02 VRステーション
その夜、夕飯とお風呂を済ませたあと、いつものようにベッドで横になって
昔の
起動した後の自意識は、
商品案内に、そう書いてあった。
メニュー用の、精神リンクしていない簡易アバターの姿で、
スッと、意識が箱に吸い込まれる感覚。
すこしの間の、ロード時間。
粒子センサ・ネットワーク上の量子ニューロン・プロセッサが、ゲームデータを構築するのは一瞬のことだけど、人間の意識をゲーム内のアバターに移すのに必要なロード時間なのだと、以前、何かで読んだ。本当かは分からない。
そんなことを考えながら待っていると、
アバターの姿は初期値――リアルの自分の姿から、あまり変更しなかった。
顔つきはゲームのデザインに合わせて、ゲーム・システムがスッキリした端正な顔に自動的に修正してくれている。
目にかかるぐらいの、すこし長めの前髪も、同じようにゲームに合わせて、リアル過ぎない質感になっているけれど、全体の雰囲気は、おおむねリアルの姿そのままといった感じ。
学校の友達が見たら、半分ぐらいは気づくだろうか。
アバターの姿を弄りまくっているチームメイトからは「せっかくアバター・デザイン出来るゲームなのに、もったいない」なんて言われるけど、
そんなことを考えながら俺のアバターが現れた場所は、暫定的にリーダーを務めているチーム・エッジワースが持つ宇宙ステーション。
スカラブレイ
その中のロビー兼ミーティング・ルーム。
宇宙ステーションは、
そんなわけでステーション内はロビー兼ミーティング・ルームのほか、
もちろん重力発生装置なども、
これはこれで、いかにもSFらしくて良い。と、いうことにしている。
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