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「ああ、言われてみれば……お前の言うとおりだ」



「首領、関内女史から話を聞いたときに気がつかなかったのですか?」



「すまんな、俺は知ってのとおり、インターネットには明るくないんだ」



「首領には少し勉強してもらわないといけませんね。妙な依頼をまた持ってきてこられては困る。そんな状態でどうやって神社を特定したのです? 人間以外には木ぐらいしか映ってなかったと思いますが」



「その神社の神主がな、少し前に俺に相談を持ち掛けてきたんだよ。敷地の中で一番でかい木に穴が開けられて、植え込みがやけに荒れているってな。それで俺が見に行ったんだ。その後にあのお嬢さんだ。映像の中に映ってた木の形と、人形が打ち付けられた位置で確信した」



「……待って下さい。植え込みの話は初耳です。どんな様子でしたか?」



「誰かが無理やり突っ切ったように枝葉が折れていたな。だがな、やけにその幅が広かった。ヒト三、四人分ってとこか。例のそいつらが度の過ぎる阿呆だったとしても、一寸おかしなことだ。それが、お嬢さんの夢と関わりがあるかもしれねえな」



「車のようなもの、ですね。情報ありがとうございました。もう陽はとっぷりと沈んで、逢魔が時、とはいきませんが、そこまでの出しゃばりな物の怪なら、呪いがかけられた本人を連れて行けば嬉々として現れるでしょう。本当にかかっていればの話ですが」



「連中が狂言を仕組んでいると? それにしてはあのお嬢さん、随分弱っているように見えたがなぁ」



「俺にもそう見えました。あの弱りようは演技とは思えなかった。そのあたりは油断なくやりますよ」



「おう、頼むぞ。毎度すまねえな、お前一人に頼りきりで。お前も大分疲れてるんじゃねえのか?」



「心配には及びません。今回の依頼人は疑り深いので『箱』を預けてるんですよ」



「ああ、そうすりゃあ――」



「ええ、ていのいい荷物持ちになるので、楽に歩けるんです」

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