ある家のできごと

@styuina

第1話

 ひとくちに北海道といっても、こうだいな土地なので、地域性にもちがいいがある訳ですが、最近は札幌近辺のいわゆるベッドタウン化もしんこくで、となりきんじょが何者か、そこでなにが起こっているかもわからないことがたくさんあります。こんかいはそんな中の1つの話を紹介しましょう。


「ええ、こちらです」

 と家主さんに連れられて探偵さんがそのしゃくやにきたのは、雪がまだのこる春ごろのことです。

 探偵さんが家主さんにカギをあけてもらって、さっそく家に入って、いきました。玄関をとおってそのままいまに入ると、そこにはテレビや食器だな、えいぞうばいたいや本の棚がそのまま残っていました。

 さて、なぜ『残っていました』というのかというと、この家で一人の老人がこどくに亡くなってしまったからです。探偵さんはあることをしらべるために、この家にきたのでした。

「女?」

「ええ、そうです」

 一人のおばあさんが、探偵さんのしつもんにうなずきました。

 探偵さんは、駅前のビルのいっかくにまがりしてもらって、たまに来る依頼人のためにはたらくというような仕事をしていました。今日はそのおばあさんが依頼人のようですね。

「つまり、あなたのおにいさんに、女性の影がという話ですか?」

「ええ、それでかまわないと思います」

 そのお話とは、北海道恵庭市恵み野のとある家に住んでいる、彼女のおにいさんが若い女性にほれてしまって、いろいろたいへんだそうなのです。

 おばあさんはトン、トントン、トントントン、トントントントン、トントントントントン、トントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントント

 ントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントントンと、きんちょうしているのか、ずっと指を

 イスにたたきつけていました。

「もう、あの人も先が短いんだから、そんなんで若ぶらなくてもいいじゃない……」

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラしながら言うおばあさんにたいして、探偵さんは、こほんとせきばらいをしたあと、話を続けます。

「はあ、わかりました、まあおかねはもらったので、もんくは言いませんがね」

「なにか言いました?」

「いえいえ」


 というわけで、探偵さんはそのおにいさんの家に行くことになりました。

 風が、ビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

 ォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

 ォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

 ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウとすごくなる中、探偵さんは家の中に入っていきました。

「まったく、こんなときにわざわざ調査にこなくても」

 ビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

 ォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

 ォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウビュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュュォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオウ

「なんだって、聞こえない!!!!!!!!」

「だから!こんなときにこなくてもいいでしょ!」

「しかたないでしょ、あと3日でなんとかしろとか言われたんだもの!」

「巻き込まれた身になってください!」

 さて、ようやく家の中に入るところまで戻ることができました。

「それにしても、へんだな」

 住んでいたおじいさんが死んでから、人が住んでいないはずなのに、そこにはかすかに人がいる気配がしました。

 すると、探偵さんの背後から

 ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ

 ぎぃ

 という、けたたましい音がしました。

 振り向くと、女性が1人立っていました。

 探偵さんの記憶はそこで途切れます。


 結局、その場ではなにもなかったものの、数日して家主さんが心臓発作で倒れたというしらせを聞いた探偵さんは

(多分、次は自分だろう。いつになるか知らないが)

 と思いました。


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