第二十二話 クラス会


 主人たちが続々と集合してくる夕方。

 俺は全ての対策を完了させていた。


「お待ちしておりました黒露様」


 それどこで買えんのとツッコミたくなる黒塗りの高級車から出てきた黒露様。

 そして、その黒露様を囲む執事とメイドさんたち。


「ごきげんようたか。その顔は自信がありそうね」


「もちろんです。僕は黒露様がなずける敏腕スパイですから」


「いつからスパイになったのよ」


 俺のわき腹をつんつんしながらツッコミを入れる黒露様。


 黒露様を送り届けた執事やらは、入り口付近にて待機している。

 他の主人の護衛たちも帰らずに、入り口にとどまっている。


「護衛たちは帰らないんですか?」


「そのまま警備よ。ホテルの一ヶ所に資産家の子供たちが集ってしまうと、標的にもされやすいから、そのまま厳戒態勢で警備するのよ」


「なるほど」


 改めて主人たちが俺とはまったく異なる環境で生きているのが身に染みるな。

 一流の執事たちや、赤坂を連れてきたヤクザっぽい人たちも集う。これはもう映画の世界だ。


かみ様、先に着替えを行いましょう」


 黒露様の元に荷物を持ったメイドが現れ、ホテルの個室へと消えていく。

 どうやら女性はホテルで着替えるみたいだな。


 既に着替え終えた女性を見ると、制服からドレスコードにチェンジをしている。

 化粧が普段より派手になっており、髪型も盛られていて気合が入っている。


 一般的な学校のクラス会は、打ち上げという名目で食べ放題の店でおしやべりするのが基本だが、せいじん学園でのクラス会はもはや社交場だ。


 黒露様が着替え終わるのを待っていると、別の主人が俺の前に姿を現した。


「あら、かたひら遊鷹じゃない」


 背筋が伸び、堂々とした立ち振る舞いで現れたシャルティ。

 ドレスを着て、髪型を派手に盛り、美しさが顕著になっている。


 背中がぱっくりと大胆に割れているドレスで、露出が多い。

 というかこの人はやはり露出狂の疑いがある。


「お美しいですねシャルティ様」


「知ってるわよ。それで、まだ告白してこないの?」


「え?」


「そろそろシャルティへの思いを募らせてクラスメイト達が告白してくる時期でしょ? まぁ、このシャルティに相応ふさわしい男なんてそうそういないけど」


 ナルシストも度を超えるとすがすがしい……

 個人的にはシャルティみたいな気の強い性格はタイプなのだが、普通の人には引かれてしまうだろう。


「あら、シャルティも来てたのね」


 着替えを終えた黒露様が、俺の元に戻ってくる。

 その姿に俺はれて硬直した。


 肩が露出している黒いドレス。黒い宝石の付いたネックレス。

 それ何億するんですかと問いたくなる青い宝石が付いた指輪。


 格好はもちろんだが、普段とは異なる巻いた髪型や化粧で色づく唇に、色鮮やかなネイルが施された指。その全てにきつけられる。

 きっと着替えに同行したメイドはすごうでのスタイリストでもあるのだろう。


「顔が赤いわよ遊鷹」


「……すみません、見惚れてました」


「素直でよろしい」


 にっこりと微笑ほほえむ黒露様。

 普段より大人びて見える黒露様に、ただただ胸を熱くする。


れい……」


 黒露様を見てぼうぜんとしているシャルティ。

 彼女が他人の容姿を褒めるとは珍しいな。


「あら、ありがとう。シャルティも綺麗よ」


「うっさいわね。お世辞はいらないっての」


「ホントのホントよ」


 黒露様をパーティーが行われる会場へエスコートすることに。


 会場に辿たどり着くとその豪華さに目を奪われる。

 天井には大きなシャンデリアに、下は綺麗なじゆうたん

 会場は華やかな装いで、参加者を彩っている。


 教室の時とは異なり、上品な口調で会話をしているクラスメイト。

 高級なネックレスや時計が主張され、自身の品の高さを見せようと必死になっている主人も多い。


 ホテルスタッフが一人一人に上質な紙を渡している。

 紙には今日のプログラムと、席の配置が記されている。


 俺のテーブルには、黒露様とシャルティと赤坂の三人とその使用人たちの名前がある。生徒の親交度がしっかりと考慮された配置のようだ。


「うーす」


「うーすじゃないわよ、しっかり挨拶しなさい」


「わーったよ。ごきげんよう三神」


 適当に挨拶を済ます赤坂に注意する黒露様。

 赤坂は誰よりも目立つ、派手な赤いドレスを着ており、普段は身に着けていないアクセサリーを身にまとっている。

 セレブヤンキーという独特なジャンルを開拓しているな。


 テーブルクロスの敷かれた円卓のテーブル席に座ると、テーブルの下から舞亜が俺の股の間に現れた。

 神出鬼没にもほどがあるだろ……


「それにしても、お金持ちってのは何故なぜこうも美人ばかりなのか。どの主人も綺麗だし可愛かわいいな」


 ドレスで彩られる主人たちは華やかだ。

 FKK48とか心臓破りの坂46とかのアイドルグループに属していますと言われても不思議ではないレベル。


「そりゃ金持ちだし、美意識は高いやろ」


「舞亜だって黙ってれば普通に可愛いしな」


「そんなうれしい言葉かけんなや、股開くぞボケ」


「下品にもほどがあるだろ」


 顔を赤くして恥じらいながら下品な言動をする舞亜。

 将来が心配になるレベルだ。


「まぁ、あいつら整形やけど」


「は?」


 舞亜の予想外の発言に俺は硬直する。

 何を言ってるいんだコイツは……


「あそこに楠木さんいるやん、あの子も急に鼻高くなったで。本人は自転車で転んで、鼻を骨折した影響とか言って誤魔化してるけど。毎日車での送迎で、自転車なんて乗ったことないやろうに」


「止めろ、聞きたくない!」


「二組の北野も中学の時と輪郭変わっとるしな。この前も北野のSNS見たら、整形後の腫れを抑える薬みたいなのイイネしてたし」


「やめろ、それ以上言うな」


 俺は舞亜の口をハンカチで塞ぐ。

 別に整形は悪いことではないと思うし、綺麗になりたいと思うのは人として当然のことだ。


「おい、黒露様とかシャルティもそうなのか?」


「いや、あの二人に関しては自分の顔とか大好きそうやし、弄ったりせんやろ」


 舞亜の説明は腑に落ちた。

 黒露様が胸を気にしているからって豊胸手術とかはしていないしな。


 とはいえ、主人が綺麗な人ばかりなのは金持ちなので整形しているからですなんて知らなくてもいい情報だったな。


「ちなみに舞亜は?」


「しとらんわ……整形は」


「意味深な言い方だな。近しいことはしたのか?」


「一重から二重にプチ整形したで」


「整形もプチ整形も変わんねーだろっ!」


「冗談や冗談」


 冗談とは言っているが、舞亜のぱっちり二重は弄られていそうな気配はある。

 あまり深くは詮索しないであげよう。


 生徒が全員そろい、司会が進行を始める。

 プログラムによると最初に食事があり、その後はレクリエーションで、最後にクラス代表を決める投票があるみたいだな。


 ステージ側には長机が運び込まれ、一流のパティシエが手掛けた様々なスイーツが姿を見せる。

 女性比率が高いこともあり、オシャレ路線で攻めているな。


 下手にスイーツに手を出しテーブルマナーに挑戦したくはないので、無難にグラスの飲み物を頂くことにしよう。お

 なかも特にいていないしな。


 食事の時間がある程度過ぎると、黒露様の元に主人の生徒が順々に挨拶に来ている。

 やはり黒露様は学園一のお金持ちなだけあって、他の主人の生徒は挨拶が必要になるのだろう。

 学生という立場だが、大人の付き合いというのも実践しなくてはならない。


 当人同士のつながりが無くても、親同士の企業の関係で繫がりがあるかもしれない。

 たとえ同学年の生徒であっても、企業の傘下で世話になっている事実等があれば、上下関係をもって振る舞わなければならない。


 この学園に入るまでは金持ちは楽で良いなと思っていたのだが、一般人では味わわない苦悩や面倒事も多いみたいだ。


「楠木でーす。いっつも君のことは見てるよ、よろしく」


 主人の生徒が俺の元に挨拶へ来る。

 俺は慌てて立ち上がり、頭を下げる。


 特に周りの使用人は主人に挨拶はされていない。

 されているのは柿谷ぐらいだ。


 やはり、黒露様の使用人である事実と、今までの功績等で高い評価を受けているということだろう。

 挨拶に来る主人は、使用人として雇いたいという意思の表れとも言える。


 それにしても、俺さんモテ期来てるな。

 今まで頑張ってきて良かった。因果応報だ。


 浮かれた気持ちで挨拶に応えていると、目が合った黒露様からにらまれてしまったので澄ました顔にチェンジした。


「あなたさっき、モテ期きてんぞウェイみたいな顔していなかったかしら?」


 挨拶を一通り終えた黒露様に、わき腹を小突かれる。

 相変わらず人を見る目にけているな。心が読まれまくっている。


「……すみません。黒露様のおかげで知名度が上がっているというのに」


「そうよ。遊鷹を扱えるのはこの私だけ、他の主人に仕えたらボロが出るわよ」


 遊鷹は私の物ですと主張するように、俺の腰を持って所有権を周りに主張する黒露様。


 黒露様の使用人になり、約一ヶ月がった。

 信頼は順調に得ているので、このクラス会パーティーで成果を上げれば本契約も堅いな。


 誰とも交流せず、使用人のにしきさんと隅でたたずんでいるやなぎ君の姿を見つけた。

 この前の件もあるので、挨拶に行くことにしよう。


「うわっ、何これすごいっ」


 柳場君の隣には巨大なホログラム映像で浮かび上がる美少女キャラクターが立っていた。

 時代はここまで進歩したのか。


「ふんっ、これは俺様が買収した企業で作らせた最新型の機械だ。この基盤となる土台を持ち込めば、どこでも嫁を出現させることができる」


「これは凄いですね。でも、何でパーティーに持ってきたんですか?」


「嫁だからに決まってるだろ。外国のパーティーだって関係がなくても自分の彼女を連れてきたりするだろ、それと一緒だ」


 意外にも筋が通っている柳場君の主張。

 だが、ロボット使用人の錦戸さんが相手にされていないので、少しねているのが見ていて面白い。


「そういえば、あれ撮ってきましたよ」


「あれ? あれって何だよ……」


「柳場様が黒露様に票を投じる条件として提示してきたものです」


「……お前は馬鹿か?」


 あきれた声で馬鹿呼ばわりしてくる柳場君。

 どうやら信じてもらえてないようだ。


「あの三神がそんな真似まねするわけないだろ」


「では、この映像をご覧ください」


 柳場君にスマートフォンを渡す。

 そこには先日のデートでこっそりと撮影した、メイド体験中の黒露様の映像が収められている。


『お、お願いしますご主人様』


「ブーっ!」


 映像を見て、飲んでいた飲み物を噴き出してしまう柳場君。

 信じられない得以上だったのか、衝撃を受けたようだ。


「あ、あの鬼みたいな女である三神が、メイド姿でおねだりだとっ!?」


 柳場君が絶対に見ることのできないという前提で提示してきた条件。

 それを現実の物としてきた俺。


「き、貴様……何者だ? 相当な敏腕使用人のようだな」


「最優秀使用人を狙う、片平遊鷹ですよ」


「……くくく、面白い。どうやらこの学園には、イかれた使用人が紛れているようだ」


「約束通り投票お願いしますよ」


「ああ。俺は約束は守る男だ」


 投票は匿名なので柳場君が約束を守らなくてもとがめることはできない。

 だが、柳場君はそんな真似をするようなクズな人間でもないだろう。


「次は、日々仕えてくれている使用人生徒への感謝の企画である、抽選会を行います。使用人の生徒はこちらの列にお並びください」


 司会者が次の企画の説明を始める。

 この企画は俺も楽しみにしていたものだ。


 主人が一人一つプレゼントを持参し、それぞれに番号が付けられる。

 使用人は抽選券を一枚受け取り、その抽選券に書かれた番号のプレゼントをゲットできるのだ。


 渡されたプログラムには、主人が持参したプレゼントが明記されている。

 一番の目玉は黒露様が持参した一千万円相当の金塊だな。

 これはもう宝くじの領域だ。


 だが、外れもある。柳場が持参した等身大フィギュアのキャラクターだ。

 百万円以上する品物らしいが、扱いに困る。


 他にも赤坂さんが用意したペッパー君とかシャルティの抱き枕カバーとか、もらっても困る物が多い。

 主人からのプレゼントなので、受け取らないという選択肢も存在しない。


 使用人の生徒が次々に抽選券を引いて喜んでいる。

 がっかりしてしまうと主人に失礼なこともあり、何が当たっても過剰に喜ばなければならない。


 次は俺の番だ。

 まだ黒露様の金塊は誰の手にも渡っていないので引き当ててみせる。


「これだぁあああ!」


「十九番ですね」


 十九番は黒露様の金塊ではなかったな。

 せめて高そうなやつであってくれ。


「十九番は大泉利理様が提供されたセグウェイになります」


「セグウェイ!?」


 予想外の景品に驚く。四月頭にもゲームセンターで手に入れた乗り物だ。

 俺のセグウェイ運強過ぎだろ……いや、そんな運は必要無い。


 スタッフが運んできたのは、巨大な本物のセグウェイ。

 処理に困るものを貰ってしまったが、とりあえずガッツポーズをしてみせた。


 プレゼントを貰った使用人は、そのプレゼントを持参した主人に一言挨拶に行かねばならない。

 この後に一騎打ちを控える大泉さんの元に向かうのは気が引けるな。


「……大泉様、この度はプレゼントを頂くことになり感謝しています」


 柿谷が抽選会で並んでいることもあり、一人でグラスに入れたジュースを飲みながら抽選の模様を眺めていた大泉さん。


「まさか片平君が受け取ることになるとは……変な縁もあるものですね」


 ドレスを着ている大泉さんだが、胸元がえげつないことになっている。 

 普段は制服で豊満な胸は隠されていたが、今は薄手のドレスで谷間が見えてしまっている。


 だが、女性は男性の目線に敏感だ。

 胸元を見ないように気をつけなければ。


「セグウェイ嬉しかったです。既に一台持っているので、妹と一緒にダブルセグウェイを楽しみます」


「ダブルセグウェイの意味はわかりませんが、喜んでもらえるのならよかったです」


 挨拶を終えて引き下がろうとしたが、大泉さんに腕をつかまれてしまう。


「どうか致しましたか?」


 大泉さんは何かを訴えたい目で俺を見ているが、口は震えて開かない。


「何かご相談やご要望があれば、何でも引き受けますよ?」


「……あっ、いや、その。お手洗いに行きたいのですけど。柿谷君、最後尾で時間かかりそうなので」


「かしこまりました。ご案内させていただきます」


 何を言われるかと思ったが、小さな要求だった。

 もちろん、大泉さんは一人でもお手洗いには行けるが、ここは学園ではないので一人では会場の外に出歩いてはならない決まりがあるのだ。


 特に会話もせずに大泉さんを会場の外にあるトイレへ案内した。

 足がピクピクと震えていたので限界まで我慢していたようだな。


「あら、何かと思ったらただのお手洗いね」


 俺の後ろには黒露様とシャルティがいた。

 どうやら後をつけられていたみたいだな。


「逆に何だと思ってたんですか?」


「あなたが大泉さんをこいつやっぱり胸でけーなみたいな目で見てたから、てっきり違うホテルにまでご案内するのかと思ったわ」


「そんなイケメンエリート大学生みたいな積極性無いですよ俺」


 まぁ大泉さんと二人で外に出れば、何か黒露様に疑われてしまっても致し方ないな。


「あ、あれ……」


 シャルティはお手洗いのそばに配置されているゴミ箱を見て、青ざめた表情になった。

 そのゴミ箱にはゴミとは言えないような紙袋が突っ込まれており、遠目から中をのぞくとシャルティが持参した抱き枕カバーが見えた。


 どうやら、抱き枕カバーを引き当てたどこぞの使用人がゴミ箱に捨てたみたいだな。

 気持ちは理解できるが、もう少し目立たない場所に捨ててくれないと困る……


「そ、そんな……」


 捨てられた抱き枕カバーを見て、涙目になるシャルティ。

 黒露様は何か声をかけてあげようとするが、言葉が見つからない様子だ。


「あっ、シャルティ様の抱き枕カバー、僕欲しかったんですよ。でも、先に他の使用人に取られてしまったんでショックだったんですよ。これ貰っちゃっていいですか?」


 俺は抱き枕カバーの入った紙袋をゴミ箱から出し、シャルティに貰っていいか問う。


「え、ええ、もちろんよ」


 その言葉を聞いて俺は過剰にガッツポーズを見せる。


「今日はついてるな。シャルティ様の抱き枕カバーなんて、将来プレミアがついて入手できない金額になるかもしれないし」


「そうよ、あなたわかってるじゃない」


 シャルティは笑みを見せながらも、目尻には涙が浮かんでいる。


「……ありがとう片平遊鷹。ちょっとお手洗い行ってくる」


 シャルティは一瞬だけ俺に抱き着き、そのまま顔を見せずにトイレへと歩いて行った。


流石さすがは遊鷹ね。私の友達に理想的な心のケアを瞬時にできたと思うわ」


「ありがたきお言葉」


「け・れ・ど・も! 誰にでも優しくするのはよくないわ。シャルティにあんなフォローをしてしまったら、あなたのこと好きになっちゃうでしょうが」


 黒露様が苦言を呈す。

 昔から困っている女性は放っておけない性格だったので、今さら直せと言われても難しいが。


「あっ」


 お手洗いから出てきた大泉さんが黒露様に気づき、気まずそうな顔を見せた。


「大泉さんって、昔からお手洗いを我慢する癖あるわよね。中学の時にもお漏らしして、私が代わりの洋服を持ってきてあげたことがあったし」


「そ、それは二人だけの秘密のはずですよ」


 秘密を暴露した黒露様を真っ赤な顔でにらむ大泉さん。


「黒露さんだって、誰かにまれると胸が大きくなるからとか言って、私にしつように胸を揉ませてきましたよね? あれもけっこう恥ずかしいですよ」


「いや、あなたの永久脱毛した話よりはましよ」


「それよりも、黒露さんのク……」


「はいストップでーす」


 睨み合う両者の間に割って入り、会場へと連れて戻る。

 これ以上、二人の言い争いが続くと、知ってはいけないことまで知っちゃって消されてしまいそうだ。


「……こほん。まぁ、この決着はクラス代表決めで白黒はっきりつけましょう」


「そうですね。それが一番です」


 二人は真っ赤な顔を見せながら、会場の両端の位置に離れていった。

 これはより一層、クラス代表決めに負けられなくなってしまったな――

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