032:ポケットモンスター 赤・緑

【タイトル】

ポケットモンスター 赤・緑

【ハード】

ゲームボーイ

【販売/開発】

任天堂/任天堂情報開発部・ゲームフリーク・クリーチャーズ

【発売日】

1996年2月27日



◆『大ヒット直撃世代』


ゲームの通信要素と言ったら、もうこのゲームを語るしかあるまい!

言わずとしれたポケモン、その初代!


私はもう、赤・緑発売当時は小学生ですから直撃世代です。

本当に当時のポケモン人気の凄まじさを肌で知ってる人間です。

どこ行っても売り切れだったし、「スーパーマリオクラブ」みたいなゲーム系の番組でずーっとポケモン対戦が放送されてたりしましたし。

アニメの大ヒット、そしてご存じポリゴンショックからの復活劇。

今でもポケモンはやってますが、やはりポケモンというとどうしても151匹というイメージが付いちゃってます。

今何匹だっけ…?


あ、そういえば当初赤バージョンを弟が買ってたんですが、自分の方がハマってしまって実質奪ってしまったんだった。

結局弟は緑を買いなおすことになったんだった。

今更ながらゴメン。御三家揃えるのに協力したから許して。


そんなわけで、初代ポケモンはまぁドハマりしましたよ。

あの頃は友達もみんなやってましたねぇ。

うちはちゃんとゲームボーイの通信ケーブルもありましたから、カイリキーやらゲンガーやら通信交換で進化する奴を交換し合ったりしましたねぇ。

そしてすぐ戻すというね。


あの頃は「さいみんじゅつ」が凶悪性能でねぇ…

「さいみんじゅつ」「ゆめくい」のコンボはみんなやってたでしょう。

私もやってました。

あと、エスパータイプが強すぎて……

当時はむしタイプにロクな技がなかったからねぇ……

バタフリーは使ってましたが、あれはもうサイコキネシス要因だよねぇ……


最初の3匹の中からはゼニガメ選んだんだった。

おかげでジム戦、タケシはすぐ突破できるけど、次のカスミが大変で。

バブル光線のSEがやたら耳に残る。

ピカチュウいないとしんどいのよね、あれ。

一回ハナダシティ行っちゃうとしばらく戻れないから、ピカチュウは取り逃しやすいポケモン筆頭だったのよね。

今では信じがたいことに。


あと、バグ技でミュウを出す裏ワザとか、レベル100にするというのも流行りましたね。

ちょうどインターネットが出始めた頃よね。

ネットで調べて、どうぐ画面でセレクト連打とかやったなぁ。


あーなつかし。


あーーーなつかし!我が思い出!


◆『交換に焦点を当てたゲーム』


ポケモンの凄さはもはや語るまでもない、と言いたいところ。

全世界で発売され、3000万本以上売り上げているとか。

今でも続編が発売されてるだけでなく、アニメも今まで続いている長寿アニメになりました。


が、このポケモンのヒット要因はなんだったのか。

個性的なモンスターの数々?

白熱の対戦?


いやいや、ポケモンの一番のコンセプトは『交換』です。

対戦はその延長に過ぎません。



通信ケーブルを使って、お友達とお互いに育てたポケモンを見せ合ったり交換し合ったりする。

これは、トレーディングカードなんかにも通ずる、自分のものを他の人と交換するという行為。

これが、自分が育てたものであれば愛着も沸くけど、同時に他の人の元に送り出すことに一種の感動があるわけです。

例えば、引っ越しでお別れしてしまうお友達に、思い出としておもちゃを送り合ったりしますよね。

それをゲームの中でも出来ないかという発想から来ています。


元々通信ケーブルを使った遊びというのが、開発陣が任天堂から与えられた課題だったらしいのですが、それに対して出た答えが、思い出の交換という形でした。

モンスターを100匹増やすより、プレイヤーのID登録の幅を広げることを選択したという開発エピソードが残されています。


ポケモンシリーズは、今でもこの交換、ひいては各通信システムで「思い出の交換」を重視しています。

お互いに捕まえた・育てたポケモンを交換し合う。

そして、そのことについて語り合う。

テレビの前に集まるのとは違う形で、お友達と一緒にゲームを楽しむ方法の提案だったんですね。


だから2バージョンになっているんです。

片方のバージョンにしか登場しないポケモンがいるわけです。

交換してもらうことを促すために!


これホント、凄い発想ですよね。

自然と他のバージョンが気になりますし。

人によっては2バージョン両方買っちゃうという人もいるでしょうから、売り上げも上がりやすいでしょうし。


その辺りの正確なところは、公式だったり各雑誌のインタビューだったりで詳しく語られてます。

もし、ゲームクリエイターを目指す人間がいるなら、ポケモンのコンセプトは「交換」ですっていうのは業界の常識ですので覚えておくといいかもしれません。

そういう人が読んでるかは知りませんが。


◆『大ヒットを広げ続けた手腕』


ポケモン第1作である本作の人気は凄まじいものでした。

しかし、その期待値が高すぎたため、ポケモン2に当たる続編「ポケモン金銀」は物凄く開発が難航したようです。

とはいえ、いつまでも出なければそれはそれでファンが離れてしまう。


そこで登場したのが、マイナーチェンジという手法でした。

ご存じ、青バージョンとピカチュウバージョンの登場です。

基本システムをそのままにしつつ、ポケモンの出現率などを変更して手に入りにくいポケモンを入手しやすくしたバージョン。

とはいえ、ポケモンの画像や図鑑の説明文なんかも変更が加わっているので、それなりに手間がかかっています。


青バージョンは当初、コロコロコミックと小学館の雑誌で抽選という形だったのですが、とんでもない応募数が殺到することに。

後に一般販売されることになりました。

ちなみに、私も青バージョン持ってます。東京のポケモンセンターで買いました。


そして、ピカチュウバージョンはアニメ版を意識したもの。

最初に手に入るのがピカチュウになり、主人公の後ろをついて歩くという独自のシステムが付いていました。

ちなみに、本来は最初に選ぶ3匹のポケモン、通称御三家もアニメに準じてすべて手に入るという地味に嬉しい仕様になっています。


このマイナーチェンジだけでなく、対戦専用ソフト「ポケモンスタジアム」や「ポケモンスナップ」などの関連作品の登場、アニメオリジナルストーリー「オレンジ諸島編」や、映画「ミュウツーの逆襲」の公開、ポケモンジェットなど現実世界にも進出するキャンペーンなどを経て、見事ポケモン金銀までポケモンの人気を繋いでみせた。

ゲームソフトを単体の一過性のものではなく、広い視点でユーザーに楽しんでもらいながら次へと繋げていく。

ゲームシリーズというブランドを盛り上げることを、大きな戦略を以て成し遂げたのでした。


その手腕はすさまじいものです。

ポケモンをここまで大きなタイトルにのし上げた、凄まじいわざです。


ただそれも、やはりこの初代ポケモンが皆に楽しまれていたからこそ。

ゲーム自体は一人用なのに、通信機能でみんなで楽めるゲーム。

今ではいくつもの世代がありますから、時代を超えて語り合うこともあるでしょう。


互いに思い出を交換し合いながら、みんながポケモンたちに愛情を持って育てていく。

その根幹が崩れない限り、ポケモンシリーズは今後も進化を続けていくでしょう。



◆シリーズリンク

ポケモンスナップはこちら:

https://kakuyomu.jp/works/1177354054902555010/episodes/1177354054918100988

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