009:テイルズ オブ エターニア
【タイトル】
テイルズ オブ エターニア
【ハード】
プレイステーション
【販売/開発】
ナムコ/日本テレネット・ナムコ
【発売日】
2000年11月30日
◆『3大RPGの座を狙うもの』
日本で2大RPGと言えば、ドラクエとFFでしょう。
この2つのシリーズは今も圧倒的な人気を誇っています。
が、日本にあるRPGはそれだけにあらず。
日本は世界的に見ても、RPG大国と言えるほどRPGシリーズが豊富です。
特にストーリーに重点を置いたゲームはJ-RPGの特徴として挙げられます。
海外ではFF7の大ヒットが起きるまで、ストーリーを重視したゲームはかなりマニアックなものと思われてたそうですから。
物語に入り込む没入感が得られるロールプレイングゲームというのは、日本で独自に進化を遂げてきたものなのです。
ドラクエ・FFに続く第3のRPGといえばどれか。
今もその座を狙って、鎬を削りあってるシリーズが多数あります。
ナムコが誇るテイルズオブシリーズもそのひとつ。
単純な売上や知名度でいえば、最も3大RPGに近い存在といえるでしょう。
良くも悪くも、ですが。
今回紹介するテイルズオブエターニアは、そんなシリーズのうちの1作。
個人的には、初めてテイルズオブシリーズを始めたいという方にお勧めしたい作品です。
◆『現在のテイルズの基礎が完成した作品』
テイルズオブシリーズはいろんなタイトルが出ていますが、大きく本編(マザーシップタイトル)と外伝作品に分かれます。
テイルズオブエターニアは、テイルズオブ本編の第3作。
プレイステーションで第2作「テイルズオブデスティニー」、第1作のリメイクであるPS版「テイルズオブファンタジア」を経ての正当進化した作品として登場しました。
テイルズオブシリーズって、なんとなく女性ファンが多いとか、声優ファンが多いという認識を持っている人がいるのではないでしょうか?
その認識はあながち間違っていません。
そもそも第1作のコンセプトが、「喋る・歌うRPG」だったのですから。
スーパーファミコンで出た第1作の時点で、本格的な声優によるキャラクターボイスや主題歌の導入を果たしたタイトルでした。
その流れを引いてるだけあって、テイルズオブシリーズでは今も声優さんによるアフレコには非常に力を入れているシリーズです。
ファンイベントに出演声優が登場するのも、それがこのゲームシリーズの大きな魅力のひとつになっているからです。
声優業界では、テイルズに出演することがひとつのステータスになっているという噂もあるとか。
まぁ、噂の真偽はさておき。
第2作までは主に戦闘ボイスに声優パワーが割かれており、戦闘シーンが非常に賑やかになっていましたが、ストーリーシーンでは一部の重要な場面にしかボイスが充てられない状態でした。
しかしこの第3作エターニアでは、メインストーリーにもかなりの部分にボイスが充てられるようになりました。
Disc3枚組という、当時としてもなかなか大容量なタイトルだったのですが、その力を存分に使うことが出来たようです。
物語のヒントから裏設定レベルの話まで、キャラクター達がフルボイスで雑談する「スキット」システムもシリーズの特徴ですが、スキットの数が大幅に増量したのもこの作品辺りからだと思います。
パワーアップしたのはシナリオやボイス演出だけではなく。
戦闘システムそのものも大きくパワーアップしたのもこのエターニアでした。
テイルズオブシリーズは一貫して、リニアモーションバトルシステムという、アクションゲームの要素を組み合わせた戦闘システムを採用しています。
十字キー+技ボタンであらかじめ設定した技を繰り出したりとかですね。
とはいえ、第2作まではまだコマンドバトル感が抜けられていないところがありました。
中級以上の魔法を出すと時間が止まったりするとかね。
アクション感はまだ薄いものでした。
ところがこのエターニアからは、ほとんどの技で時間が止まらなくなり、戦闘が非常にスピーディになりました。
テクニックを駆使してコンボを繋げることの気持ちよさが段違いです。
ショートカット1つで仲間に技を指示したり隊列を変更したり出来るのも今作から。
キャラクターのカットインや、超強力な秘奥義が本格的に登場したのもこの作品からです。
ちなみに、4人同時プレイでパーティ4人を別々の人が操作するなんて荒業も出来たりします。
豪華声優陣による熱演と、スピーディでアクション制が高いバトル。
あとはまぁ、ナムコキャラやシリーズ過去作キャラがゲスト出演するとか。
現在のテイルズオブシリーズにおいての土台といえるものが完成した作品と言えるでしょう。
私がテイルズを初めてやるならエターニアを推したいというのは、前述のとおり「テイルズといえば!」というものが一通り揃っているからだと思うからです。
後発タイトルのように複雑なシステムはまだ無いし、かといって戦略性が無いわけではない。
Cケージという、魔法使い2人にどんな技を持たせるかというシステムもありますし。
サブイベントやミニゲームも、これでもかっていうくらいたくさんあるからやり込み要素も十分ありますし。
もちろん、物語も非常に魅力的なんですよ。
テイルズはおろか、RPGに不慣れな方にもぜひお勧めしたいところです。
◆『変われる強さ、変わらぬ想い』
空を見上げると、もうひとつの地上が空の向こうに見える。
エターニアの物語は、鏡合わせのように存在する2つの世界が舞台です。
自然豊かな世界・インフェリアの片田舎で暮らしていた主人公リッドと幼馴染のファラ。
彼らの前に降って来たのは、空の向こうの世界・セレスティアからやってきた少女メルディとペットのクィッキー。
言葉の通じないメルディを前に途方に暮れるリッド達だったが、彼女は何者かに追われていることを知る。
さらにメルディは、リッドの持つ"何か"が必要らしく彼から離れようとしない。
平穏な生活を望むリッドだったが、ファラに強引に連れられてメルディを助けるため旅立つことに。
もう一人の幼馴染である学士キールも巻き込んで、なんとかメルディの言葉を理解できるようになった一行。
だが、メルディの口から聞かされたのは、2つの世界の衝突の危機だった……
……といった感じで、3人の幼馴染+異世界から来た少女の4人(+ペット1匹)が、世界を救う為に冒険を繰り広げるというお話です。
幼馴染モノとボーイ・ミーツ・ガールという、定番モノの掛け合わせです。
王道モノが好きな私としては、これだけでも十分惹かれるものがあったのですが。
エターニアは他のテイルズオブシリーズの物語と比べると、少々特異というか独自の魅力を保っています。
ほとんどのテイルズ作品はボーイ・ミーツ・ガールが多く、主人公が多くの仲間との出会いや別れ、戦いを経験して成長していくという成長物語が主軸になっていきます。
もちろんエターニアもそうした成長物語があるのですが、1人の主人公というより4人の主役といえる形になっているのが大きな特徴。
「何も変わらないことが幸せ」を信条とし、旅にも消極的だった猟師リッド。
やたらと他人のために頑張ろうとして、格闘術まで身につけた気の強い少女ファラ。
自分の研究を証明するために協力する、理論派で皮肉屋な学士キール。
一見能天気に見えるが、重い過去と宿命を背負い異世界へと飛び込んだメルディ。
本作は最初から最後まで、この4人の関係にフォーカスを当てた物語になっています。
最初はやる気を見せずなぁなぁで旅についていくリッドが、徐々に自分の旅の理由を見つけていき。
最初はメルディを研究対象としか見ていなかったキールが、彼女の重い使命を知るごとに本気で心配するようになり。
空回りが多いものの他人のために頑張るファラだが、その理由を指摘され動揺するうちに自分の想いに気付いたり。
幼馴染3人の過去とメルディの過去の思わぬ繋がりが明らかになり、と。
主要4人の関係性が丁寧に描かれていきます。
キャラごとの魅力というより、キャラ同士の関係が好きになるという点では、他のシリーズタイトルより突出してると思います。
途中で何名か仲間が加わりますが、一人は途中で離脱するし、他の仲間は終盤でパーティに入れるかも任意。
あくまでもこの物語は、リッドたち4人の物語なんだというのが伝わります。
主要人物をうまく絞ってるおかげで、物語のテーマがブレず、丁寧でまとまりがある物語になっている。
そういう点でも、テイルズオブ初心者にお勧めしたいところであります。
ちなみに主要4人の声優陣は、
リッド役:石田彰さん
ファラ役:皆口裕子さん
キール役:保志総一郎さん
メルディ役:南央美さん
…声優にそこまで詳しくない私でも知ってるような人ばかりですよ。豪華!
テイルズオブシリーズはタイトルごとに固有のジャンル名を付けるのが通例になっています。
エターニアのジャンルは「永遠と絆のRPG」。
そのジャンル名の通り、ぜひ永遠に語られて欲しいタイトルです。
今ではPSP向けのリメイク版が遊べますね。
プレイステーションストアでも買えるんだっけ?
まだ遊んだことの無い人には、ぜひ遊んで欲しいタイトルです。
そろそろ現行機でも遊べるようにならんかね……
……どうでもいいことですが、私は友人にこのソフトを貸した結果、Disc2だけ返ってこないという事態に合いました。
貸した相手が相手だけに、ちょっと忘れられない思い出です。
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