第6話 九月二十二日(月)①

 

 九時に目を覚ました時には友子は大学へと出て行っていた。二度寝をし、目を覚ますと十七時半。おれは何の理由もなく街に出向くことにした。

 通り過ぎる人々。スーツを着たおっさん、若者。オシャレな服で身をかためた若い女。おばさん。下を見て歩く小汚い老人。ブランド物の服を着こなす初老の男、女。横切る車。軽自動車、普通車、高級車、スクーター、バイク、自転車、大画面に映るドリンクのCM、今流行りの女優がこちらに笑顔を向ける。笑い声でざわめく女子高生の集団。あとはみんなスマホを覗いて俯(うつむ)くばかり……風が過ぎていくように人々がおれを通り過ぎていく。逆に追い風のようにおれと同じ方向に歩く人々もいる。交差する人々も。

 「はあっ……」急に疲れたような溜息が出てくる。自分の出した溜息だと気づいて驚く。

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