第2話(2)異変
おかしい。ここ最近何かがおかしい。正確に言うと1週間の話だ。
何がおかしいかと言うと、朝、下駄箱に何も入ってなかったり、いらないチラシがポストに入ってなかったり、たまに机の上に謎の飲み物が置いてあったり。変なことばかりだ。謎の飲み物は怖いから飲んでないため分からないが、基本的にいい事しか起こらないのである。この時は単にラッキー程度にしか思っていなかった。そして、翌日
「謙、リュック変えたのか?」
「お、気づいたか!抽選で当たっちゃってよぉ。」
「へぇ。そんなの当たることもあるんだな。」
「あぁ。どうも最近いい事ばかり起こるんだよな?」
「お前もか?俺もそんなことばかりで、少し怖くなってきてな。なんか、変なことがおこんなきゃいいけど・・・」
基本的に幸運の後には不幸が来る。これは定番のお約束であり、絶対に後で不幸なことは訪れる。でも、おれの場合は逆の不幸なことの後に幸せなことが来てるんだ。きっとそうだ。そういうことにしなきゃ何故こうなってるのか理解できないからだ。
そんなことを一瞬脳裏に過ぎらせるも怖くなったため思考を止める。時間の無駄だ。
「そういえば、成士さ、お前最近告白される回数減ってね?」
「そうか?」
「そうだって。昔は1日3回。少なくても2回は来てたじゃん。それが、1回とかなんだぜ?」
「この学校で俺に告白してない女子がいなくなっただけだろ。」
「そういうものなのかなぁ?」
「まぁ、気にすんなって。あっ、百円玉落ちてる、ラッキー。」
にしても、これで今週拾うの何回目だ?今度まとめて交番に持ってくか。こんなに持ってるのはさすがに気が引けるしな・・・
だが、これが2週間ほど続いたので、俺は何となく察してしまった。
あぁ、これはタチの悪いイタズラだ。こんなに期待させておいて最後になにかする気だ。
犯人の特定しようと試みるも普通に無理なので断念。だが、無理とは言っても俺だけの話だ。三人寄れば文殊の知恵ということわざがある。3人で文殊か・・・。ならば過去の教えに縋るとしよう。
「あいつらに頼るのは面倒なんだけどな・・・」
そうして俺は携帯の画面を開いた。
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