第10話
221系は宇宙へと出る。
宇宙と行っても、この世界の概念での宇宙になるが・・・
「トキオくん、下をみてみな」
しぐれの言葉に窓の外をみる。
これは・・・
水の上に町が浮かんでいる。
これはまるで・・・
「そう天動説だ。今、私と君がいる世界では天動説が主となっている」
「今でも、その考えはあるんだろ?」
「確かに・・・でも、この天動説は、私と君の住んでいた町をジオラマにしたものだ」
ジオラマか・・・
「ということは?」
「そう・・・他も見て・・・」
辺りを見る。
他にも同じような町が浮かんでいる。
「あれは、全部・・・」
「そう・・・それぞれが作ったジオラマだ。それぞれに、創造主がいる」
よく見ると、他の町からも列車が飛び立っている。
113系・・・313系・・・キハ58・・・0系新幹線・・・
多種多様だ。
「みんな、考える事は同じみたいだな」
「しぐれ?」
「他の町も、私と君のような立場の人がいる。どうやら創造主に会いに行くようだ」
「それぞれの?」
しぐれは頷く。
「さてと、私たちは吉と出るか凶と出るか・・・」
「どういうことだ?しぐれ・・・」
全方に眩しい光が見える。
「さあ、飛び込むよ。トキオくん」
列車は光の中に入って行く。
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