フィクションでありますが、所々に起こる事件や出来事は実際に起きたであろう事件や出来事を想像することができ、その事件を調べるとさらに楽しめる内容となっていて何度読み返しても全く違う表情をみることができます。
おそらく、作者自体が出会った人や自分の身に起きた事により得た知識や経験、感情がベースになっていると感じました。
だからか、読み手も読んだ時点での知識や人に思う感情によって違う表情になるのではないかと感じました。
難しい言い回しや表現もありますが、そう言った部分があるからこそ不思議と引き込まれました。
レビューではないただの個人的な昔話なので書くのを躊躇っていましたが、
もう会えない人がいる人に読んでもらいたいので書こうと思います。
私にはかつて心の底から信頼しあえた親友と幼馴染がいました。
ある時を境に二度と会えなくなり、随分長らくの間、妄想や夢の中で、
当時のあいつらと他愛ない事で笑い合ったり、
あの瞬間が訪れる前の世界に飛び一緒になって危機を回避したり、
といった事をしていました。
いつからか、そんな夢も見れなくなり、妄想もイメージがどんどん
うすらぼけたものになっていき、消えてなくなってしまうのが嫌で
絵や漫画に残そうと試みたりもしましたができませんでした。
もうあとはいつかあっちで再開する時を待つしかないかなと諦め、
存在自体も消えかけていましたが、
この作品を読んでから、なぜかあの時のあいつらが鮮明な姿で
またやってくるようになりました。衝撃的でした。
たまたま私がこの作品と何かが合っていただけかもしれませんが、
もう会えない人に会いたいと思っている人がいたら
試しに読んでみてもらいたい。そんな作品です。