第5話(2)ヤンデレとデートとか怖そう(小並感)

一方その頃八舞と謙達はというと


「あいつ、どこ行ったんだ?」

「私もつい見逃してしまいました・・・」

「お前があいつのこと見逃すなんて珍しいこともあるんだな。」

「え?そうですか?」

「え、いつものこと考えれば充分珍しいだろうよ。」

「うーん、そういうものなのでしょうか?」


俺は、八舞にヤンデレの自覚がないのに驚きつつ、聞きたかったことを聞くことにした。


「なぁ、八舞さんよ。」


すると八舞はキョトンとした顔で答える。


「堂島さん、どうかしましたか?」


「お前、なんで赤羽のこと。成士のことを好きになったんだ?」

「聞きたいですか!?」


(あっ、これ聞いてると一生終わらないやつだ)

キラキラと目を輝かせる彼女を見て察する。


「いや、俺の勘違いだったみたいだ。」

「えっと・・・何がですか?」

「いや、なんでもないよ。それより成士を探そう。」


いいカップル。こいつらはいいカップルなんだ。だけど、少し。ほんの少しだけ八舞はまだ何かを隠しているような気がして、本当は成士のことを好きじゃないような気がして・・・


考えすぎだな。この話は終わらせよう。


その時だった。俺の携帯に着信が入ったのは。

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