011:ファイアーエムブレム 封印の剣

【タイトル】

ファイアーエムブレム 封印の剣

【ハード】

ゲームボーイアドバンス

【販売/開発】

任天堂/インテリジェントシステムズ

【発売日】

2002年3月29日



◆『初FEはこれでした』


ふぁ~~いあ~~ え~~~むぶれ~む♪

て~~ごわ~い しみゅれ~~しょん♪

か~~~って く~~るぞ~と い~~~さましく~♪


あれほどゲーム内容を的確に表現したCMソングもなかなかないでしょうね。

これはファイアーエムブレムシリーズ第1作のCMの方ですが。


強い男に入れ込みすぎて、周りの戦士はへなちょこばかり。

この歌詞の通り一人の傭兵にめっちゃ力入れて育てたのに、彼が死んだ結果詰んで、一からやり直した経験、あります。


ファイアーエムブレムシリーズといえば、シミュレーションRPGの金字塔とも言われるシリーズ。

キャラクター達を駒に見立てて、将棋のように戦術を推し進めて戦いに勝ち抜いていくゲームです。

ユニット一人ひとりがキャラクターになっているというのが、FEシリーズの特徴ですね。

そして、今回紹介する「ファイアーエムブレム 封印の剣」はゲームボーイアドバンスで発売されたシリーズ第6作。

第1作のCMと同じ歌のCMを起用している通り、シリーズの原点回帰を意識したタイトルでした。

キャラクターの設定とかシナリオとかで、第1作を意識しているところが随所に見られます。


ただ、私がそういう意図があると知ったのは結構あとのことでした。

というのも、私の初FEがこのタイトルだったから。

えぇ、スマブラDXでFEを知ったクチですよ、私も。


ゲームキューブで発売された「大乱闘スマッシュブラザーズDX」にて、シリーズ第1作の主人公マルスと、当時はまだ発売前だった「封印の剣」の主人公ロイが、FE代表として参戦。

この件でファイアーエムブレムの知名度が爆上がりしたのでした。

実際のところは「封印の剣」が延期していて、結果的にロイは原作の発売前参戦となったのですが、これが効いたのか「封印の剣」は結構売れたんじゃないでしょうか?


実際、ファイアーエムブレムシリーズは任天堂の中でもかなりマニアックなタイトルでしたし。

第5作なんてニンテンドウパワーなんていうソフト書き換えサービスで出たものでしたし。

当時は海外未発売タイトルだし。

それが今では、シリーズ30周年を過ぎたビッグタイトルですわ。

ある意味、スマブラの影響で大きく変わったシリーズの筆頭と言えるかもしれません。


さて、そんな感じでスマブラで知って遊んだこのFE封印。

私はもう、ドハマりしまして。

ちょうど中学生くらいだったからか、こういう歯応えのあるゲームへの意欲が凄かったんですよ。

GBAという携帯機だったこともあって、勉強机で遊べるのもよかったですね。

親が来れば即引き出しに隠せたりしてました。


しかも、途中で電源を突然切ったりしても、その時点での中断データが保存されるオートセーブが付いてました。

スリープ機能がまだ無かったGBAにおいて、このセーブ機能は恐ろしく有能でしたね。

いつでも遊べて、いつでもやめられるから。

あぁ、このゲームのせいで勉強はまったくできませんでしたが、暗算は無茶苦茶早くなりました。


通算で20週はクリアしたでしょうか。こんだけ遊んだタイトルは他に思いつきません。

このゲーム、クリアの周回ごとにトライアルマップ(クリア後のおまけマップ)の使用キャラが増えてくんですが、全員揃った後も狂ったようにやってましたね。

大人になって、Wii Uのバーチャルコンソールで配信された時(2015年)も改めてダウンロードし直すほど。

スプラトゥーンをやった後の暇つぶしにFE封印をやるという、よく分からない生活をしてました。ええ。


慣れてくると、1週がだいたい20時間~24時間くらいでクリアできるんですよ。

イベントシーンをスキップするともっと早いかな。

20週ものプレイに耐えられるほど、とにかくいろんな遊び方が出来たのはよく覚えています。

いろんなテーマとか縛りとかやってプレイしたなぁ。



◆『感情移入度抜群の支援会話』


ファイアーエムブレムシリーズは、中世ヨーロッパ風の世界を舞台にした戦記ものがほとんど。

プレイヤーが指揮するユニットが一人ひとりのキャラクターになっており、戦いを通して成長させながら戦争を戦い抜いていきます。

そして、もしキャラクターが死んでしまうとロストとなり、物語から退場して二度と使えなくなるというのも大きな特徴でした。

最近のシリーズ作品では死んでも復活するモードが搭載されていたりしますが、この頃のFEはまだこのシビアなシステムのまま。


誰か死んだらリセットして、そのステージの最初からやり直しというのは、プレイした誰もが経験することだと思います。

ただこの、死んだらロストというのが、真剣にプレイしたくなる要素になっているのも確か。


リセットをしないでプレイすると己に課せば、途端にキャラクター育成の真剣度は跳ね上がります。

なんせキャラクターがうまく育ってくれないと、戦略的に詰みだって十分ありえるわけですから。


キャラクターの成長はレベルアップ時にランダムでパラメータが上がります。

キャラごとに伸びやすい・伸びにくいものが決まっていますが、あくまでもランダム。

なので、いくつものパラメータがめっちゃ成長することもあれば、1つしか上がらなくて悲しいことになったりすることも。

このランダム成長のおかげで、周回プレイしてもまったく同じ展開になることがないという特徴も備えていました。

1週目は騎士アレンが凄く強かったのに、2週目では相棒のランスの方が強くなったとか、あったなぁ。

自然といろんなキャラを試してみたくなるのですわ。


そして、封印の剣といえばシリーズでも重要なシステムが初登場した作品でもありました。

ずばり、「支援会話」!


前述通りユニット一人ひとりがキャラクターになっているとはいえ、それまでのシリーズではロクにセリフがないキャラというのも多数いました。

主要人物がいれば物語は進むので、それ以外の脇役はいてもいなくてもいいわけです。

というか、ロストの仕組みがある以上、ゲーム的に脇役キャラ達は「いなくてもすむように」作らざるを得ないのですが。

しかし、そんな脇役キャラ達にも光を当てられる画期的なシステムとなったのがこの支援会話。


特定の組み合わせのキャラ同士は、隣接させながら戦うと仲良くなっていき、支援会話が発生。

支援会話をした仲間同士はお互いに支援レベルが上がって、近くで戦っていればお互いに補正がかかって強くなれるというシステムでした。

バリエーション豊かな会話が用意されており、脇役キャラ達にも一人ひとり個性が付けられました。

中には支援会話でしか語られないバックボーンや人間関係もあるので、会話の組み合わせを探すのも一つの楽しみになったのです。


支援会話はキャラ一人につき5回まで。そして、支援は会話するごとにC→B→Aとランクが上がっていきます。

支援の組み合わせで、最高ランクのAにするには3回会話する必要があります。

つまり、キャラ一人につき、Aランクの仲に出来るのは1人だけ。

この組み合わせを考えるのが悩ましくなるのですよ。

アレンとランスの騎士コンビは鉄板だけど、騎士と傭兵の関係の会話も楽しいワードやロットとの組み合わせも捨てがたい。

あと、この騎士どもは天馬騎士ティトとか高貴なお嬢様クラリーネとかと、恋物語っぽいお話もあるのでそっちも見てみたい。


とまぁこんな感じで、いろんな会話を見てみたいがために、何週もプレイする羽目になるのでした。


もちろん、ロストしてしまうと会話の続きが見られない。

それどころか、支援関係が消えてしまうから、喪失感も大きいんですよ。あぁ、本当に死んでしまったんだと。

そうならないように、真剣にプレイしちゃうんですよね。

物語や設定、キャラクターを重視するプレイヤーほど真剣になっちゃいます。ドハマりしてしまいます。


ちなみに、主人公のロイのみペアエンドがあり、ロイがどの女の子と支援Aになったかでエンディングでの後日談がちょっと変わります。

お相手候補が6人いますが、一通り見たことがありますよ。

闇魔導士ソフィーヤとか、育てながら結ばせるのが本当に大変だった!

ちなみにメインヒロインのリリーナと結ばれた場合は、エンディングでの会話も結構変わってきます。

さすがメインヒロイン。さすが幼馴染。さすが魔王様。


それまでのシリーズでは主人公の恋人が固定だったこともあり、ファンからはロイは何かとモテるキャラみたいなキャラ付けをされることがありますね。

実際、次回作はロイの父親の若き頃が描かれましたが、彼の相手候補は3人でしたし。

ロイを超えるモテ男が出るのは、シリーズでもかなり先だったと思います。


ともあれ、この支援会話のシステムは、キャラクター一人ひとりに命を吹き込むという点で大受けし、後のシリーズでも定番の要素になりました。

今のFEがキャラクターゲームとしての側面を強めていったのもこの影響でしょう。

キャラ同士のカップリングと戦場での戦術を天秤にかけて、今日もエムブレマーたちは仲間の支援関係について大いに悩んでいるのです。



◆『思い出深い縛りプレイ』


20週もプレイすれば、いろんなプレイをしてきたので。

私が実際にやった中で、思い出深い縛りプレイを3つほど紹介したいです。


・ハードモード、ノーリセット

まずは定番のノーリセットプレイ。シリーズ経験者ならむしろ普通にやってる人もいるかと。

ただ、封印の剣のハードモードはシリーズの中でも結構な難易度を誇っていることで知られてます。

7章でイリア騎士団全員と合流できるかは、もはや運ゲー。


そして、この7章で出てくるものといえば闘技場!

闘技場に入り浸って、この時点で超強化してしまうプレイも可能なんですが、ノーリセットだと死ぬリスクが高すぎる!

闘技場に入る勇気が出ないんですよ!ノーリセットだと!

そしてここで強化しないものだから、次の8章がまた大変で。

盗賊がお宝盗む前に強行軍で進むにはちょっと無茶しないといけないし、ボスは玉座にいて攻撃が当たらないし…

ボスに攻撃が当たらないのは8章外伝もそうか。

普段どれだけ闘技場にお世話になっていたかがよく分かります。


そして何より、この縛りでサカ地方ルートに進んでしまったのが何よりキツかった。

サカルートは全体的に難しいですが20章が特に地獄。

やめろーー、幸運と魔防が低いランスに向かってサンダーストームを連発するなぁぁぁ!!

1%が、敵の必殺1%がぁぁ!!!


・ロイ様ハーレム計画(女性縛り)

主人公のロイと、女性キャラクターのみに経験値を与えるという縛りプレイ。

ロイも許可したのは、1章で女性キャラがいないので。

他のキャラは出撃はOKなので救出・運搬はOKですが、経験値が入る戦闘や盗みはNGです。

ノーマルモード・リセットありで試しに挑戦してみたのですが。


女性キャラが少ない序盤がとにかくきつい!3章と4章がとにかく大変。

ロイとシャニーだけでは手が回らないのに、他の男連中がむしろ邪魔になってくるという。

シスターエレンを壁役にするなんて、この縛りプレイじゃないとまず出てこない発想だと思います。

ただ、可愛い子はよく育つのがFEなので。

キャラクターが揃って育ってくる後半戦は無双状態でしたね。

使うキャラの関係上イリア地方ルートに絶対なるので、そっちの方が楽な私としてはラクラクでした。

これならハードもいけるかも……出来るかな、3章。


あと、この縛りだと普段あんまり使わないキャラも使いましたね。

女勇者エキドナさんとか、魔乳軍将……もとい魔道軍将セシリアさんとか。

女性縛りだとエキドナさんは貴重な斧使い。セシリアさんも数少ない騎馬ユニットですからね。



・記憶が頼り! Rボタン禁止!

通常、FEシリーズは味方と敵のステータスを見比べながら、どのように進軍するか考えるゲームです。

Rボタンで敵のステータスや装備を調べて、こいつキルソード持ってるわ気を付けようとかやるわけです。

が、実際の戦場で敵の実力が分かるわけないだろ、数値化できるわけがないだろという発想の元、「Rボタンを禁止」して、ステータスを見る行為を一切禁止するという縛りです。

敵はもちろん、味方のパラメータもレベルアップ時しか見れません。

敵のステータスは、敵に攻撃を仕掛ける際の結果予測のみで測ります。


これはWii Uのバーチャルコンソールで配信された時、自分は昔結構やり込んだはずだから記憶だけを頼りに攻略できるはずだ、という妙な自信から生まれた縛りでもありました。

もちろん、ハードモード・ノーリセットです。


まーーー地獄でしたね。

確かに10数年ぶりのプレイでも大体のマップやキャラの成長率は覚えてましたが、敵の細かい配置まではさすがに覚えてないですよ。

「あの騎馬隊の中で一人だけナイトキラーを持ってるやつがいたはずだ、だがどいつだ…!?」

終始、こんな感じですよ。

しれっと混ざるキルソードやナイトキラーが実に怖い。

あまりにあっけなくランスが死んだときの絶望感たるや。


ハードモードのみに出てくる敵とかもいますしね。

北の島ルート11章に、なぜか顔グラがある騎士とかいましたよね。

そういうのは意外と記憶から抜けてるもんです。


あと、ターン制限があるのをすっかり忘れてて、2つ目の神将器(伝説の武器)を取り逃すとかね。

おかげで終章に行けずノーマルエンドで終わるという結果に終わりました。

そのうちリベンジしたいですね。




…とまぁ、色々思い出せるくらいには遊びまくったタイトルでした。

続編の「烈火の剣」とセットになった小説とか、スピンオフ漫画「覇者の剣」とかも読んでたし、イラスト集も買ったなぁ。


これがきっかけでファイアーエムブレムシリーズも結構遊んできてますが、やはり私の中では「封印の剣」は特別ですね。

シリーズで初めて触れた作品というのは、やっぱり特別なものになるもんです。





余談ですが、初期メンバーの弓兵ウォルトの弱さがよくネタにされてますが、私は初FEだったせいか弱いなんて全然思ってなかったです。

むしろいつもレギュラーでしたよ。

スナイパーにすれば結構避けてくれますよ。

…遊牧民スーの強さを知ってからは、ミュルグレ(弓の神将器)はいつも彼女のものになりましたが。

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