第4話
僕はサーマ森林の手前までやってきたが、そこから前に進めない。
この森から奇妙な風が吹いており、『立ち入り禁止』だと僕に伝えているようだ。
今までにない心がおびえている感覚。
僕は森に入ることができないでいた。
どうする?
ここから先はどう見ても危険そうだ。
引き返すか?
いやいや。
せっかくここまで来たんだ。
それにいい答えを見つけに来たんだろ?
答えによっては差別されないようになるかもしれない。
またいじめられるよりはマシだよ。
僕は自分に言い聞かせながら少しづつ足を動かしていくと、森の中に入ることができた。
森の中はとにかく暗く、怖い雰囲気だ。
何かが出そうな感覚がすごい。
僕はほんのちょっとづつ歩いていく。
このペースじゃ森の先まで恐ろしいぐらいの時間がかかるだろう。
僕がおびえながら歩いていたその時、
バタン!!!
!?
大きな音が突然耳に入ってくる。
僕は驚きすぎて腰を抜かす。
なんだ!?
木でも倒れたのか!?
大丈夫なのか!?
僕は震える。
するとさらに音が聞こえてくる。
バタン!!!
バタン!!!
バタン!!!
この音はまさか…………、
足音!?
僕は何かに気づき後ろを見ると、
!!!
一番最初に見えたのはデカすぎる鼻。
次に見えたのはデカすぎる鼻の穴。
そして小さすぎる目。
……なんだ、鼻の穴かよ………。
驚かさないでよ……。
僕は後ろを見るのをやめて進もうとする。
現実逃避をしているのだ。
……だが、
パオーーーン!!!
大きな鳴き声が聞こえて現実逃避が破られる。
「ば、バケモンだーーーー!!!」
僕は全力で逃げ出す。
な、な、なんだあれ!!?
なんでいきなりバケモノが出てくるんだ!?
しかも鼻がでかい!!
体もでかい!!
しかも追ってきてる!!
その鼻デカ怪物は僕を笑顔で追ってくる。
僕はものすごい恐怖を感じながら逃げる。
逃げる。
逃げる。
とにかく逃げる。
木の根に引っかからないように飛び越え、草の根を突き抜けて、転びそうになりながらも逃げる。
だが、怪物はずっと見える位置にいて、ずっと追いかけてくる。
やがて僕の体力は限界に近づいていた。
………まずい、
このままじゃ……。
ん?
いや待てよ?
この怪物そんなに足が速くないぞ。
僕と同じくらいだ。
もしかしたらデカいだけで弱い怪物かもしれない。
だったら……、
立ち向かおう!
僕だってできるはずだ。
天使なはずなんだ!
翼はないけど……。
僕は止まり鼻デカ怪物の前に立つと、怪物も止まる。
…………よく見たら怖い顔だ。
僕は逃げだしそうになりながらも踏ん張る。
頑張れ!
僕!
パオーーーン!!!
怪物が叫ぶと、僕はまた弱気になってしまう。
…………怖い。
逃げたい。
翼があれば簡単に逃げれるのに。
どうすれば…………。
僕は下を見る。
!?
するとぎりぎり持てそうなぐらいの大きさの石が落ちていた。
…………、僕は何かをひらめく。
もしかすると…………、これを使えば!
僕は石ころを拾うと、鼻の穴にめがけてなげる。
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