第7話
商人と出会ってから、商業の数値が一気に上がっていた。
『商業』 1(9/10)
もうすぐレベルが上がりそうだ。
ただ、そこまで上がるようなことはしただろうか?
俺は商人と交渉をして、使えないものを買わなかったり、この領地に人を呼べる体制を交換条件で整えただけだ。
おそらくその辺りの交渉が数字の上がった理由なのだろうが、細かい理由までは調べられなかった。
まぁ、これは実際に商人が来てくれたら、なんとでもなるか。
それに人を呼んでもらうのだからその間に領地を広くしておきたい。
商業は商人が再び来てくれないと上げられないことを考えると、今はその他を上げていこう。特に『戦力』と『農業』だな。
はぁ……、またスライム叩きをしないといけないんだな……。
大きくため息を吐いた後、覚悟を決めて魔石と木材を拾いに行く。
そして、一日中頑張って倒し続けた結果、相当な量が集まっていた。
【名前】 古びた小屋
【開拓度】 1(1/10)[戦力]
【必要材料】 E級木材(21/10)
【状況】 隙間風が吹く。
【名前】 荒れた畑
【開拓度】 1(1/10)[農業]
【必要素材】 E級魔石(7/3)
【状況】 キュウリ(0/1)トマト(0/1)
どちらも今すぐにでも開拓度を上げることができる。
ただ、必死に働き回ってさすがに疲れたので、今日は畑の方だけ開拓度を上げることにする。
さすがに小屋の方はまた道具が出てきて、自分で小屋を強化することになると予測できるから――。
『荒れた畑の開拓度を上げますか?』
→はい
いいえ
いつもの選択画面で『はい』を押すと更に畑のときに出てくる選択画面が現れる。
『量を増やしますか? 種類を増やしますか?』
→量
種類
前が種類だったので、今回は量を選択してみることにする。
すると、以前と同じように種が飛び出してくる。
時間も前と変わらない。
ただ、植えられる種の数は全然違った。
「三個……か。もしかして……な」
しっかり種を巻き終えた後、畑を確認する。
【名前】 荒れた畑
【開拓度】 1(2/10)[農業]
【必要素材】 E級魔石(4/3)
【状況】 キュウリ(0/4)トマト(0/1)
やはり、一気に数が増えた。
これは量の方を優先させた方がよかったかも知れない。
ぐぅ……。
やっぱり一日キュウリ一本じゃどうやっても足りないもんな。
明日からトマトが増える……といっても、根本的に数が足りないとどうすることもできないもんな。
これから先人が増えていくことも考慮するとなおさらだ。
「まぁ……とりあえず今日は寝よう。余計な動きをすると腹がもっと減るだけだ」
明日になれば更に野菜ができるはず。
あとは、商人が新しい領民を探してくれるはず。
その人が頼れる人だったら良いな。
……いや、この領地に関してはほぼ開拓度の通りになっている。
いきなり最高の力を持った勇者や賢者なんて人物が現れるはずもない。
もし、凄い力を持つ者がやってきたなら、それは誰かの刺客――この場合だとあの商人からなにかを頼まれたやつだろう。
俺がどうやって損傷度を調べているのか……。
あの商人が知りたいのはその情報。
つまり、領地に来た人物が凄い人間なら俺の水晶を奪ってくる可能性があるわけだ。
……でも、これは他人が扱えるものなんだろうか?
そこも調べたいところだな。
とにかく今日はゆっくり休んでおこう。
翌日になると野菜の数字はしっかり回復していた。
トマト一個とキュウリ一本。
やはり増やした分は回復するのにちょうど一日かかるようだ。
昨日増えたキュウリ三本は明日にしか採れないようだ。
そこは仕方ないだろう。
採れた野菜は早速俺の腹の中に収まる。
そして、腹を満たし終えた後、小屋の開拓度を上げていくことにする。
すると、俺の予想通りに木の板と釘、そして金槌が出てくる。
それを小屋の隙間になっている場所に打ち付ける。
慣れない手つきで時間ギリギリまでかかってようやく直すことができた。
【名前】 古びた小屋
【開拓度】 1(2/10)[戦力]
【必要材料】 E級木材(11/15)
【能力】 『盗難防止』1(0/1000)小屋に入れたものは盗むことができなくなる。
[小屋の鍵を閉めたとき限定]
【状況】 ボロボロだけど住めなくもない
おっ、能力がついたぞ。
しかもこれは……。
能力が発動するのが限定的なのと、この小屋の鍵は中からしかかけられないことを除けばかなり優良な能力だ。
特に俺の場合は水晶の保管が死活問題になる訳だからな。
それに戦力の数値が上がっていくごとに必要素材も増えていってるが、ずっとE級木材ばかりだな。
もしかすると開拓度一の間はずっとE級木材なのか?
小屋にスキルがつくとわかった以上、まずはこっちを優先して上げていくべきだな。
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