ダメでも、生きていく。 筋肉少女帯「踊るダメ人間」

 自分はダメ人間だ。そう思って落ち込むことがよくある。少なくとも週に3回はある。

 でも、世の中にはそんな悩みを抱えた人もたくさんいるんじゃないだろうか。

 もしもあなたがその1人なら、これから紹介する曲の歌詞には共感できると思う。


 大槻ケンヂ率いるロックバンド、筋肉少女帯の「踊るダメ人間」。ライブでもよく演奏される、彼らの代表曲だ。

 筋肉少女帯は、ヘヴィメタル、パンク、プログレ、ファンク、時には音頭など、幅広い音楽の要素を持ったバンドだが、この曲はハードロック/ヘヴィメタルの要素が強い。


 この曲を初めて聴いたとき、笑ってしまった。Aメロの合いの手が「ダメダメ パパパヤ」で、サビが「ダメ ダメ ダメ ダメ人間 ダメ!人間 人間」なのだ。

 その後よく聴いてみると、意外と深い歌詞であると気づいた。

「ダメ人間はびこるこの世 マイト一発!爆発させてえ!」

 と叫ぶパートは、この世に絶望した末のヤケクソの叫びのように感じた。

 ギターソロと女性のナレーション(?)が重なるパートの後、

「踊ってる場合か! お前の思い言ってやろう この世を燃やしたって 一番ダメな自分は残るぜ!」

 というフレーズに移る。ダメな自分から逃れる術はない、ということだろう。

 最後には、

「ダメ!それでも生きていかざるをえない」

という、慰めにも諦めにも似た言葉で曲が終わる。

 気がつけば、歌詞に強く共感していた。

「そうだ、ダメ人間でも生きていかざるをえないのだ」と。


 このように、大槻ケンヂの歌詞は、笑いの中にメッセージやシリアスな内容を入れていることが多い。例えば、筋肉少女帯の「元祖 高木ブー伝説」は失恋、「これでいいのだ」は冤罪を歌っているし、大槻ケンヂと絶望少女達の「人として軸がぶれている」は軸がぶれたダメ人間を歌っている。

 ユーモアを取り入れるのは、表現の技法としてはかなり効果的だと思う。

 私も大槻ケンヂに影響を受けて、「笑えるけどメッセージも伝わる」文章を書こうとしている。

 そう簡単にはいかず、書きかけのまま挫折した、あるいは忘れていた文章が山ほどあるのだが。

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