第39話
バルグが連れてきてくれた職人たちのおかげで建物を作るペースは一気に上がり、そして、残り時間を三十日も残しながら領地を広げることに成功した。
そして、領地が広くなった……らしい。
まぁ、目で見えないから判断の付きようがないもんな。
でも、水晶の表示が明らかに変わっているので、間違いないのだろう。
【領地称号】 弱小領地
【領地レベル】 4(0/32)[村レベル]
『戦力』 6(1/35)[人口](6/15)
『農業』 4(6/25)[畑](2/4)
『商業』 6(0/35)[商店](1/6)
『工業』 12(0/65)[鍛冶場](1/1)
見られる数値が増えていた。
これも領地拡大した効果だろうか?
というか、最大人口が見られるようになったのは大きい。
まぁ、家が五件増えたところからも良くわかるが、住める人口が増えたもんな。
これで人口は前と同じで『戦力』レベルだけ……だったら、無駄なスペースにも程がある。
ただ、それだけ人を探さないといけないのか……。
俺は苦笑を浮かべながら手伝ってくれた男達にお礼を言う。
「ありがとう。おかげで無事に建物を作ることができた」
「いえ、俺たちも十分すぎるほどの報酬をもらっているからな。それにこうやって一から村を作っていくのも中々楽しかったぞ」
「それならお前たちもこの領地に残ってはどうだ? これからも色々と作る物はあるからな。手を貸してくれるとありがたい」
「そうだな……。いきなり――というわけにはいかないが、少し考えさせてもらう。それでいいか?」
「あぁ、それでいい」
全員とは言わないが、せめて数人残ってくれるとこれからの領地拡大に役立ってくれるのでありがたい。
ただ、無理にとは言えないからな。
あとは開拓度の上昇度合いと見比べて、どれを上げていくか考えないとな。
基本的に人口を増やすのは『戦力』になるので、これは最優先だ。
それを上げるには人口を増やすか建物を作るか、改修や修理すること。
もしかしたら今回作ったように道を作ったら上がる……とかもあるかもしれない。
でも、人口が増えすぎたらその分の食料が必要になる。
様子を見て『農業』レベルも上げておく必要があるな。
商業は町で買い物をしてもらえば上がっていくし、しばらくはバルグに任せるだけでいいだろう。
自動で上がるようになった訳だし。
それから俺は領地がどのくらい広がったのかを探り始めた。
それと同時に家の強化をするための素材集めをするためにクルシュに同行してもらう。
「ソーマさんと一緒に出かけるのって久しぶりですよね?」
クルシュが嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「そういえばそうだな。最近は素材集めばかり任せていたもんな」
「私にできることがあって嬉しいんですけどね。でも、こうやって一緒に出かけられるのもやっぱり嬉しいです」
上目遣いではにかんでくるクルシュ。
久々にクルシュの能力も見てみることにした。
【名前】 クルシュ
【年齢】 18
【職業】 メイド
【レベル】 1(1/4)[ランクE]
『筋力』 1(25/100)
『魔力』 1(0/100)
『敏捷』 1(41/100)
『体力』 2(4/150)
【スキル】 『採取』10(18/5500)『釣り』3(37/2000)『給仕』1(1/1000)
やはり採取スキルがかなりレベルが上がっている。
これなら俺がバフをかけなくてもDランク級の素材を集めることができるだろう。
いや、そろそろ木材もC級を集めたいな。
その辺りも含めて素材を集めていくか。
クルシュと二人、素材を集めて回る。
ただ、C級木材を取るにはまだレベルが足りていないようだ。
D級の時が、採取レベル合計十だったので、おそらくC級は二十になると思われる。
残念ながら俺のバフだとまだ四しか上げられないので、もうしばらくは強化が必要になってくるな。
もしくは、以前D級魔石を取ったスライムの森の更に奥へと行くか……。
いや、戦えないクルシュにそんな危険を冒させるわけにはいかないな。
ここは地道にスキルレベルを上げていってもらおう。
それに、今回必要になるのはD級木材だ。
あとはE級木材も必要になるので、そちらは俺が拾っていこう。
そう思っていたのだが――。
「ソーマさん、見てください。こんなにたくさん、木の枝が拾えましたよ」
クルシュが嬉しそうにもってきた木の枝はE級もD級も混ざっていた。
更にごく少量ではあるが、C級すら混じっていた。
この辺りは完全に一定……というわけではないようだ。
これもスキルレベル次第……ということなのだろうか?
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