はね。


 翌日のSlackは掲示板と共に大荒れする事件が起きるの。


 Slack開いたら雑談コーナーにこんなことが書かれていたの。


「赤原さん、7ちゃんねるに貼られていた発言の真意はなんですか? 話し合いしませんか?」


 慌てて7ちゃんねるのスレッドを開くとまたスクショが貼られていたの。目を疑う内容だったわ。さっきも言ったようにクリスマス時期だからWriteReadコンテストの真っ最中でね。やはり、怪しい評価で急上昇している作品も見受けられて、通報しても追いついていないのか放置にしか見えない状態が続いていたの。

 それでも、少しずつ不正評価用のアカウントを運営はBANしていたから、評価は消される状態はある程度あったかな。


 で、消されればランキングに影響出るし、カムフラージュとして該当作品以外にも評価つくからBANされると巻き添えくらうみたいなの。底辺で評価つかない私は低見の見物状態だったけど。


 で、えーと。あ、当時のスクショはとってあるの。私、なんでも保存する癖があって綺麗な花や夕焼け、面白いツイートとかごちゃごちゃしているけど。トラブルに遭ったときに「言った言わない」を避けるためにもスクショしていたの。

 ちょっと待ってね、なにぶんかなり昔のだから残っているかしら。あら、まだあったわ。同じ花の写真とかも後でボツは消そうとして、忘れちゃうこともよくあるから、これも消すの忘れてたのね。


 Slackにもまだ残っていたそれはこう赤原さんが呼びかけていたの。

『私も運営による不正アカBANの影響で評価は落ちましたし、同じような方はたくさんいらっしゃると思います。

 もちろん、作品を読まずに評価を入れるのは論外ですが、この『複アカBANによる評価急落の被害を受けた方は私に申し出てください。そしてみんなでできる限りの救難支援を行おうではありませんか』』


 どこをどうやって読んでも相互評価の呼びかけよね。


 赤原さんはすぐにSlack内で反論していたわ。


「先程、ここに複アカの被害に遭った方達への支援案について私が書き込んだところ、何一つ規約に抵触していない内容であったにもかかわらず、当該書き込みをまるで違反行為の助長であるかのように騙って掲示板に流す人物が現れました。

 創作談義や交流を目的としたWriteRead作者の集まりであるはずのこのSlackに、そのような品性下劣な輩が紛れ込んでいたことを大変残念に思います。

 そのような者はこの場に必要ありません。即刻出て行きなさい」


 いやいやいや、「救難支援を行う」って結局読み合い相互でしょ。当たり前だけど、誰も脱退しなかったし。炎上が収まることもなかった。私みたいに抜けたがっていた人は複数いたと思うけど、今抜けたら「私がユダです」と言ってるようなものだもの。ある意味恐怖政治状態ね。


 その後もぐだぐだした話し合いして、なんか反省しているようなことを書いていたの。


「皆様には、私の言動によって誤解を招いたり心配をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした。

 当面は、裏方の役目に専念し、私が集団の先頭に立っているかのように見える振る舞いは慎むように致します」


 そんなことを書きながら翌日にSlackが突然閉鎖。誰がどう見ても都合悪いから消したと思うわよね。でも、おばちゃんはほっとしたの。なんとなく不穏な集まりから「穏便」に出て行けたのだもの。

 あら、その顔は「やっと終わったか」って顔ね。悪いけど、まだまだ続くのよ。

 そうねえ、ドリンクばかり奢ってたらお茶腹になるからサンドイッチ奢るわ。


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