第15話 冒険の準備を始めよう!!


「おはよう」


〉〉〉おはようございます。〈〈〈


昨日は夜中までサブとスキルの検証をしていた。


俺は会社のオフィスにいつも通りに出勤していた。


おはようございます。 兄貴!


「本部長だ! サブ」


すみません。 本部長!


今日の予定は8時に安田の保坂常務以外はフリーにしてますので昨日の話し通りに午後から倉庫で検証してから物質補給しに行きましょう。


「あぁ、分かった。」


それから会議、デスクワークをこなして午後になり倉庫に向かった。


会社の倉庫と組の倉庫、セーフハウスの倉庫の三ヶ所だ。


サブの運転で先ずは会社倉庫に到着した。


昨日商店街から買い取りした品物ちゃんと入ってるっスね


さっさっさっ、兄貴、チャッチャと行っちゃいましょうチャッチャと♪


「収納!」


昨日、立ち退き予定の商店街の店から買い取った品物を収納していく。


昨日は結局 金物屋、雑貨屋、時計屋、布団屋、洋服屋、帽子屋と靴屋、声を掛けて来た商店主全員の不良在庫を引き受けた。


おー 兄貴! お見事っスね!

良いな~ スキル!


サブは鼻を膨らませて良いな、良いなを連発していた。


「終わったぞー 次は何処行くんだ?」


異世界と言えば馬車っスよ? 兄貴! 足を調達しない事には無双出来ないっスょ!

車両の確保と注文っスね!


知り合いの車屋、解体屋、カスタムショップの3軒周り全ての車両をカスタムショップ置いてきた。


サブ曰く未舗装の過酷な道っスからね~ それ用にカスタムしとかないと!!


またサブは鼻を膨らませて俺に説明してくれていた。


何で俺よりサブの方が異世界詳しいんだ?


別に俺も全く詳しくねーけど。 

ダンジョン周りと教会しか知らねーからな 


鼻を膨らませたサブに聞いてみたら


常識っス!!


一言だった。  常識なんだ・・・


改造、メンテナンスを含めて完了車両は5日後に納車、と契約してカスタムショップを後にした。

 

因みに納車は使ってない会社の倉庫だ。


ジムニー2台、ランクル2台、ランエボ1台にキャンピングカー中型、大型が1台づつ、バイクが各種4台


ペイント、改造内容、は事前にサブとタモツがノリノリで作ったデーターを渡している。


いつの間にかタモツが仲間になっていた。 多分タモツがサブに仲間になりたそうにしていたに違いない。


サブは・・・ 俺ひとりって本当に分かってんのかな?


俺は特殊部隊装備でラリー仕様に改造されたランクル乗って魔物蹴散らすの?


どんなマッドなマックスですか?


あっ、そう言えば兄貴、一度タモっちゃんが向こうに行く前に来てくれって言ってたっスよ?


「タモツが?」


そっス! タモちゃんノリノリで鼻膨らませてたっスょ!


アレも必要だしコレも必要だしとかブツブツ言いながら鼻膨らませてって、結構引いたっスね!


お前も同類だぞ? サブ 鼻膨らんでるぞ?


明日の夜にでもタモツの所行ってみるか・・・


「明日夜行くって連絡しといてくれ。」


了解っス!!


そんなこんなをしていたら良い時間になったんで密談をしに首都に戻った。


☆★☆★☆★☆★


昨日は遅くにギルドから宿屋に戻ったエリスはそのまま寝てしまった。


ダンジョンから出て来てからの事柄は、知らずにエリスの体力と精神力を削ったいたのだろう。

事実、ポーション中毒に為りかけ朱雀に背負われて教会まで移動したのだ。


元気なハズが無い。


エリスが目覚めたのは次の日のお昼だった。


お姉ちゃん、お姉ちゃん

起きて、起きてー


アンナが宿屋の女将さんを連れ立ってエリスを起こしに来た。


エリスが寝起きでぼーっとしているとアンナがグイグイ腕を引っ張ってきた。


アンナは宿屋の女将さんにペコリとお礼を言いそのままエリスを強引に起こしている。


マルコ兄さんが目を覚ましたの。


回復魔法が効いてもう問題無いってラーセン司祭様が言ってたの。


お姉ちゃんも早く着替えてマルコ兄さんの所に行こ?


エリスはパチリパチリと瞬きをして完全に覚醒した。


「アンナ、マルコは回復魔法が効いたのね?」


アンナはコクコクと嬉しそうに頷いた。


「ラーセン司祭様がもう大丈夫、問題無いって言ったのね?」


アンナはコクコクと嬉しそうに頷いた。


エリスは直ぐに昨日の服装を着替えだしてアンナに荷物の整理を頼んだ。


急いで着替えを済ましたエリスと散らかっていた荷物を片付けたアンナ。


そのまま早足で宿屋の女将さんに宿を出ると言い先払いの料金の余りを貰いアンナの手を取り教会へ向かうのだった。


教会に着き神父様に挨拶をして奥の孤児院に向かう。


ワイワイ、ガヤガヤ、ウキャキャ、騒がしい孤児院の中に入ると子供達に囲まれたマルコが居た。


身体はガリガリに痩せてるが顔色も良く笑顔で子供達と遊んでいた。


「マルコ、もう身体は良いの?」


心配かけてゴメンね、姉さん、身体の怠さも無いし食欲も有るし・・・・

何より こーやって子供達と一緒に遊べるんだ!

ずっと長い夢を見ていてやっと夢から覚めた感じだよ!!


「良かった・・・ 本当に良かったゎ マルコ・・・」


一応は元気そうなマルコを見てホッとしていたらラーセン司祭様が呼んでるとシスターが迎えに来たので私だけラーセン司祭様の元に向かった。


ラーセン司祭様からは昨晩から朝にかけて3度回復魔法を掛けた事、朝に上位鑑定を掛けた結果問題無かった事。

それと不調の件とは別にマルコのモヤがかかっていた資質も見えたとの事だった。

マルコの資質は『聖騎士』らしい。


ラーセン司祭様曰く15才になったら恐らく女神ミヤ様の加護を貰えるだろう。 との事だった。


ラーセン司祭様にお礼を言い孤児院に寄付をしてマルコ、アンナを連れて新たにちょっと良い宿屋を取った。


2年振りの家族団欒を笑顔で終え久しぶりに幸せな気持ちで眠りに着いた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る