第36話
それから俺は取ってきた素材を使い、上げられるだけ開拓度を上げておくことにした。
特に畑はD級魔石を手に入れたことで強化していくことができた。
【名前】 荒れた畑
【開拓度】 3(0/10)[農業]
【必要素材】 C級魔石(1/3)
【状況】 キュウリ(0/10)トマト(0/10)キャベツ(0/10)ニンジン(0/10)リンゴ(0/7)
初めての果物が出てきてくれた。
ただ、この数字を上げるのは少し大変で、二回開拓度を上げる必要があった。
それでも初めての果物……ということもあり、出てきた瞬間の感動は人一倍あった。
あとは実ってくれるのを待つだけだ。
そして、二つの畑を強化したあとに、クルシュが取ってきてくれた木の枝を使って破壊用の小屋を建てることもできた。そのおかげで戦力レベルも上がっていた。
【領地称号】 弱小領地
【領地レベル】 3(13/16)[庭レベル]
『戦力』 6(1/35)
『農業』 4(6/25)
『商業』 3(6/20)
『工業』 12(0/65)
鍛治レベルが跳ね上がっているのは単純に回復薬を大量に作ったから……だった。
既に新しく作った破壊用の小屋の中にも大量の回復薬が入れられている。
しかし、
そもそも、お金をもらったとしても今のこの領地の現状だとほとんど使うこともない。
そろそろこの領地にも商店が欲しいところだ。
そんなことを思っているとタイミングよく
本当にタイミングを計っているのかも知れない。
ただ、気になるのはビーンの後ろに大柄の男と小柄な少女の二人が一緒にいたことだった。
「お久しぶりにございます。ソーマ様」
「あぁ、久しぶりだな。――それよりお前の後ろにいるのは?」
「えぇ、こちらのお二方はソーマ様の求人に応募してくださった方になります」
「えっと、ボクはユリ。こっちはバルグ。よろしくね」
にっこりと微笑んでくるユリという名の少女。
それに釣られるようにバルグという大男も頭を下げてくる。
しかし、バルグが何か話してくることはなかった。
「はははっ、バルグはちょっと人と話すのが苦手なんだよ。商人のくせにね」
「……っす」
まぁ、何かしら問題がないとこの領地には来ないだろう。
それに何のトラブルもなく領民になると言っている。
あとは水晶にしっかり名前が表示されたらいいだけだ。
二人を見ながら水晶を確認する。
【名前】 ユリ
【年齢】 24
【職業】 主婦
【レベル】 1(1/4)[ランクE]
『筋力』 2(14/150)
『魔力』 1(65/100)
『敏捷』 1(14/100)
『体力』 1(21/100)
【スキル】 『料理』5(147/3000)『鼓舞』1(12/1000)『商才』4(65/2500)
【名前】 バルグ
【年齢】 26
【職業】 商人
【レベル】 3(3/4)[ランクE]
『筋力』 6(57/350)
『魔力』 1(0/100)
『敏捷』 1(47/100)
『体力』 7(36/400)
【スキル】 『馬術』3(54/2000)『商才』1(0/1000)『怪力』2(24/1500)
どうやら二人ともしっかりここの領民になってくれている。
それにバルグが商人というのも間違いないようだ。
そして、戦力が二上がったから二人来てくれた、と考えて間違いなさそうだ。
ただ、念願の商人ではあるものの商才がユリの方が高いのは少し気になる。
まぁ、主婦……ということはおそらくバルグの奥さんなのだろうし、商才スキルが上がっているので一緒に商店を開いてくれるのだろう。
「あぁ、二人とも歓迎するよ。ただ、店の方がその――」
今開いている建物は物置小屋ただ一つだった。
「その……、しばらく大きくするまでは物置小屋に住んでもらうことになるけど大丈夫か?」
「もうお店がもらえるの!? もちろん大歓迎だよ!! やったね、バルグ」
「……っす」
バルグが軽く頭を下げてくる。
あぁ、これが一応感謝の言葉を表しているのか。
また個性的なメンバーが追加されたな……と俺は思わず苦笑を浮かべていた。
「では、私はいつものように回復薬を買い取らせていただいて……、いえ、そうですね。それも半分ほどにさせてもらいましょうか。残りはこのバルグに任せた方が良いでしょうからね」
「……っす。あり……っす」
今のが『ありがとうっす』って言ったのかな?
何を言ってるか分からない……というよりは声が小さくて聞き取れない、といった感じだな。
表情やよく耳を澄ませたら聞こえるので、聞き逃さないように注意しよう。
そして、俺はビーンに回復薬を渡した後、バルグたちを物置小屋に案内した。
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