第19話 九月二六日㈯②
「そうなんですよね。私の友達も違う友達といる時なんか雰囲気違ったりするんですよね」
「結衣ちゃんは違わないのかい?」
「私、それがよくわかんないんですよねー」
おれはこの時、高倉結衣に天使を見た。それと同時に不安と恐怖も感じる。きっと彼女は家族や友達に愛され、大事にされてきたのだろう。それ故、仮面を付けて会話をするなんてことをしてこなかったのだろう。恵まれた環境。奇跡の環境。
「もう~、またじっと見ないでくださいよ~」高倉結衣が恥ずかしそうに顔を赤らめ下を向き目だけでこちらを見る。
「あ、ごめんごめん、ハハっ、そういや、結衣ちゃんには彼氏いないの?」
「いないんですよー、最近周りはみんな彼氏いるんですけどね」
「だけど告白とかはされただろ?」
「まぁ、数人からはされましたけど、何か違うんですよね」そう言いながら前髪をいじり出す。
「何が違うの?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます