06 襲撃者の謎 (fix
映像を見る限り、撃たれたのはブラックサンダー社のメテオフォール・ヒュージ・ミサイル。一発のお値段が金策ミッション十数回分もするという、とんでもなく高価な代物。
どう考えても、ウチのような規模のステーションに撃ち込んで元が取れるようなミサイルじゃあない。
たぶん一発分だけで大赤字だ。
展開を始めていた基地防衛用の
しかし、迎撃火力が足りていない。
なにぶん初拠点だったこともあり、防衛設備も最低限。対空モジュールが破壊されていなくても、高価な大型ミサイルの耐久値を抜けたか怪しいところ。
そもそもステーションから得られる儲けに対して、割に合わないヒュージ・ミサイルで爆撃されることなど、想定しているわけがないのだけれど。
そんなことを考えながら見ていると、二発の大型ミサイルが、ステーション近くで近接信管の起爆。
ミサイル内に超高密度に圧縮されていた大質量の
オマケとばかりに、剥き出しになったステーションの
「ここまでやって、わざわざ
ステーションが破壊されたにも関わらず、ログインした俺たちがミーティング・ルームに
そうでなければ、スカラブレイ
「それに物資狙いなら、対空砲をあっという間に黙らせられる腕があるんだし、わざわざ高価なヒュージ・ミサイルなんか撃たないで、スナイパー・ライフルで
「ステーションの
「物資狙いでも、勢力スコア狙いでもないとすると……」
俺とクロエが悩んでいると、ユキムラが思い出したようにポンと手を打った。相変わらずユキムラは仕草が古臭い。
「あ、あれじゃない? ほら、『アノマリー』のクエスト。なんか変なポイントを結構な量貯めさせられるみたいな話、読んだことあるけど」
「『アノマリー』ってゆーたら、サーバーに一種類一個づつしかないっていうガチのユニーク・アイテムやんな? そのポイントって狙って集めるモノなん? いやそもそも、ソロやしなぁコイツ」
話題の逸れ始めた二人の話を聞いていて、俺は一つの可能性に思い当たる。
「ユキムラ、ステーションの
「ん? 完全破壊されてなかったから、ログインした時に再起動かけておいたけど――たぶん今日中には
ユキムラが
だけど今はそっちの話ではなく。
「いや、これだけやって
そこまで言いかけたところで、
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