第6話
「あのう、しぐれ・・・もしかしてだが・・・」
「何?トキオくん」
僕は頭に浮かんだ疑問をしぐれにぶつけた。
「僕たちは、モルモットとして、この世界に投げ込まれたの?」
「それは違う。ちなみに、世に言う箱庭療法とかでもない」
「じゃあ、何で僕たちは紛れ込んだの?」
しぐれは、しばらく考えて口を開いた。
「トキオくん、君がこの世界に来るまでの一番新しい記憶はいつだ?」
「二日前になるのか・・・気がついたらこうなっていた」
「私の、一か月後になるんだな・・・」
一か月もの間、しぐれは1人でいたのか・・・
「私は、ここに来た時、この世界の創造主から言われた」
「何て?」
「一か月すれば、新たな住人を招きいれると・・・」
「それが、僕?」
「そうなる」
どういうことだろう・・・
「その一か月、ここは変わらないのか?」
「いや、人が変わっている」
「変わっている?」
「そう・・・変わっている・・・」
わからない・・・
「分からなければ、スマホで町の・・・人を撮影しておくといい」
「撮影?」
「比べて見れば、わかるだろう・・・」
しぐれのその言葉に、辺りを見回す。
生物は相変わらず、動かない。
人も、犬も、ネコも・・・虫も・・・
でも・・・
「気がついたか?トキオくん」
そうだ・・・
落ち着いて見たら、すぐにわかること・・・
昨日とは、配置が違っている。
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