アゲハとの出会い
「よし!!到着だ。」
そう言って荷物を降ろしたここはマーレ地区でも死の砂漠に近いNO,7地帯
そこには立派な時計のついた教会が建っていた。
しかし、教会の時計の針は止まっている。
「・・・アノ、May様私達ガ食ベタアレッテモシカシテ…」
「Vino…知らナかっタこトにシておこウ…」
そう2人が話しているのを後目に玄関のドアを開けるとレンチが飛んできた。
「うぉっと…何するんだよアゲハ!!」
そうしゃがみながら言った。
そうするとアゲハと呼ばれた黄色い髪に黒のメッシュが入った少女が言い返した。
「うっさい!!もう、なんで急に大時計の歯車を持っていくのよ!!!修理が大変じゃない!!!」
「あぁ、わかったから。後ほら今客さん2人連れてきてるからな。」
そうアゲハをなだめるように言うと、アゲハは我に返ったようだ…
「あ、ごめんなさい。ウチのカルマが何かやらかしたりしませんでした?」
先程とはうってかわって丁寧な口調で2人に話しかける。
「・・・天窓ヲ割ラレマシタ。」
「パンツを見ラれチャった」
そう2人が言うと
「カ〜ル〜マ〜!!!」
アゲハは怒りの形相でこちらを睨みつけていた。
「ちょっと!!!2人とも仕返し?いやいや、あれ事故でしょ?アクシデント!!」
そう慌てながら弁明し、
「ほらアゲハも挨拶と自己紹介しろって。」
そう言って話題を変えた。
「ふぅ、カルマの1件はとりあえず保留して…初めましてここの孤児院で1番年長のアゲハです。」
そう言って彼女は手をさしだした
「・・・Vinoデス。ヨロシク…オ願イシマス。」
「Mayでス。気軽ニMayちゃんって呼ンでネ!!」
そう言って2人はアゲハと握手をする。
「・・・本当ニアナタガ面倒見テルノデスカ?アナタノ娘ト思エナイ程常識人デスガ。」
そうVinoは言う。
「いや、あれ猫被ってるだけだよ。普段なんておっかないよ〜もうあれは鬼だか痛ってえ〜。」
言い終わる前にアゲハにレンチで殴られた。
「何、カルマ。私が猫被ってるって?」
そうアゲハはカルマに言った。
「イエ、トテモステキナオジョーサンデス。」とアゲハに返した。
「さてと、Mayお嬢様はチビ共と遊んできな!!!おっとVino君はこっちだ。」
「・・・アッ、チョットマッ、ナンデ〜。」
そう叫ぶVinoをカルマは引きずりながら歩いた。
「よし、食料はなおし終わったな。Vino君は終わった?」
「・・・ハイ、終ワリマシタ…」
子供達と遊べない事がショックなのか不貞腐 れたかのようにVinoはいった。
「いやいや、Vino君にはこないだのあの時少し気になった事があってね。だからこうやって呼び出したのさ。来な。」
「・・・ハイ。」
そう言ってVinoを大聖堂の地下部屋に連れていく。
「・・・アノ、コチラハ?」
そうVinoは尋ねた。
「着いてからのお楽しみってな。」
そう言いながら階段を降りていく。
「よし、着いたぞVino君。」
そうVinoにいい鉄の扉を開けて射撃場並びに武器庫に入る。
「・・・教会ノ地下ニコンナ物ガアルナンテ…」
そうVinoが言った。
「そうさ、ここがこの教会の秘密の部屋さ。アゲハは知ってはいるが他のチビ達は知らないからな。あっとこっちの酒と書いてある扉は酒の保管室だ。」
そう言ってVinoを見るともう1つの部屋のドアに手をかけようとしていた
「・・・アノ、コチラノ部・・・?」
「触るんじゃねぇ!!」
そう叫びVinoに懐に入れてある銃を向ける。
「・・・ハイ、スイマセン」
あまりの剣幕にVinoが謝った。
「あぁ、すまない。この部屋は俺にとっちゃ酒なんかよりも大事な物がしまってある部屋だからな。触られたくないんだよ。」
「・・・イエ、勝手ニ触ロウトシテスイマセン。」
そうVinoが謝ると
「Vino君使ってる拳銃見せて。」
「・・・ハイ、デモ撃タナイデ下サイネ。」
そう言ってVinoはソーコムMK23をさしだした。
「ほぅ…ソーコムねぇ堅牢で命中精度のいい、いい銃を使ってるな…」
そう言って差し出された拳銃の隅々まで確認した。
「だが、Vino君は少し正確に狙おうとしすぎだ。銃ってのは目的を選ばずに撃つならだいたい当てられるからな。狙いすぎるとかえって当てにくいんだよ。あの時だって当たったんじゃなくて俺が当たりにいったんだしな。」
「・・・ソウハ言ワレテモ…」
そう言ったVinoに対して
的を並べながら
「じゃあ見てみな…」
そう言ってノールックでVinoから借りた拳銃で的を射抜く。弾は的のど真ん中を射抜いていた。
「・・・サイトヲ見ズニ・・・ブルズアイ・・・。」
Vinoは驚いたように言った。
「なっ、狙おうとして狙うんじゃないんだよ。まぁ、これには慣れもいるがな。さていい機会だここにある銃を一通り撃ってみようか。」
そう言って武器庫の銃を取り出した。
まずは水平2連なんでどうだ?
そう言って水平2連式散弾銃をVinoに渡す
「・・・重イデスネ…」
「確かにそいつは片手で扱うには重いし両手で持つには少し軽い。だが作動性は1番確かな銃だ」
そう言って説明をしてVinoの後ろに回る。
「さっ、撃ってみな…」
そうVinoに言って促すとVinoは引き金を引いた。
「・・・ウワッ、跳ネ上ガリガ凄イデス。」
そうVinoはいった。
「あぁ、どうやらコイツは向いてねぇみたいだな…となるとうちの銃は反動のでかいのが多いしな…」
そう悩んでいると
「・・・アノ、コレハ?」
そう言ってVinoが指さしたのは普段見回りで使う三八式歩兵銃だった。
「あ、これがいい?なら撃ってみるか?」
そう言って弾を込めて渡す。
「・・・コレハ、重イデスガ扱イヤスイデスネ。」そう言ってVinoはボルトを引いて構えて言う。
「おっ、上手いね。Vino君の癖からしてこっちのが合ってるな。いい銃だが、これはやれないぞ。」
「・・・ソレハ残念デス。」そうVinoは残念そうに言った。
その時、アゲハが
「パパ大変!!!Mayちゃんがブランコで転けちゃった!!」
「おい、パパって呼ぶ…」
「・・・May様!!!」
そう言ってVinoは飛び出して行った。
「うぉっと、銃は投げるんもんじゃねぇぞ。相変わらずMayお嬢様の事になると人が変わるな…アゲハ軽症なんだろ?」
そうアゲハに尋ねる
「うん、でも少し体は痛めちゃってると思う。」
「よしすぐに行くぞ!!」
「了解!!カルマ。」
そうアゲハに言ってライフルを置いて階段を登る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます