悠久の魔導王 第二十五話 公開処刑

 バーグルとゲルトを引き連れたマグス大佐の一隊は、中之島を離れそのまま下流の港湾都市カシルをめざした。

 彼らが乗ってきた舟はそう大きなものではなかったので、カシルで川を遡行する定期船に乗り換えることにしたのだ。

 そこから上流の拠点、クレアまでは三週間ほどの船旅となる。

 バーグルは他の客の目に触れる所ではかせめられていたが、それ以外の時は外され、身体を拘束されることもなかった。

 彼は形の上では罪人で、マグス大佐はそれを護送するという立場だったが、きわめて丁重な扱いがなされたのである。


 クレアに上陸し、当時はまだ通行に支障がなかった大隧道を通過する際も、同様の扱いを受けた。

 それが一変したのは、大隧道を抜けて帝国中央部に入ってからである。

 すでに帝都には先行して報告がいっていたのだろう、大隧道の出口には軍が差し向けた豪華な大型馬車と護衛兵が待っていた。

 バーグルとゲルトは御者席の後ろ、一段高い椅子に座らされた。もちろんバーグルには手枷が嵌められたままだ。

 そのまま彼らは馬車を先頭にして、帝都に向かう主要街道を進んでいった。


 御者台の後ろの席に座った二人の獣人は、彼らの体格が大きいこともあり、オオカミの頭部を持ったその姿が、周囲からよく見えるようになっていた。

 要するに〝見世物〟扱いである。

 道行く人々が騒ぎ立て、ぞろぞろと後をついてきたが、さすがにこれは護衛兵に追い払われた。

 その代わり、町に入るととんでもない騒ぎとなった。


 何しろ獣人の存在自体、帝国の人々にとっては初めて聞き、目の当たりにするものだった。

 馬車は町に入ると鈴なりになった見物人の間をゆっくりと進み、先頭に立つ露払いの兵士は大きな羊皮紙に書かれた獣人の罪状を棒の先に下げ、掲げて歩いた。

 一行は町ごとに一泊した。そして夜には町の広場に篝火を焚いて人々を集め、壇上に登ったバーグルは自分がなぜこうして帝都に向かっているのかを自ら説明した。


「私はボルゾ川の下流、中之島に住む獣人族の村長むらおさバーグルと言う。

 私たちは長年帝国に貢納して恭順を示してきたが、このたび不幸な誤解から帝国兵との間で争いを起こしてしまった。

 お互いの誤解は解け、私たちは改めて帝国に従うことを約したが、多くの帝国兵の命を奪ってしまったことは事実である。

 私は村長としてその罪を一身に負うことを申し出た。

 慈悲深き皇帝陛下は、その願いを受け入れ村の者の罪を赦してくださった。

 私は皇帝のお慈悲に対する感謝と、帝国兵殺害に対する謝罪、そしてどのような処罰も甘んじて受け入れることを皇帝陛下に直接お伝えするために、こうして帝都へと向かっているのである」


 それは馬車の先頭に立った兵士が掲げた羊皮紙に書かれたことと、一字一句違わぬ文言であった。

 だが、帝国の民衆の識字率は、都市部でも六割程度、全土を平均すると三割をやっと越すくらいであったから、バーグルの演説は大いに歓迎された。

 ――というよりも、オオカミの頭をもった獣人が、市民と同じ中原の共通語を実際に話していること、それこそが大きな驚きであり、群衆からはどよめきが起きた。つまりこれが重要な見世物であった。


 一つ一つの町を経由して進むにつれ、獣人の噂は噂を呼び、近在近郷から町に見物に来る人々は大変な数となっていった。

 そのため群衆の整理や事故防止のため、通過予定の町には大量の兵士が追加動員されるはめとなった。


 この道中が皇帝の権威を高めることを意図して行われたことは明白であったが、娯楽に飢えていた地方の民衆にとって、そんな思惑はどうでもよかったのである。

 獣人の道中は、軍首脳部の予想を遥かに超える宣伝効果と、現実的な経済効果をもたらした。

 実際、一行が到着する町には臨時の市が立ち、出店が郊外にまで立ち並び、旅芸人たちばかりでなく売春婦までもが大挙して集まった。


 馬車の移動なら、大隧道から帝都までは一か月もあればたどり着ける。

 しかしこの獣人道中は帝都まで二か月の日にちをかけて進んだのである。

 当然ではあるが、帝都の騒ぎは途中の町々とは比較にならない規模となった。

 獣人の一行は帝都を円周状につなぐ環状道路を何周もして、数十か所でバーグルは演説を強要され晒し者となった。

 帝都は近郷からの見物客で人口の数倍が集まり、皇帝の戴冠式でもこれだけの騒ぎにはならなかったろうと噂された。


 そして騒ぎのクライマックスは、獣人の村長と皇帝の謁見式、そしてバーグルの公開処刑であった。

 そのいずれも黒曜宮で行われたのだが、普段は一般民衆が立ち入ることのできない皇宮が、この時ばかりは公開されたのである。

 とはいえ、百万を超える群衆が入れるはずもない。

 実際に黒曜宮に入れたのは、貴族や大商人たちだけで、その周辺に集まった大観衆は、民間魔導士の念話による同時中継で何が起こっているかを知るだけで満足するしかなかった。


 皇帝との謁見式は、まさしく〝儀式〟に過ぎなかった。

 バーグルがこれまで散々お立ち台の上で語らされた文言を、皇帝の側仕えの者が代読して伝え、皇帝が頷いたことで儀式は終了した。

 獣人族の長は平伏したまま、直答はおろか皇帝の顔を見ることさえ許されなかったのである。

 この儀式は、皇帝が〝人間ではない〟獣人に謁見を許したという事実が肝要であった。

 皇帝が帝国に恭順を誓う者であれば、例え異民族であろうと獣人であろうと、寛容の姿勢を示すのだということを、万民に示せればそれでよい。

 ――そういう性格の儀式であった。


 したがってメインイベントは当然、バーグルの公開処刑となった。

 広い黒曜宮の閲兵場には特設の絞首台が用意され、軍人、貴族、高名な学者、大商人をはじめとする善良な市民が見守る中、帝国兵大量殺害の罪で獣人の村長むらおさバーグルが縛り首になる。

 その瞬間を今か今かと待ち構え、入場を許されなかった百万に迫る無辜むこの市民たちの興奮は頂点に達していた。


 マグス大佐とその部下の魔導士たちは、獣人族と直接戦った上、彼らを折伏しゃくぶくした英雄として、当然のようにその舞台に招かれていた。

 第一礼装に着替えた大佐たちは整列して刑の執行を待っていた。

 処刑場が閲兵場となったということは、黒曜宮のどこかの部屋から皇帝も見ているということだろう。


 白い礼服に金モールの肩章、そしてこれまでに拝領した勲章を所狭しと胸に飾った大佐は、不機嫌そうに立っていた。

 隣りに立つ部下は、もう十年以上大佐とともに戦場を駆け抜けてきた信頼できる男だった。


「よぉく見ておけ。

 これから面白い茶番が始まるぞ。

 我々はその茶番劇でセリフも与えられずに突っ立っている〝でくの坊〟というわけだ。

 まったく、死んだ部下たちは、こんなくだらない場面を見ずに逝っただけでも幸せなのかもしれん」

「大佐っ! 声が大きいです」

 隣りの男は表情一つ変えずに小声でいさめた。


 黒山の人だかりの中、閲兵場の大きな門が開かれ、バーグルが引き出された。

 彼は後ろ手に手首を縛られていたが、手枷は外され、足にも枷やおもりの類がついていない。

 死刑に処せられる罪人としては、最大限の尊厳が認められていたと言える。


 ぎっしりと集まった群衆のどこにそんな隙間があったのか、門と絞首台を結ぶ直線から人が退き、一本の道ができた。

 その道をバーグルはゆっくりと、だが堂々とした態度で歩き始めた。

 彼の姿からは微塵の恐れも感じられない。


 バーグルは絞首台の階段を上り、木製の踏み台に上がった。

 彼の逞しい身体をあらかじめ測定していたのだろう、そのオオカミの頭の目の前に太いロープの輪が下がっていて、処刑人がそれを獣人の首にかけた。

 壇上に並ぶ立会人の末席には、彼の息子ゲルトも並んでいて静かに父親の最期を見守っていた。


 立会人の最上席に並んでいた大臣らしき人物が一歩進み出て、バーグルの罪状と絞首刑という裁定が下された理由を読み上げた。

 読み終わった立会人は羊皮紙をくるくると巻き、覆面をした処刑人に頷いた。

 かけ(大木槌)を手にした処刑人は、逞しい筋骨に物を言わせて掛矢を振りかぶった。

 バーグルの足元の踏み台をそのまま掛矢で吹っ飛ばせば、獣人の身体は床に空いた穴から垂直に落下して首が締まるという仕組みだ。


 会場のすべての人間が固唾を呑んで次の瞬間を見守り、会場は針が落ちても聞こえるほどの静寂に包まれた。

 その瞬間である。


 閲兵場の黒曜宮側に通じる扉が「バン!」という大きな音を立てて開かれ、中から白馬に乗った軍人が駆けだしてきた。

 馬上の人物は驚き呆れる人々に向け、大音声で叫んだ。

「その処刑、待たれよ!」


 騎馬のまま処刑台に駆け上がった軍人に対し、立会の筆頭人は顔を真っ赤にして怒鳴った。

「なんという無礼! 貴様、何のつもりか!」

 それに対して馬上の軍人は下馬するそぶりも見せず、懐から丸められた羊皮紙を取り出し、それを広げて今一度叫んだ。

「控えろっ! 勅命である!」


 男が示した羊皮紙には、真っ赤な玉璽ぎょくじの印影、それに特徴ある皇帝の花押が墨痕も鮮やかに記されていた。

 それは皇帝の勅命書に違いなかった。

 馬上の男を除いて閲兵場にいた人々全員が、その場で一斉に膝をついた。

 貴族と軍人は片膝を、それ以外の市民は両膝をついて平伏しなければならない。


 皇帝は軍の最高司令官も兼任しているので、その立場で会議や閲兵に臨む際には、軍人は敬礼でよいとされている。

 しかし、この場合は国の統治者である皇帝としての命令である。

 当然マグス大佐たち軍人も片膝をついておもてを伏せた。


 自分を除く全ての者たちが膝をついたのを確認した馬上の男は、満足したかのように皇帝の勅命を読み上げた。

「獣人族が村長むらおさバーグルは、多数の帝国兵を殺害した罪を認め、帝国に恭順することを誓った。

 その態度は殊勝であり、余は慈悲の心をもって獣人族の村人の罪を赦した。

 今、余はその罪を償うべく絞首台に上るバーグルを見た。

 従容として死に向かう姿、その覚悟は見事であり、人間に一つも劣るものではない。

 ここに至り余はさらなる寛容の発露を宣言する。

 獣人バーグルは罪一等を減じて無期禁固刑とするものである!」


 勅書の読み上げが終わると、一瞬水を打ったように静まり返った閲兵場から、割れんばかりの歓声が沸き起こった。

 何が起こったのか分からず混乱していた城外の民衆も、やや遅れて民間魔導士から勅書の内容が伝えられると、これに倍する大歓声が起き、「皇帝陛下万歳!」の声で城壁が震えるほどであった。


      *       *


 ゲルトはひとまず話に区切りをつけた。

 そしてライガの首に抱きついて「よかった、よかったぁ~!」と泣いているユニを見て、申し訳なさそうな顔をした。

「あのぉ……ですがね、処刑直前の中止命令も、罪一等減の裁定も、全部出来レースだったんですよ」

「え?」

 涙目のユニは豆鉄砲を喰らった鳩のような顔をした。


「処刑の前の晩、俺は〝今生こんじょうの別れ〟とかいうやつで親父との面会が許されたんですが、どうもその時には親父も死刑はないってことを知ってたみたいです。

 『まぁ、あまり心配するな。明日は面白い芝居が観れるかもしれないぞ』って言ってましたからね。

 帝国にしてみれば、ここで親父の命を取っても一文の得にもなりませんが、皇帝が寛大なところを見せれば株がうなぎのぼりだって踏んだんだと思いますよ。実際、処刑が中止された後の帝都の雰囲気はその思惑どおりでしたからね」


「それで帝国は俺を村に返す際に条件をつけたんですよ。

 年に一度、上質の毛皮を馬車一台分献上すること。

 献上に当たっては、次期村長むらおさである俺が、毛皮を直接帝都まで運んでくること。

 その代わり、今まで地元の役所に納めていた貢納は免除し、帝都では親父との面会を許す。

 そんな内容でした」


「それで黒テン、黄テン、銀ギツネ、ラッコの毛皮なんかを馬車の荷台に積んで帝都に運ぶよう決められました。今回がその初回だったのですが、連中の考えが分かりましたよ。

 要するに親父が帝都に引かれていったのと同じ、獣人道中を続けたい――そういうことです。

 よっぽど儲かったんでしょう、街道沿いの町のほとんどから今後も続けてくれって嘆願書が上がったらしいですよ。

 それで俺は帝国の町ごとに泊まって、献上品の毛皮の展覧会をやらされました。

 王侯貴族しか着ることのできない超高級品の毛皮ですから、女たちは目の色を変えて大興奮しましたしね。

 ついでに人語を離すオオカミ頭の獣人まで見物できるんですから。親父の時にも負けないくらい人が集まりました。

 帝都に着いて毛皮を納品したら親父に会わせてもらえますから、村の様子やおふくろの伝言を伝えたりできます。見世物にされるくらい何ともありませんよ」


「ねえ、テンとかラッコの毛皮ってそんなに高いの?」

 ユニはぼそっとマリウスに耳打ちした。ファッションに疎いユニでもそこは気になるらしい。

「そうですね、黒テンは同じ目方の金と交換されますし、黄テンの毛皮は皇帝一族以外に身につけるのが禁止されてたと思いますよ。

 ラッコも銀ギツネも黒テンほどじゃないですけど、かなり高いです」

 ユニは思わず首をすくめた。


 ゲルトはユニが横道に逸れたのを気にせずに話を続けた。

「それで帝都に向かう時は、帝国軍が用意した派手な馬車を使わなきゃいけませんし、ルートや立ち寄る町も決められてます。

 ですが、帰りはこっちの自由なんですよ。

 もちろん見世物になる必要もありませんしね。

 ただ、一応マントで身体を、フードで頭を隠して行くんですが、やっぱり主要街道を通ると獣人だってすぐバレて、あっという間に身動きが取れなくなりまります。

 それで遠回りなんですけど、こうしてめったに人と会わない裏街道をのんびり進んでいるってわけです」


「なるほど、ゲルト殿とここで会えたのもそのお陰なのだな」

 アッシュが納得したように頷いた。

「しかし、父君が死刑を免れたのは良いとしても、無期刑ではな……。

 年に一度会えて言伝ことづてを届けられるのがせめてもの慰めとは、母君もさぞ辛かろう」

 ユニも「同感だ」と言うように頷いている。


 だが、ゲルトの答えは意外なものだった。

「いや、無期と言っても親父は数年のうち、多分かなり早い時期に釈放されて返されるはずです」

 アッシュは意外そうな顔をした。

「それは……どういうことなのかな?」


 ゲルトはけろりとした顔をしている。

「なに、さっきの死刑と同じです。

 帝国は親父を閉じ込めておいても何も得をしません。親父は大ぐらいですから飯代が嵩むだけでしょう。

 それよりはさっさと釈放して、獣人族に恩を売った方がいい――それが帝国の本音だろうと親父が言っていました。

 実を言うと、親父は牢でじっとしているわけじゃなくて、ほとんど毎日のように引き出されて、弓を射たり人間と模擬戦をやらされたりしているそうです。

 まぁ、親父と戦って勝てる人間なんて、そうはいないみたいですがね。

 しかも親父がいしゆみを素手で引いて矢を装填したのを見て、帝国の連中腰を抜かしたそうですよ!」


 ゲルトは得意げであったが、ユニは口を挟まずにはいられなかった。

「どうして帝国はバーグルさんにそんなことをさせるのかしら?」

「獣人のいわゆる〝戦力評価〟って奴でしょうね。

 親父の見立てじゃ帝国は軍に獣人部隊を作りたいと考えているそうです。

 俺たちは人間よりも遥かに強いですからね。

 親父を早めに釈放しようというのも、真の狙いはそこだと言ってました。

 元村長むらおさを人質よろしく牢に入れられたままで、軍に忠誠を尽くせなんて、奴らだって言いづらいでしょう?」


「親父が釈放されたら、そこからが勝負の始まりなんだそうです。

 多分、帝国からは軍に志願しろという圧力が掛かってくるでしょうから、厳しい条件闘争が待っているだろうって親父が言ってました」


 いずれにせよ獣人たちには、これまでの平和な暮らしは望むべくもない――そういう運命に彼らは巻き込まれてしまったのだ。

 それでも彼らは少しでもよりよく生きていこうと必死になっている。

 ユニは暗澹とした気持ちを抑えることができなかった。


「まぁ、俺としては兵役も悪くないと思っていますけどね。

 何でもいいです、一年でも早く親父が戻ってくれさえすれば、もうこんな恥ずかしい思いをしなくて済みますからね」

「恥ずかしい? ……帝都への道中で見世物になること?」

「違いますよ!」

 ゲルトは憤然として叫んだ。


「毎年、親父に会いに行くたびにおふくろの伝言を届けなきゃいけない。

 その上、帰りには親父からおふくろへの伝言があるんです。

 もうこんな恥ずかしいこと許してほしいですよ!」

 ゲルトの嘆きをマリウスは察したようだったが、ユニとアッシュはきょとんとしている。


「え? ごめんなさい、あなたの言っていることがよく分からないわ。

 ご両親の言葉を伝えることのどこが恥ずかしいの?」

「ユニ様には分かりませんか?

 うちのおふくろの伝言はこうですよ。

 『どんなに遠くに離れていても、あなたのことを愛しています』。

 こんなセリフを実の母親に聞かされた上に、それを親父に言わなきゃならない俺の身になってください!

 しかも親父からの返事が『俺の方こそ世界中でお前だけを愛しているさ』ですよ!

 実の父親にこんなこっぱずかしいこと言われて、それを母親に伝える――これはもう拷問です!」

 マリウスが腕組をして目を閉じ「うんうん」と頷いている。

 それだけではなく、ユニの隣りにいるライガとその後ろでお座りをして並んでいたハヤト、トキまでが首を大きく縦に振って賛意を示していた。彼らの尻尾はゆっくりと横に振られている。


「何言ってるのよ!

 愛し合ってる夫婦なのよ! 素敵じゃない!

 恥ずかしいなんて思う方が恥ずかしいわよ!」

 ユニの反論に、今度はアッシュはもちろん、ヨミ、ミナ、ヨーコの女衆も一様に「うんうん」と頷いた。彼女たちの尻尾が一斉にばっさばっさと激しく振られる。

(ちなみにジェシカとシェンカの姉妹は、獣人の話に興味がないのか、ねずみの巣穴に鼻面を突っ込んで遊んでいた。)


 この言い合いの結末については、話の本筋から逸れるので割愛する。

 今度はユニたちがゲルトに「なぜ自分たちがこんな所にいるのか」を説明する番だったからだ。

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