第17話 異世界は世紀末覇者な街なのか?


週末の夜、俺はサブとタモツの作戦会議が面倒臭くなって来て二人に「良きに計らえ!」で先に帰った。


何が楽しくて週末の893が舎弟達と家飲みしなきゃならんのよ! って事で夜の街にひとりで繰り出した。


無事お持ち帰りも出来て中々良い週末だったと思う。


週末の二日間、奴らを放置したのはちょっと怖いけど・・・

まー 何とかなるだろ!


「おはよう」


〉〉〉おはようございます。〈〈〈


月曜、普通に俺は出社した。


おはようございます。 兄貴!


「本部長なサブ!」


「なぁ、あの後どーした? 作戦は上手く纏まったか?」


バッチリっスね!


安心して下さい。 兄貴!


ノリノリなサブとタモツだぞ? 安心なんか出来ねーょ!


「何かちょっと怖いけど任せたぞ、サブ。 それと本部長な!」


了解っス!!


今日の予定なんっスけど


午前中に営業3課に安田の再開発の件の引き継ぎお願いします。

10時から第一会議室っス。


「1課じゃ無くて3課か?」 


そっス! 

タコ焼き野郎のチョッカイが予想されますから堅気の1課だとちょっと厳しいっスね。

立花の兄さんに出てもらわないとトラブル合ったらそれだけ遅れちゃいますからね。


「・・・そうだな。 充が適任か・・・ 了解した。」


午後からは今週一杯出張にしてますから召喚準備は万端っスね!


今日、セーフハウスの倉庫に車両が納車になります。

兄貴も立ち会いますか?


「そうだな。 立ち会うか。」


午前中の引き継ぎも終わってサブの運転でセーフハウスの倉庫に向かった。


セーフハウスは首都から高速で1時間位の他県の郊外に有る廃工場後をを買い取って改修して使ってる俺専用のセーフハウス兼倉庫だ。

近くにコンビニも自販機さえ無い首都近郊の秘境だ。


倉庫に着いて事務所でお茶を飲んでたらトレーラーが3台入ってきた。

サブが外に出て行きテキパキ車両を受け取ってトレーラーは帰って行った。


予想はしてたけど予想より酷ぞ? 

完全にラリーカーじねーかょ!

それにパイプで作って有るバンパーガード完全にマッドなMAXじゃねーか、刺みたいなの着いてるし。


ナンバー無いし保安部品撤去されてる。


俺、そんな過酷な世界に召喚されんのか?


世紀末覇者でも居るのか? モヒカンにボーガン向けられて ここは通さねーぜー!言われんのかょ! 

火炎放射器で消毒されちゃーのかょ! 


あっ、厄災の魔人は居るんだったな。


「・・・凄いな、サブ。」


後1台残ってるんっスけどそっちはもうちょいかかりそぉっスね。


「ん? 何が残ってんだ?」


籠城戦用の装甲キャンピングカーっスね!


加工とかギミック間に合わ無いんで完成したら即納車っス。


「えっ? 俺キャンピングカーで籠城戦すんの?」


もしもしの時の為っスよ!!

ロマンっス、ロマン!


最近のサブは全部ロマンで済ましてる気がする。


納車されてるキャンピングカーも、いい加減ゴツいけどこれより酷いの?


これは兄貴のワンルーム的な感じのっスからね。


今作ってるのは内装ももっとゴージャスっスよ!期待してて下さい。


段々面倒臭くなって来たんでもうサブの指示に全て従おう・・・


一通り車両確認して全て収納した。


倉庫が空になった所でサブからの指示で一度収納した品物を出して整理した。

使いそうな? 品物は個別に分けて再度収納。


何かやってる事は丸っきりホームセンターの新規店、立ち上げみたいだよ。


午後から始めた品物整理も暗くなる頃に一段落したのでサブと飯を喰いに行きそのままセーフハウスに戻った。


今日から召喚まで4日間だが明日もちょこちょこ荷物は来るし明後日はカルロスからの納品も有るからな。


タモツも、明日の夜からここに泊まるそうだ。

何でも俺のスキルを強化するらしい。


俺は少しでも馴れる為にキャンピングカー暮らしだけどな。


秘境気味の郊外でサブとタモツとキャンピングカーでBBQとか・・・ 

何が楽しいんだ?


今日位は飲みに行っても良いね?

お持ち帰りしたって良いじゃない。 893だもの。 すざく



☆★☆★☆★☆★


マルコが回復してから今日で6日目


ガリガリに痩せて居た身体も段々と厚くなってきた。


あの後、2日間は宿屋の中でゆっくりして3日目からオバースの街をマルコとアンナの三人で散策したり買い物をしたりと中々充実した日を送っていた。


マルコも昨日から冒険者登録をしてギルドで剣術と盾術の基礎を習っている。


私とマルコが冒険者ギルドに行ってる間、アンナは教会の孤児院でボランティアをしている。


「大分剣が振れる様になってきたわね。 マルコ。」


うん。 毎日が楽しいよ。 姉さん。


本当に良かった・・・


女神ミヤ様、ありがとうございます。


姉さん、ちょっとお願いが有るんだけど


「 何? 」


さっきギルドの職員さんに聞いたんだけど、 ダンジョンの調査が終わって明日からまたダンジョンに入れるそうなんだよ!


「マルコ・・・」


それでね? 受付の人に聞いたらFランクでもD以上のランクの人と一緒なら5階層までは行って良いそうなんだ。


女神ミヤ様から『 聖騎士 』を貰う前にある程度は地力を上げといた方が良いらしいんだ。


ラーセン司祭様に相談したら姉さんと一緒にダンジョンで実践的な修業した方が良いって言ってたんだ。


ダンジョンの中は魔素の濃度が高いから地力も上がりやすいって。


開拓村に戻ってからもできれば一緒にダンジョンに潜って貰いたいんだ。


「マルコ・・・」


力がなきゃ、 力が無いと姉さんもアンナも守れない。

力が無くて理不尽に呪いを掛けられるなんて・・ そんなのダメだよ。


僕は姉さんが居たから呪いが解けたけど・・・・


きっと他にも僕と同じ気持ちで呪いで徐々に弱らされて死を待つだけの人は沢山居るはずだから!


僕は強く成りたい!

姉さんとアンナを守れる様に。


女神ミヤ様の使徒として必ず厄災の魔人を滅ぼさないと。


その為に僕は薬をもらってこうして闘う機会をもらえたんだから!!


だから姉さん、僕が強くなる為に協力して欲しい!


「マルコ・・・ 分かったゎ・・・ 一緒に強くなって厄災の魔人を滅ぼしましょう。   女神ミヤ様の使徒として・・」


うん。 姉さん!


マルコは家族を守る為、 街の人を守る為、 王国の人を守る為、


強くなる事を女神ミヤに誓ったのだった。



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