第1話(1)やっぱり俺は俺が好き
いつものように5時半に鳴る目覚ましを憎く思いながら起きて、シャワーを浴び、朝のランニングをする。これが俺のルーティンである。普通シャワーとランニングの順番が逆だと言われるが、シャワーを浴びないと起きた感覚が無く、体のスイッチが入らないのだ。
そして朝ごはんを食べ、制服に着替え、出かける前に携帯で今日の予定を見る。カバンにこの間もらったラブレターを入れ、ドアを開ける。
「ういっす。今日は昼休みに屋上、放課後に校舎裏でいいんだよな?」
そう言って俺の家の前で待っていたのは俺の唯一無二の親友兼幼なじみの堂島 謙。
彼は小中高と剣道一筋であり実力は凄いとしか言えない。1回見た事あるけどあれは下手したら死ぬぞ。
「おう。朝から悪いな・・・今日もよろしく頼む。」
「いいってことよ!これでもお前のボディーガード楽しいし。」
「何が楽しいだよ・・・」
そう。堂島は俺のボディーガードとして週に2回ほどアイスかジュースを奢る契約で雇っている。何回か、振られた逆恨みで喧嘩に巻き込まれたことがあったが基本的にこいつがいれば何とかなる。霊長類最強とまでは行かないが、俺の知り合いの中では最強だ。
「お前、筋トレとかしてんならボディーガードいらねぇだろ。」
「お前と登下校したいだけって言ったらどうする?」
「惚れたわ。付き合うか。」
「却下な。オスは恋愛対象外だから。」
「お前、自分のこと好きなくせに・・・」
なんてくだらないことを話しつつ、学校へ向かう。そして、未知のBOXである下駄箱の前に立って心の準備をする。何故、未知のBOXと呼ぶかと言うと、今まで入ってたものがラブレターや、お菓子、女子の髪の毛や謎の人形といい、まさにブラックボックスなのだ。酷い時は下着が入ってたこともあった。
「今日はなんかあったか?」
「ラブレターが2通ほどな。」
「かぁー。羨ましいことぜ。お前がこの学校いるせいで俺らはモテないんだよ。」
「知るか。お前も頑張れ。」
「運動能力だけなら負けてないのになぁ」
「だけって言ってる時点で分かってんじゃねえかよ」
「クソ!朝練行ってくる!」
「了解。頑張ってこいよ。」
さてと、上履きに履き替えた事だし教室へ向かうとするか。
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