第8話 夢のつづき
ホームレスがゴソゴソと寝袋から這い出始める正午前。俺の肩に寄り掛かりながら咲が言った。
「今日はケイさんといれるだけで幸せ。」
ホームレスの這い出す音が微かに聞こえるだけの、人気のないコンコースの下は、太陽の光もあまり届かない。
ダウンコートのポケットに手を突っ込んだままの俺の二の腕にウールコートに包まれた腕が絡められる。何の感情もない。それどころか思考というものすら存在しない。ただ、空間があるだけ。
俺はそっと咲の頭を撫でた。
「じゃ、行こうか。」
特段目的地があるわけでもない。相変わらずポケットに手を突っ込んだまま、咲に腕を絡められたまま、コンコースから続く緩い登り坂を繁華街方面にむかって歩き出した。
休日正午前のオフィス街は行き交う人もまばらで、ただただ木偶の坊のようなビル群が地面から生えて佇んでいる。早くも遅くもなく歩いていると、5メートルほど先のビルから出てくる人影が見えた。よく見知った容姿だ。
「ケイ君じゃん、今日仕事なの?」
彩花は、俺の脳が人影を彩花と判定するより前に、不躾に言葉を投げかけた。
「朝、ちょっと仕事だったんだよ。」
挨拶などいらない間柄だが、一言で他人のパーソナルスペースにズケズケと入ってこられ、少し腹がたった。俺の二の腕にしがみついている咲が、メガネ越しに彩花を睨んでる。
「あ、咲ちゃんも一緒なんだ。じゃあ皆でお昼ご飯でも食べようよ。」
彩花には咲の、空気読めよバカ、と訴えている目ビームも効かないようだ。
「そうだな。もう昼だし、居酒屋ランチでも食べようか、咲、いいだろ?」
「ケイさんがそう言うのなら。」
咲は膨れ面をしながら蚊の鳴くような声で応えた。
咲は会社の同僚であるが、彩花は職場近くの損保会社で働いていた。彩花はTinderで知り合った女だが、ノリがいいのでよく遊んでいた。咲も連れて一緒にクラブに行ったこともある。一応二人は顔見知りだ。
「これからどこ行く予定だったの?」
彩花が釜玉うどんをすすりながら聞いてきた。相変わらず粗雑だ。
「特段どこ行こうとか無かったけどね。」
ふーん、という顔で彩花が俺の顔を見る。ズルズルとすすられたうどんから汁が跳ねる。
「わかった。二人でエッチする予定だったんでしょ!」
箸を咲に向けながら、彩花が大きな声を出した。
「・・・」
咲は絶句し、下を向いた。
「いいねぇ、ケイ君モテモテだね。」
下品な笑みを浮かべながら彩花が続ける。
「二人ってどんなエッチするの?私興味あるな。ケイ君て別にエッチ上手いってわけじゃないけど、なんか安心感あるじゃん。ねぇ、教えてよ。」
彩花は咲に問い詰める。
「ねー、どうなの?どうなの?咲ちゃんも好きなの?」
あー、咲泣きそうだな、そろそろ彩花を止めよう、と思った矢先、咲が俯いたまま声を張り上げた。
「知りたいなら彩花さんも来ればいいじゃん!」
咲は感情的に声を張り上げたが、言ったあとに上げた顔にはとても後悔している表情が浮かんでいた。
彩花は一瞬キョトンとしたが、じわじわと悪そうな笑みを浮かべだした。
「ほんと?私も暇だったしラッキー!そういうことなら一緒にいこ?」
居酒屋から出た俺の右腕には咲がしがみついている。左手は彩花にポケットから引っ張り出されて、握られている。
なんなんだ、これ。理解が追いつかない。繁華街から少し入った裏路地を彩花に引っ張られて引きずられるように歩く。やがて東南アジアを模した建物の中に連れ込まれた。彩花は一番上のパネルをクリックした。
「ほら、早く払ってよ。」
値段もみていない。カードケースからクレカを取り出し、理由もわからず決済した。
「ケイ君やば。もう勃起してんじゃん。」最上階に向かうエレベーターで二人に下半身を弄られる。もっとも彩花主導で、咲は左手を添えるだけ。彩花が俺のジッパーをおろし、怒髪天をつく息子を引っ張り出した。「咲ちゃんもぼーっとしてないの!」彩花の叱咤が飛ぶ。咲は少し怯えながら俺にディープキスをしてきた。「ケイくんほんと変態」彩花は勃起チンポにムシャブりついている。射精感がこみ上げてきた途端、エレベーターがチンとなった。部屋のある8階についたのだ。ちんぽを丸出しのまま803号室に向かった。もうこの状態だとシャワーなんて概念はない。2人をダブルベッドに蹴り倒し、荒々しくブラウスを剥ぎ取って行く。スーツもパンツもかなぐり捨てた。豊満な咲の胸をブラから荒々しく引っ張り出し、乳首に甘咬みをかました。「あ、」咲は軽く苦痛の顔を浮かべた。「ちょっとちょっと二人で楽しんじゃって。私にもかまいなさいよ!」彩花はいつの間にか全裸になっていたが、その侘び寂びの無さに少し萎えた。が、咲の乳首を吸っている間、どういう体勢になってるのか分からんが上手いこと俺のチンポをしゃぶりつづけていた。「イク!」咲の胸に顔を埋めながら彩花の口に口内射精した。「ちょっとめっちゃいっぱい出たじゃん!どうなってんの!?」彩花はティッシュに精液を吐き出し、時折嗚咽している。こうなんというか、、エモさが欲しいよ。咲に目を移す。乳首しか弄ってなかったが恍惚な表情だった。もしや、と思って股間をみると、彩花によってSVRがぶっ刺されていた。すでに何回かイッテいるようだ。「ちょっと2人だけで楽しんじゃって。ちょっとは私も楽しませなさいよ。ほら、ケイ!チンポ入れなさい!」「いまイッたばっかだし無理だよ!」「何事言わないの!男らしくないわね。ほら、あやかちゃんも機械で遊んでないでご主人様にご奉仕しなさい!」咲は彩花に尻を叩かれていた。「ケイ様〜おちんちん元気になってください〜」彩花は涎を垂らしながら俺の萎えた息子に近づくとディープ・スロートをはじめた。時折パイズリも混ぜる。俺は奴隷を支配している気分になり、アドレナリンが出たのかまたフルボッキしてきた。「はいはい、咲の出番は終わり。またおもちゃで遊んでなさい」彩花が咲を押しのける。今まで王様気分だったが、急にただの種馬に成り下がった気分になった。とは言えおかげさまでチンコはギンギンである。俺がアクションを起こすまでもなくいつの間にか彩花は自分のマンコにチンコを挿入していた。バックの体勢である。「あ、あ、ケイくん大きい!あ!」今日初めて見せた彩花の女らしい部分に、俺は心のチンポも勃起した。咲は自発的に俺のアナルを舐め始めた。雌を剥き出しにする彩花、アナルを求め続ける咲、そして神たる俺。
俺は神だ。その時、この世の全てを支配できるという全能感が俺を包んだ。たかがセックスで。今まで何度もしてきて飽き飽きしているセックスで。
イク、イク〜
俺はガイアと一体となった。
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