023:ポケモンスナップ
【タイトル】
ポケモンスナップ
【ハード】
ニンテンドウ64
【販売/開発】
任天堂/HAL研究所(ジャックアンドビーンズ)
【発売日】
1999年3月21日
◆『はい、ピッピカチュウ!』
なんと新作が発表されたポケモンスナップです。
私としたことが、ポケモンシリーズも以下略。
あ?新作発表の情報が遅い?
めっちゃ予約投稿してるからね!
ポケモンといえば、たくさんのモンスターが登場する全世界で人気のRPG。
派生作品も多数で、もはや「ポケモン」というジャンルの何かになりつつありますね。
本編RPGのレビューもいつかやりたいところですが、それはいったん置いておいて。
ポケモンスナップはその名の通り、ポケモンの写真を撮影していくゲーム。
自然豊かで野生のポケモンが多数暮らす島を舞台に、ゼロワン号に乗ってカメラ片手に島を巡っていきます。
ゼロワン号は自動運転で進んでいくので、プレイヤーはカメラでの撮影に集中していきます。
操作感は一人称のシューティングみたいな感じですが、敵を倒すのではなく綺麗な写真を収めるためにタイミングを見計らうというのが斬新なゲーム性でした。
ステージ中に登場するたくさんのポケモンたちは、色々な表情やしぐさを見せてくれます。
草むらから飛び出すニャース、マルマインに玉乗りするピカチュウ、溶岩の中から生まれるファイアー……
ゲームが進むと3つのアイテム「ポケモンフード」「イヤイヤボール」「ポケモンの笛」が手に入り、それらを使うとまたさらに違う動作をするポケモンたちがいます。
フードにやたら集まるヒトカゲ、ズッコケるニョロモ、起き上がるカビゴン……
あぁ懐かしい。
本作ではポケモンの生態を調べているオーキド博士が、撮った写真を採点してくれます。
大きさやポーズなどで採点し、研究資料のアルバムを作っていくことになります。
「おしいのぉ」
何気に辛口なのはご愛敬。研究のためにも正面に捉えて欲しいのですよ。
それ以外にも、自分用にアルバムを残しておくことが出来るので、お気に入りの一枚を目指して技術を磨いた人はいるでしょう。
ポケモン以外にも、しるしというポケモンの形を模したマークがステージのどこかに隠れています。
見る角度によって絶妙にポケモンの形が見えるようになっていたり、仕掛けを動かさないと見れなかったり、となかなか探すのは大変。
すべてのステージでしるしを見つければ、最終ステージへの道が開けます。
最後に待っているのは、あの幻のポケモンですよ!
実質ラスボスなので、1回撮るだけでも相当なテクニックが必要です。
見事な決めポーズ、撮れましたかね?
本作に登場するポケモンは、第1世代と呼ばれるポケモン第1作「ポケットモンスター 赤・緑」に登場したポケモンたち。
すべてのポケモンが出るわけではありませんが、多数のポケモンが3Dモデルになって、更に動き回っているというのは本当に感動。
可愛らしい仕草を見せるポケモンたちをじっくり眺めるだけでも、価値があるソフトと言えました。
◆『ポケモンの世界観を広げたスピンオフ』
あんまりアニメを見ない私ですが、ポケモンのアニメはかなり見ていました。
当時小学生ですからね、無印編は直撃世代です。
本作の主人公トオルは、実は本作の発売前にポケモンのアニメに出演していました。
しかも、ゲストキャラとしては珍しく数話に渡って主人公サトシの旅に同行しています。
この点からも、本作は最初からアニメとの連動を視野を入れていたと思われます。
本作のポケモンの鳴き声も、すべてアニメ版準拠ですしね。
ポケモンのアニメはゲームの開発・発売状況と連動していることでも知られていますが、それを最初にやったのはこの一件だと思います。
その後もポケモンレンジャーなどのスピンオフ作品と連動した話がアニメで放送されたりもしていましたね。
アニメを見たファンがゲームへ、そしてゲームを楽しんだ人がアニメへ。
ポケモンというものの認知はゲーム第1作の衝撃が一番影響が大きかったわけですが、ポケモンのブランド力を高めていったのはこうしたメディアミックスを積極的にやっていったからなんでしょうね。
そして本作は、ソフトをローソンに持っていくと、アルバムに保存した写真をプリクラ風のシールにしてくれるというサービスが行われていました。
これは特に画期的な試みでしたよ。
自分が遊んだゲームから、現実に存在する物体へ。
ポケモンというものの可能性を広げた作品でした。
当時はプリクラ全盛期でもありましたからね。
シール欲しさにローソンを探した子供たちもいるのではないでしょうか。
ちくしょう、なぜ私の家の周りにはセブンイレブンしかなかったんだ…!
ちなみにこのサービスがあるせいか、ソフトに名前を書く欄があったりします。
うっかり無くしたりしなくて済むものですが、売る時に困る奴や。
新作ではどうなるんでしょうね?
たぶん時代的にSNS投稿くらいは出来るんじゃないかと予想してますが。
やろうと思えば自力でプリントが出来る時代ですが、またプリントサービスみたいなのやってくれないかなぁ……
◆『天まで届け、ジャックの豆の木』
本作の開発チーム「ジャックアンドビーンズ」は、ゲーム開発史上初の公募で結成されたチームです。
ジャックの豆の木のごとく、巨大な木になるかもしれない才能を発掘することを目的としたプロジェクト。
任天堂とHAL研が中心になって、新たな才能を秘めた人材を集めたそうです。
ちなみに審査員が、
糸井重里(コピーライター、MOTHERシリーズ等の生みの親)、
岩田聡(HAL研代表、後の任天堂社長)、
中村光一(弟切草・かまいたちの夜などの生みの親、現スパイク・チュンソフト代表)、
宮本茂(ご存じマリオやゼルダの生みの親)。
レジェンド揃いじゃねぇか!
当時に応募資格があれば送っただろうか……そこまでの覚悟は出来てただろうか。
会ったら緊張しかしねぇだろうなぁ。けど、会ってみたい人達でもある。
もう2度と集まれない面子ですから……
開発当初は別のものを撮影するカメラゲームだったそうです。
が、撮影する動機が弱いということで、プレイヤーが撮りたくなる対象としてポケモンが選ばれたのでした。
そこでポケモンというブランドを提供できてしまうのが公募の強みよなぁ。
こうした人材発掘のプロジェクトは、各方面で色んな形が実施されました。
ソニーの「XI」なんかも、人材発掘プロジェクトで生まれたものでしたっけ。
眠れるクリエイターを探す流れは時代を経ても止まることはなく、今ではUnityやUnreal Engineみたいにフリーでゲーム開発が出来るんだから、凄い時代になったもんです。
考えてみれば、ポケモンというブランドもまた、最初は小さな豆だった。
それがたくさんの人々に支えられ、お世話され、超巨大な木になったのでしたね。
そして、まだまだ伸びる勢いがあります。
なんにせよ、伸びた先でまた新たな葉が生まれようとしていますね。
Newポケモンスナップ、楽しみです。
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