第3話

 神様に言われた通りに僕はサーマ森林に向かうことにした。

 

 サーマ森林はとても危険な場所と聞いている。

 恐ろしい生物がいるとかいないとか……。

 だがそこに向かえば良い答えが待っているらしい。


 よし。

 行こう。


 その前にまず最初の壁はこの落とし穴から上がることだ。

 ヤネスめ。


 最初からつまずきそうだが、どうやって上がるか考える。


 うーん……。

 ん?

 これは……。


 よく見ると落とし穴の一部の土が柔らかそうだ。

 柔らかい部分から上れば上がれるかもしれない。

 そう思い、挑戦してみる。


 よいしょ!


 すると簡単に落とし穴から上がれたのだ。


 なんだ。

 冷静になれば簡単じゃないか。


 僕は服についた土を落として、サーマ森林に向かう。


 このまま順調に進めばいいな。

 森の先に到達すればいい答えが待っている。

 いい答えとは翼が手に入ることかもしれないし。

 


 僕は期待であふれながら進む。

 だが待っていたのは決して楽なものではなかった。


  ◇◇◇◇◇◇◇◇



 天界のはるか上空にて、神と大天使(神クラスの天使)が話していた。


「誰かが例の森に向かったようだが、どういうつもりなのだ? まさか貴様が仕向けたのではないか?」


「ええ。そうよ。悪いかしら??」


「先に到達すれば真実を知ることになるんだぞ? それでもいいのか?」


「ええいいのよ。彼なら真実を知っても悪用しないわ。ワタシは信じてるわ」


(アルタスちゃん頑張って!! ワタシが応援してるわ!! 出来たらチュ~~してあげるわよ~~ん!!)


  ◇◇◇◇◇◇◇◇



 何故か僕の背筋が寒くなる。

 誰かが僕を見ているようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る