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「ねぇねぇ、さっきからボーとしてるけどどうしたの〜?」

俺がボーと前回のことを思っているといきなり話かけられた。

「あ、いや、なんもない」

「そうなの〜」

ガクッ

彼女はバランスを崩して前方方向に倒れ込む。

ドサッ

俺は自分の胸で彼女をキャッチする。いや、勝手に彼女が俺の胸に飛び込んできたという表現の方がこの場合は近いかもしれない。彼女は無事着陸に成功し、なんとか事故は防がれた。

スッ

俺は彼女が床にへたり込まないようにするために彼女をすくうよう腕を軽く回して抱き抱える。

「おい、流石に飲み過ぎだろ。完全に酔い潰れてる状態じゃねーか」

「むにゃむにゃ」

なんて顔しやがる。なんの関わりのない男の胸のうちで気持ち良さそうな顔してやがる。俺はこうやって女の子抱いたことなんてないからちょっと緊張してるっていうのに。確かに、男にとっては最高のシチュエーションではあるがな。と、そこに女子のグループが通りかかってきた。これで、こいつを押しつけれる。...なんかここの台詞だけ聞いてると外道に見えるな。

「あ、ちょうどよかった」

1人の女子が俺とこの女の状況を見てそう言った。俺は流石に頭の中に?マークが浮かんだ。

「あ、このまま任せる。介抱してやってあげて」

俺に最初に声を掛けてきた女子とは違う人物が俺に向かってそう言った。俺はこれを聞いて、は?となった。友達置いていくの?ってなった。だから、俺は声を出した。

「いや、置いて行くのは流石に...」

「だってもう酔い潰れててまともに行動できそうにないし、今日はここまでにして帰った方がいいよ」

「私達これからみんなで三次会行くけど、この様子じゃ、流石に無理でしょ?」

「ほんと、なんでかわからないけどハメ外しすぎー」

俺に話かけてきた2人はこんな返答をしてくる。そして、

「今日はもう帰るんでしょ?私達まだこれからだからさぁ。よろしくね」

そう言って彼女達は何人も人を引き連れてその場を去っていった。

俺はこの言葉の意味を聞いて思った。こいつ、さすがに酔っ払いすぎてこれからのこと考えるとお荷物になると思われて他の女子達に置いてかれてるじゃねーか。完全に、あの言い回しだと「今の酔い潰れたそいつはただのお荷物で私達がスムーズに楽しめないから、そいつはお前に押し付けていくね」って言うことだろ。いつの間に、こいつはこんな残念な状態になってしまったんだ?

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