第9話
「かぐや姫地球返還委員会」は会議を開いて、
赤ん坊だと、拾って育てるような奇特な人間がまだいるかどうか心配になったので、
竹の中の赤ん坊にするのは止めようと決議して、若い妙齢な女性として戻しました。
帰した先があの竹林でした。
あそこは竹取物語の最初のシーンに出てくる有名な竹林です。
ところが地上に降りてから、かぐや姫は人間より早くどんどん老けて行ってしまったのです。
酸素が多すぎたのかもしれません、酸化がどんどん進んだのでしょう。
もう求婚してくれる帝や貴族はいません。かぐや姫は焦りました。
そこで中高年の婚活パーティで知り合ったのが、一人寂しく暮らしていた
浦島太郎でした。
他人とは違う人生経験のある二人は意気投合して結婚したとのことですが、
若い時とは違って趣味も性格もまるっきり違うので、しばらくすると話すことが
底をついてしまったそうです。 倦怠期というのでしょうかね。
でも、それはそれでよし、として平々凡々の生活をつづけていたのです。
が…。
が、何ですか?
二人はそれぞれが同じころに気がついたのです!
もっともっといろいろな人生を経験したい、色々苦労もしてみたい!と。
一人、一生分だけの時間の人生ではつまらないではないですか?
そう思いませんか?
人生元気に過ごして、たかが100年ですよ、
あの二人はもう何百年も生きているのです、
これからきっと何千年もあのまま生き続けて行かなくてはならないでしょう。
お気の毒に…。
スズメはいいですよ、その点。 あ、これはあくまでも私の個人的な感想です。
…続く
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