第十七話 選択


 エレガンステストも後半となり、勝負は佳境を迎える。


 残るは黒露様と大泉さんとやなぎ君。

 柳場君もここまで残っているとは、総資産額二位というのも頷けるほどのポテンシャルの高さだな。


「次の問題は絵です。先週見つかったばかりの高価な絵を出題します。データが少ないので、知識では限界のある目利きとなっています。己の感覚が大事となります」


 先生から忠告が入る。

 感覚で選ぶ領域に入ってきているので、問題の難易度も上がっているようだ。


「……抽象画ね。厄介だわ」


 黒露様は運ばれてくる絵を見て、手で顔を覆う。

 残る生徒は黒露様と大泉さんと柳場だけなので、この問題で勝負が決まってもおかしくはない。


 問題となる絵は、黒露様の言葉通り抽象画だ。

 右の絵は、水色に塗りつぶした紙の中央に青のラインが入っただけの絵。

 左の絵は、信号機を縦にしたように赤色、黄色、青色の太い線が描かれているだけ。


 どちらも俺でも描けそうな絵だが、このどちらかは億を超える絵画なのだろう。

 これを見極めるのは相当難しいぞ。


「特に作者のサイン等の形跡は表面になかったわ。塗り方の特徴も、使用した紙や道具にも目立つものはなかったわね」


 絵を間近に見に行っていた黒露様が、考え込みながら俺の元に戻ってくる。

 データや知識は使い物にならず、正真正銘の感覚による問題になっているようだ。


「高そうなのは左。個人的に好きなのは右。迷うわね」


 決定的な根拠がなく、解答を選べない様子の黒露様。


「正直、僕にもわからないです。ただ、どっちを家に飾るかで言ったら右ですね」


「ここまでくるとそういう言葉も貴重な意見になるわ。私も右の方が好きなのよ、これは大事な一致ね」


 黒露様は右の選択肢に肩入れし始めるが、ボタンを押す指が少し震えている。


「黒露様が好きと思う方が高価な気がしますよ。あの黒露様が選んだ物なのですから」


「……そうよね、あなた良いこと言うじゃない。右にしましょう、罰ゲームは勉強も兼ねて遊鷹と美術館巡りかしら?」


「それ、ご褒美になってないですか?」


「うっさいわね、うぬれないでよ」


 俺の言葉に背中を押された黒露様は、右のボタンを押した。

 後は神に祈るのみだ。


 黒露様に反して笑みを見せている大泉さん。

 その背後にいる柿谷は一人だけ圧倒的な余裕を見せていて不気味だ。


 柳場は抽象画を見て頭を抱えていたが、ロボット使用人のにしきさんから耳打ちされると世界を支配した魔王のような余裕の表情になった。


 俺はその変化を見逃さなかった。

 答えに自信が無い柳場に錦戸さんがアドバイスをし、柳場が勝利を確信する。

 つまり、錦戸さんの答えは絶対正解しているということだ。


 だが、この問題の正解を確実に当てるのは人間には不可能だ……

 いや、錦戸さんは人間じゃない、ロボットだ。


 生徒はスマホ等の電子機器の使用が禁止されているが、錦戸さんはロボットなので独自の機能で調べたりもできるはず。

 あの絵に関しても目でデータを取り込み、ネットワークに検索をかければ答えに辿り着ける。


 つまり、柳場は絶対に正解できる状況なのだ。

 チートとはこのことか。


「正解は右となっております」


 三人全員が正解した。

 だが、このままでは柳場が圧倒的に有利だな。


 いや……

 運営や先生も流石さすがにこの状況には気づいているはずだ。


 柳場の表情はあからさまだからな。

 きっと、何か対策してくれるはずだ。


「次は人物問題です。石油王かそうではないかを問う問題となっております」


「どういう問題!?」


 人物問題は理解できるが、石油王を当てるなんて前代未聞だぞ……


「よし、また人物問題ですね」


 大泉さんは人物問題と聞いて軽いガッツポーズを取っている。

 総理大臣の娘なだけあって、人を見極める力には自信があるみたいだ。


 女性スタッフが問題となる人物二人を指定の位置まで案内している。

 何故なぜか柿谷はその女性スタッフの方を見ていた。


 あの女性スタッフは柿谷の好みのタイプなのだろうか……

 いや、あいつは自らをパーフェクトジーニアスと名乗るくらいだから、そんなことにうつつを抜かすことなどないはず。


 案内を終えた女性は不自然に両手を重ねながら控室に戻っていく。

 最初俺が初恋の人に似ているなと思った時には、手をグーにして去っていた記憶がある。


 そんなさいなことが無性に気になった。

 俺の野生の勘が何かを訴えている。


 柿谷はこのテストで常に余裕の表情を見せている。

 大泉さんが自信の無さそうな時も、その表情は崩れなかった。


 あれは絶対的な自信。

 何があっても間違えることはないという気持ちの表れ。


 このテストは多くの知識や経験を持っていても、答えに絶対は無いはず。

 その状況でも答えを確信できているとなると、答えを事前に把握しているのではと推測できる。


 あの野郎、どんな手を使っているのか……

 真剣に挑んでいる主人をあざわらうような不正は許されない。


 些細な変化も見逃さずに、柿谷の行動を注視する必要があるな。

 何か不正の手がかりを見つければ、柿谷の化けの皮ががれるかもしれない。


「左が石油王っぽいわね。右はアスリートみたいな雰囲気だし」


 独自の価値観で石油王を見極める黒露様。

 もはや偏見の領域だが、黒露様の人を見る目も大泉さんには負けていないはず。


「黒露様、二人の表情を見ていてください」


「ええ、けど何をするつもりなの?」


「あっ」


 俺はわざとマジック用に所持していた大きめのコインを落とした。

 その落下音は特別教室全体に響いた。


 問題となる人物にはいかなる接触も会話も禁じられている。

 だが、相手も人であり、こちらが何かアクションを起こせば、反応が表に出る。

 ルールの抜け穴を突いた行動だ。


「見ましたか?」


「ええ、右は瞬時に反応したけど左はゆっくりとコインの方を見た。この差が明確な根拠になるわけではないけど、余裕を持っている左の方が可能性は高そうね」


 俺の行動は黒露様のヒントになったようだ。

 大泉さんは考え込んでいて問題の人物の方を見ていなかった。作戦成功だな。


「けど、今のは反則ギリギリよ。また同様の行為をすれば退席になるから気をつけて」


「了解です」


 先ほどの行動は人物問題だからできたことであり、物の問題では通じない。


「左を押すわよ……?」


 明らかに自信が無い黒露様。

 俺に確認を取ってきているのは、左を押す勇気が足りないということだ。


「ちょっと待ってください。まだ時間はありますので、一旦考えさせてください」


 俺は脳を整理する。

 引っかかる点は多い、石油王を当てるというテイストの異なった問題や女性スタッフの手の形。

 そのあらゆる点が俺に何かを警告している。


 悩んでいた柳場は再び錦戸さんからの耳打ちを聞いて、チートの能力を手にした異世界主人公のような余裕の表情を見せている。


 だが、その散らばった点が頭の中でつながり、一つの線になった。


「……答えは無い。答えは無いのかもしれません」


「えっ?」


 黒露様は何ふざけたことを言ってるのよという顔をしている。

 確かに俺もそんなふざけたことがあるのかと思ったが、この学園ならありえるかもしれない。


「根拠はあります。石油王を当てるという、今までのテイストとは異なった不思議な問題です。即席感が否めませんし、人物問題は既に出題されているので違和感を覚えました。先生の出題コメントにも引っかかりました。今まではどちらかが~になっているという出題パターンでしたが、今回は石油王かそうではないかという出題の仕方でした」


「確かに言われてみると、問題の説明の仕方が違っていたわね。人物問題も既に一度終えている点も疑問ね」


 さらに根拠はもう二つある。

 一つはロボット使用人の錦戸さんの対策。


 必ずどちらが正解かを導き出せる錦戸さんへの対策として、きゆうきよ用意したであろう問題ということだ。

 石油王を当てるという不自然な問題もその対策なら合点がいく。


 もう一つは、女性スタッフの手の位置だ。

 仮に女性スタッフを通じて柿谷が答えを知り得ているとして、女性スタッフが両手を重ねながら去るなんて初めての光景だった。


 それは、今までに無い解答ということを示している。

 なら、答えは第三の答えであるどちらも石油王ではないというものだ。


「僕を信じてください黒露様」


 極限に追い込まれた状況の時ほど、冷静に考えなければならない。

 落ち着いてかんしてみれば、どちらも石油王には見えないしな。


「……信じるわ。でも、それは遊鷹に責任を押しつけるということではない、あなたを選んだ私を信じるということよ」


 黒露様は解答機のボタンから手を放す。

 無解答という解答に決心してくれたみたいだ。


「不正解なら、遊鷹の良いところを十個答えるとするわ」


「それは是非とも聞きたいですね」


 黒露様は不安を拭うように、俺の服の裾をつかんできた。

 心のどころにされているみたいで、うれしくなる。


「正解は無い。無解答が答えだ」


「な、なにぃー!?」


 柳場は余裕の表情が崩れ取り乱す。

 間違えるはずがないと思っていたのか、驚きの声をあげている。


 錦戸さんは数々の石油王のデータから統計して、近い顔の方の人物を導き出したと推測されるが、正解が無いという答えまでは導き出せなかったようだ。

 正確無比なロボットではあるが、予想外の展開には対応できないということが明るみに出た。


 だが、まだ敵はいる。

 あの大泉さんも無解答で正解だったからな……


 死闘はクライマックス。

 生き残った者は黒露様と大泉さん。


 やはりこの二人の一騎打ちになったか……

 本当の勝負はここからだな。


「やりますね黒露さん。やはり最後まで生き残りましたね」


 大泉さんは黒露様に賛辞を送るが、黒露様は表情一つ変えない。


「お世辞ならけっこうよ。勝つのは私だから、帰る準備でもしていなさい」


「……勝つのは私です」


 勝負が終盤になっても涼しい顔を見せている柿谷。

 あまりにも余裕過ぎるのも逆に怪しいし、明らかに何か仕込んでいる。


 ポーカーフェイスを気取っているようだが、余裕過ぎるのも逆に違和感を生じさせる。

 場面に応じて臨機応変に表情を変えたりしなければ、逆にそれが違和感となる。


「次はお皿の問題です。高価な方を選んでください」


 人物問題でも芸術品問題でもなく、食器の問題に変化する。


 女性によって運ばれてくる二つのお皿。

 右は青い花の柄が目立ち、左はカラフルな花の柄が特徴的である。


 運び終えた女性スタッフだが、今度は手をグーにして去っていった。

 そして、それを柿谷はしっかりと見ている。


 浅い記憶を呼び起こすのに集中する。

 俺が女性の手の配置を記憶している絵の問題は、グーで去り右の答えだった。

 となるとパーは左ということになる。


 二十分ほど前の記憶を掘り起こすのも大変で、頭が痛くなった。

 最初から全て意識して見ていればと後悔するが、俺は記憶力の良さが長所だ。


 柿谷と女性スタッフが手を組んでいると仮定すれば、この問題は手がグーだったので右だ。

 だが、その答えが絶対とはいえない。


「右かしら。どちらも新しいもので、値段はブランド力の勝負になる。あまり値段の差は生まれないだろうし、厄介な問題ね」


 現物を見てきた黒露様は右の解答を選んでいる。

 俺の仮定が正しければ、黒露様は正解となる。流石のポテンシャルだ。


 だが、これでは黒露様が外れの解答を導き出すのも時間の問題だ。

 これからも大泉さんは柿谷のアドバイスで正解をたたき出すだろうからな。


 仮に引き分けを続けていても、柿谷は俺が柿谷の仕込みに気づき正解を得ていると考え始める。

 そうすれば、柿谷は第二の作戦にシフトし、俺を振り切るはず。

 パーフェクトジーニアスと自分でうたっているくらいの男だ、作戦に気づかれた時の第二ステップを用意していると推測した方がいいだろう。


 となると、このままテストを真面目に受けていても負けの未来しかない。

 早期に何かアクションを起こさなければ手遅れになる。


 不正を指摘し、テストを中止させてもそこに意味は無い。

 尻尾を摑まれないように、柿谷は第三者を通じて不正を行っているはず。


 仮にあの女性スタッフを追い込んでも、柿谷が不正したとはならないだろう。

 柿谷はそれだけのことができそうな男だ。


 それに、このテストが無意味となれば黒露様や他の生徒の努力が無駄になる。

 それだけは絶対に避けたいところだ。

 再テストが行われれば、再び柿谷が何かを仕掛けて同じことの繰り返しになるだけという懸念もあるしな。


「どうしたの遊鷹? 難しい顔をして」


「少し考えさせてください」


「なっ、いったい何を考えているのよ」


 遠回しにちょっと黙っていてと言ったのが伝わったのか、黒露様は少し不機嫌になってしまう。

 だが、今は急いで勝利までの道筋を作らなければ負けるという絶体絶命な状況だ。


 思考を加速させ、ありとあらゆる手を模索する……

 確実に勝利を手にする方法などありはしないが、勝利する可能性のある手なら存在する。


「黒露様、解答は終えましたか?」


「ええ、間違えたらあなたをたこ殴りするから」


「……罰ゲームの対象が僕になってますよ」


 罰ゲームの内容で、もはや黒露様に自信の欠片かけらも無いことがうかがえる。

 やはり、この問題が黒露様の限界だ。


「先ほど黒露様が僕を信じてくれたように、今度は僕が黒露様を信じます」


「急にどうしたのよ?」


「黒露様は問題に集中してください。ふざけた外野は僕が全て処理しますから」


「遊鷹……何をするつもり?」


 黒露様をこの戦場に一人残すのは心苦しいが、黒露様ならきっとやってくれるはずだ。

 黒露様が余計なことを考えず問題に集中できるよう、これから行うことの理由は伝えない方がいいだろう。


「次の問題、不正解なら俺とデートってことでお願いします」


「ちょ、ちょっと、勝手に話を進めないでよ」


「うわぁああ腹痛ぇええ!」


 唐突な俺の絶叫に目を点にする黒露様。


「すみません先生、おなか痛いので一旦離脱します」


「再入場は許可できない」


「もうお腹限界なのでそれでいいです」


 俺はお腹を抱えながら会場を出ることに。

 恥ずかしいが、これも勝利のためだ。


「正解は右となっております」


 皿の答えはやはり正解だった。

 次の問題が黒露様の本当の勝負となる。


 不正解の生徒は隣の控室に移動するのだが、俺はお手洗いのため会場の外に無理やり出ていった。

 そこには、次の問題の準備をしている女性スタッフの姿があった。


 次の問題のために荷台を用意して待機しているスタッフ。

 荷台には次の問題になると思われる高級時計が置かれている。


 どちらも似たようなデザインだが、値段の差があるのだろう。

 この問題に正解するのは困難と思われる。


「あっ」


 俺は自然にハンカチを手から落とす。

 薄手のハンカチを落としたので、ひらひらとスタッフの足元に落ちていく。

 ハンカチ王子ともなると、狙った場所にハンカチを落とすことなど造作もない。


 スタッフは足元に落ちてきたハンカチを見て見ぬふりはできず、間髪入れずにそのハンカチを拾う姿勢に入る。

 完璧に視線が台座から外れたわずかな隙に、俺は時計の左右を器用に入れ替えた。


「落としましたよ」


「ありがとうございます」


 これで、柿谷をミスリードに導くことができる。

 女性スタッフを退場させる手もあったが、それでは柿谷が第二の作戦を始める可能性があるからな。


 次の問題の対象物を運び始める女性スタッフ。

 後は黒露様が正解を導き出せば、黒露様の勝利となる。


 俺も完璧ではないので、もっと良いやり方があったかもと思案を続ける。

 だが、この答えはあの状況で導き出せた中でベストのものだった。


 失敗してもそれが俺の実力ということだし、悔いはない。

 それまでの男だったということだ。


 腹なんか本当は痛くない。

 本当に感じるのは、あの場に黒露様を一人にさせてしまう胸の痛みの方だ。


「正解は左となっております。これにてテストは終了です」


 扉から先生の声が聞こえた。

 テストの終わりということは、この問題で勝敗がついたということだ。


 会場に戻ると、そこには肩を落としている黒露様の姿が目に入った。

 一瞬、吐き気を催すほどの絶望感に駆られたが、大泉さんも肩を落としている。


 なるほど……

 勝敗は引き分けだったか。


 二人とも間違えて、テストは終了したのだ。

 勝利を手にすることはできなかったが、敗北を味わうこともなかった。


 俺は慌てて黒露様の元に駆け寄る。

 正解すれば勝利だった問題を間違えてしまったショックは計り知れないものがあるはずだ。


「すみません、黒露様」


「……謝らないで。謝るのは私の方だから」


 しようすいしている黒露様の肩を抱く。

 今にも倒れてしまいそうなほど、力が入っていない。


「いや、僕のせいです。黒露様を一人にしてしまった僕に責任があります」


「あなたのことはこれでも少しは理解しているつもりよ。何かをするためにうそをついて外に出てくれたんでしょ? 私が正解してくれると信じてね……でも、私はあなたの期待には応えられなかった」


 今にも涙しそうな目を見せるが、その涙をぎゅっとこらえている黒露様。

 人前で涙を見せてはいけないという高いプライドがあるのだろう。


 それに、黒露様もどこか大泉さんに疑問を抱いていたようだ。

 俺よりも黒露様の方が大泉さんのことを知っているので、正解を出し続ける大泉さんが不審に映ったのだろう。


「黒露様は立派です。黒露様でなければ、そもそも最後まで残らなかったのですから」


「……そうね」


 納得したような言葉を述べるが、表情を見れば何一つ納得できていないのが伝わる。

 柿谷は俺を激しくにらみながら大泉さんと会場を出ていく。

 俺がやつの不正に気づいたことを理解したのだろう。


「すげーな三神、引き分けとはいえ一位なんて!」


 控室から出てきた赤坂さんがうれしそうに黒露様の元に駆け寄ってくる。

 友達の好成績を見て自分のことのように喜んでいるようだ。


「やるじゃない黒露、やっぱり私のライバルに相応ふさわしかったわね」


 シャルティも黒露様の肩を抱きしめて、自分の胸の中に顔をうずめさせている。


 黒露様が立ち直れないかもと心配したが、その心配はゆうだった。

 今の黒露様は一人ではなく、友達がいるのだから。


「うるさいわね、あんたたちはもっとしっかりしなさいよっ」


 シャルティと赤坂さんに囲まれて、笑顔を取り戻す黒露様。


 人生は後悔の連続だ。

 あの時、何かしていればとか、あの時、違う選択を選んでいればとか、数え始めたらキリがない。


 誰もがその後悔を受け入れて成長していく。

 黒露様はこの敗北を受け入れ、さらに立派な主人へと成長されることだろう。


 俺もまだまだ未熟だ。

 柿谷に先手を取られて追い込まれた形となってしまった。


 次は勝利をもぎ取れるように精進しなければ、マイスターの称号に手は届かないだろう──

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