第4話 オバースダンジョン
女神ミヤ様の使徒として魔力と身体能力が大幅に上がったエリスはダンジョンアタックの準備を進める。
ダンジョン都市の冒険者キルドに寄りオバースダンジョンの罠、魔物の階層、分布等の情報収集、ダンジョン内15階層までの地図等を冒険者キルドで取得して来た。
街へ戻り食料の確保、武器防具のメンテナンス、各種ポーション類の手配等忙しく街中を回っていた。
日が暮れて冒険者キルドから紹介の冒険者ギルド提携の宿屋に泊まりダンジョンアタックのプランを纏めるので有った。
「5階層までは初心者でも用心していれば問題無い階層か~ スライム、ゴブリン、コボルトが単体か多くてもペアね~・・・」
「セイフティーゾーンは10階層か~ 6~10階層まではスラ、ゴブ、コボに7階層のボス、オークと・・・」
オバースダンジョンの情報を整理していたエリスが7階層毎のボス部屋とか珍しいと独り言を呟いていて居た。
「10階層までのセイフティーゾーンまで1日半、それから10階層のセイフティーゾーンをベース基地に14階層のボス部屋まで2日か~・・・ 結構ギリギリだなぁ~」
「私の目的が14階層の月下草だけだから野良の人とパーティーも組めないし・・・ ソロで潜るしか無いか・・・」
そして予定を決めたエリスは明日のダンジョンアタックに向けて早めに就寝した。
まだ日が昇る前の紫色の空の下に防具に身を包み携帯食、各種ポーション類を詰めたリュックを背負ったエリスが教会に向けて通りを歩いていた。
エリスは基本は弓術、短剣術で開拓村の近くに有る 名も無きダンジョン に潜っていた。
初級~中級の30階層の名も無きダンジョンは既に攻略はされており辺境伯によってコアが管理されている養殖ダンジョンだ。
ここ、オバースのダンジョンは50年経った今でも攻略のされて居ないダンジョン。 最高攻略階層は55階層。 56階層のフロアボスが強力過ぎて突破が出来て居ないとの事だ。 因みにフロアボスはドラゴンらしい。
トントン
エリスは教会の裏に回り孤児院の門をノックした。
シスターが早朝に関わらず丁寧に対応してくれて起きて居たラーセン司祭、そして妹を連れてきてくれた。
二人にこれからダンジョンに向かい必ず無事に月下草を採取して帰って来ると伝え、妹をハグしオバースダンジョンに向かった。
ダンジョン内は概ね予定通り。
極力魔物との戦いを避け14階層に向かった。
ラーセン司祭から預かった懐中時計で時間を確認しながら余裕を持って14階層、部屋主部屋 通称ボス部屋前に月が真上に昇る1時間程度前に着いた。
ラーセン司祭の懐中時計が出たのでこの世界の理を少し。
十二月の30日、24時間の10日で一週間。三週間で一月。四季は有るが地域差が強く出ている。
神が存在し精霊信仰の強い世界なので個別、地域差との認識がこの世界では普通だ。
★☆★☆★☆★☆★☆
全てが順調だった・・・
時間通りに月下草が現れ、手早く採取、瓶に詰めアイテムバックの中に入れ後は地上に戻るだけだった・・・
「良し! 待っててね。 マルコ・・・」
エリスは10階層のセーフティーゾーンを目指して気合いを入れ直したのだった。
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