013:スーパーロボット大戦OGサーガ 無限のフロンティア
【タイトル】
スーパーロボット大戦OGサーガ 無限のフロンティア
【ハード】
ニンテンドーDS
【販売/開発】
バンダイナムコゲームス/モノリスソフト
【発売日】
2008年5月29日
◆『ここからスパロボを始めた奴』
皆さん、スパロボってやってます?
スーパーロボット大戦シリーズといえば、いろんなロボットアニメ作品が夢の共演をするシミュレーションRPG。
今もなおシリーズが続く長寿シリーズですよね。
こんだけ長いと、最初に遊んだタイトルによってシリーズの印象が違うってこともあるでしょう。
古き良き時代から遊んでいて、オリジナル敵勢力がやたら強い時代を知っている人とか。
比較的新しい作品から遊んでいて、カットインとかが豪勢なのが当たり前に思ってる人とか。
ともあれ、「特報」の文字と共に新作が発表されれば、とりあえずPVだけでも覗いてみちゃう人はいるのではないでしょうか。
…で、私の初スパロボといえば、これですよ。
「スーパーロボット大戦OGサーガ 無限のフロンティア」!
いや、外伝タイトルじゃん!ロボットメインじゃないじゃん!
って、知ってる人は思うでしょうね。
そうなんですよ。
このムゲフロはスパロボシリーズでもかなり特異な立ち位置のタイトルで。
いわゆる版権スパロボには、クロスオーバー作品であることを成立させるためにオリジナルキャラ達が登場します。
主人公とか、敵勢力とかでね。
そんな各作品のオリジナルキャラ達だけを集めて再構成した「オリジナルジェネレーションズ」、通称OGシリーズというのがスパロボにはありまして。
このムゲフロは、OGシリーズの更なる外伝という作品なんですね。
そして、ロボットがメインではなく、普通に人が武器を持って戦うRPGなんですよ。
なんでまた、これが私にとって初スパロボになっちゃったのか。
まー、早い話がゲストキャラに惹かれたわけですけど。
私、普段はアニメをあんまり見ないんですよ。
アニメ見るくらいならゲームする!って感じの子供だったので。
クリエイターを目指すようになってからは、ある程度話題になったアニメは見るようにしてますが、まぁ幼少期はアニメよりゲーム。
ガンダムとかも、存在は知ってるけどそこまで詳しくない。
そんな子供だったんで、ロボットアニメ夢の共演ってなっても、そこまで惹かれなかったんですよね。
しかし、遥かなる時を超えて現れたこのムゲフロ。
スパロボOGと関係があるオリジナルキャラ達による物語。
そこに参戦するゲストキャラが、私の興味を刺激したんですね。
ゲストが、
えぇ、昔「ナムコクロスカプコン」という名前通りのクロスオーバー作品があったんです。
こちらも結構好きだったんですが、このタイトルのオリジナル主人公であった零児と小牟がまさかの再登場を果たしてたんですね。
あと、「ゼノサーガ」のKOS-MOSもゲスト参戦してました。
ナムカプもゼノサーガも、どちらもモノリスソフト開発のゲーム。
更にムゲフロのディレクターは、スパロボAやナムカプなどを手掛けた森住惣一郎さん。
その縁が組み合わさって、スパロボOGをベースにしつつ新たなクロスオーバータイトルという形で現れたのでした。
実際このムゲフロ、スパロボの外伝作品でもありながら、ナムカプ1.2とでも言えるお話になってたりするので。
そこからさらに、ナムカプの後継作といえる「プロジェクトクロスゾーン」シリーズにも繋がっていくことになります。
私はといえば、ナムカプからの興味でこのムゲフロをはじめ、それがきっかけでスパロボOGに興味を持つようになり、そこから本家である版権スパロボにも興味を持つようになり、参戦作品のアニメで気になったものを見るようになるという。
大抵のスパロボユーザーとは真逆の流れでスパロボファンになっていった人間なんです。
長いシリーズをやってると、こういう変なファンも現れるというのを、まさか自分で証明することになるとは。
変人ですね。異質ですね。
しかし、こういうのも受け入れてしまう、それが
…あ?
おっぱいのカットインに釣られたんじゃないかって?
えぇ、釣られましたが何か?
◆『ハーケンという男』
ムゲフロの舞台は、クロスゲートによって様々な世界がくっついた異世界「エンドレス・フロンティア」。
ロボットが普通にあるSF世界があるかと思えば、クロスゲートを超えれば剣と魔法の世界があり、別のゲートを使えば和風で妖術とか妖怪とかある世界があり、さらに魔物だらけの世界があり、人魚が住む海の世界があり。
そんなカオスな世界設定ですが、違和感なく溶け込んでいるのが凄いところ。
主人公のハーケン・ブロウニングやヒロインの
ナンブやブロウニングといえば、スパロボ勢ならば「キョウスケ・ナンブ」と「エクセレン・ブロウニング」というキャラに思い至るでしょう。
どちらもOGシリーズでは主役級になるほどの人気キャラです。
楠舞 神夜の方はキョウスケとの繋がりは特にありません。
単にナンブという名前が一緒なだけという、お遊び程度の繋がりです。
じゃあハーケンの方もそうか、と思っていたら終盤で明らかになるOG本編との繋がり。
OGシリーズを知っていたら「そう来たか!」と思える設定だったのでしょうね。
OGシリーズを特に知らなかった私でも、ムゲフロ作中で十分分かる程度には設定が説明されます。
知っていればニヤリとする小ネタが物凄い数であるので、やっていた方が何倍も楽しめるでしょうけど。
ただ、万が一スパロボを全く知らなくても、十分楽しめるお話になっているのは私が実体験済みです。
やっぱり、キャラクターの魅力が素晴らしかったのは大きいですね。
本作の登場人物は、敵も味方もサブキャラ達も濃い人達ばっかり。
ナムカプから相変わらずパロディネタでボケ倒す
メインメインバーはそれに負けない濃さ!
いつでも軽口を叩く我らがカッコつけ野郎、賞金稼ぎの主人公ハーケン。
ハーケンの部下なのにひたすら毒舌、熱暴走すると別方向にカオスになるアンドロイド・アシェン。
おっとり天然そして爆乳の一刀両断姫さん、神夜。
神夜のお目付け役で、踊りまくって絡繰り人形を操る式鬼の姫、
基本無感情ゆえに適切なダメ出しロボと化す、ゼノサーガ出身のじゃs……アンドロイドのKOS-MOS。
なんだかんだでお祭り作品ゆえか、賑やかで楽しい雰囲気を形作っています。
というか、スパロボ以外でもいろんなところからネタを引っ張ってきているので、何かしら引っかかるという人は多いと思います。
戦闘前・戦闘後の会話もひたすらネタに走りまくってますし。
シリアスが長続きしないのも、このゲームのお祭り感を高めるのに一役買ってくれてます。
だからこそ、シリアスな場面では輝くともいえますが。
特に、主人公のハーケン!
自分の正体が明らかになる場面でも、その衝撃を顔色一つ変えずに受け止め、ヒロインたちの前で軽口を叩いてみせるハーケンがカッコええんですわ!
これが強がりのカッコつけであることは、後にプレイヤーだけに分かるようになっているのも憎いところ。
他にも決戦前の、零児と男2人のやり取りもしびれますよ。
普段はチャラくても決める時はきちんと決める。
定番ですがそういう男キャラ、大好きです。
彼の台詞通り「軽く、世界を救ってくる」。
そんなノリがカッコよく見えてきたら、いよいよ末期ですね。
彼をずっと応援していたくなりますわ。
ハーケンがいなければ、彼のルーツに繋がるスパロボOGに興味を持つことも、版権スパロボをやることも無かったでしょうね。
本作の暗転エンドはもはや伝説。
物書きを始めた身としては、ああいうカッコいいキャラを考えられるようになりたいです。
「ちょっと。……ハーケンさん?」
「OK、ヤキモチプリンセス!シュラバ、ノーだ!」
……うん、カッコいいはずだ。
このハーケンは現在ではスパロボファンの間でも人気が高く、続編の「無限のフロンティアEXCEED」、そして「プロジェクトクロスゾーン」参戦を経て、本家スパロボOGにも参戦しました。
本作で語られた設定を生かす形で、ちゃんとロボットに乗って戦いますよ。
アシェンも同行していて、ただでさえカオスなスパロボOG世界が余計カオスになりました。
……そろそろダイカグヤも来ませんかね?
◆『戦闘に特化したドット絵RPG』
話をムゲフロに戻して。
当初、このムゲフロはあんまり期待値が高くなかったようです。
グラフィックはどこかSFCを思い出すドット絵で描かれたもの。
実際、マップの演出とかはSFCのRPGを思い出すノリが結構あります。
ハード的には二世代くらい前のはずなんだけどね。
懐かしさを感じる人はいるかもしれません。
しかしバトルシーンに入ると、ドッターの本気ともいえる美麗なドット絵がめちゃめちゃ動き回ります。
そもそもスパロボが戦闘シーンのドット絵を進化させてきたシリーズ。
たとえ描くのがキャラクターに代わっても、迫力ある動きはきちんと見せつけてくれます。
零児と小牟はなんと新技も披露してくるし。
「ほとんど大道芸じゃの」
もちろんこれはスパロボ系列作品。
パートナーキャラに、ゲシュペンストやアルトアイゼンなど、スパロボでもおなじみのロボットも登場します。
OG本編と違い、人が連れて歩けるサイズにダウンサイジングされたロボット達が、人間と一緒に大技を繰り出していくわけです。
バトルの方はナムカプの流れを引き継いでおり、ボタンをタイミングよく押してコンボを繋げていくというシステムになっています。
技の一つ一つが長めになっており、浮かせた相手を落とさないように次の技を出すタイミングを計っていく仕組みです。
スパロボの援護攻撃を模した援護・連携もあり、コンボ中に次のキャラに交代してコンボを繋げていったりも出来ます。
DSというハードの特性も活かしており、コマンドやステータスはほぼ全部下画面に収めてあり、上画面は迫力あるバトルシーンに特化した画面になっています。
必殺技カットインも思いっきり使っています。
プルンティア……いや、なんでもない。
そして何より、ボイスもほぼ戦闘シーンに特化して使っていること。
ボイスパターンも多数あり、バトル中は物凄く賑やかです。
小ネタや声優ネタも仕込みまくっているので、色々知っている人ほど楽しめるという内容になっています。
あまりにも戦闘シーンに特化しているので、一般的なRPGにある探索とか育成とかの要素は薄めです。
この辺は続編で少し改善されましたけどね。
よくも悪くも、スパロボに関係する物語を楽しみたいという人向けでしょう。
その物語自体が面白いので、私は初スパロボにも関わらず普通に楽しんじゃいましたが。
スパロボ勢で未プレイの方にはぜひお勧めしたいです。
「好き嫌いはダメですよ?」
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