ジオラマ

第16話

あれ？

ここは・・・

そうか、僕の部屋だ。

何やら、長い夢を見たいたようだ。

「お兄ちゃん、起きなさい」

ドアを勢いよくあけて、妹が入ってきた。

「・・・さくら？」

「何、寝ぼけてるの。今日はしぐれお姉ちゃんが来るんでしょ？」

「しぐれ？」

さくらは、ポカンとしている。

「お兄ちゃん、いいかげん起きてよ。お兄ちゃんの彼女でしょ！」

あっ、そうだった。

思い出した。

「それと、お兄ちゃん」

「何？」

「昨日、私が寝ている時スカートめくったでしょ？兄妹でも犯罪なんだからね」

「大丈夫だ。全部はめくってない」

「それでも、だめ。いくら私が魅力的でも、だめだからね」

さくらは、下りて行く。

部屋には作りかけのジオラマがある。

そうか・・・しぐれが来て手伝ってくれるんだ。

同じ、鉄っちゃんと鉄子同士で、恋人になれたんだな。

朝飯の時も、さくらはいろいろ話してくる。

思春期ともなると、兄離れしていくが、こうやって話をしてくれるのは、ありがたい。

程なくして、しぐれがやってきた。

「さあ、トキオくん。今日は少しでも進めるわよ」

「ＯＫ．お手伝いよろしく」

「私と君との共同作業だから、遠慮しなくていいよ」

２人で、自室に行く。

「そうそうこれ？」

しぐれは、人形を差し出す。

Ｎゲージサイズの小さな人形。

これは・・・

僕としぐれ？

「特注して作ったの。さくらちゃんたちもいるわよ」

しぐれは、多数の人形を持ってきてた。

「完成したら、置こうね」

「しぐれ、レイアウトに完成はないよ」

窓の外では、青い空が広がっていた。