第8話

乙姫さん、海水以外は飲まないから王子様を追って海を捨てるような

人魚姫みたいな馬鹿な行動はしませんよ。

さすが、乙姫さんだね、ああやって何人もの男を海に引きずり込んでは

ポイポイとお払い箱にするんだから。

開けてはいけません!なんて言ったら

絶対に人間は開けてみたくなる!ということをよく知りつくしているベテラン、

さすが口手八丁のタコの化身だね! 


  あなた自身の個人の感想は結構です、横道にそれました、本題に戻りましょう、

  乙姫さんではないのなら、あのお婆さんはだれですか?

  (へえ、乙姫さんって タコなんだ・・)


聴いて驚くな!


   もう十分驚いていますよ。良いから早く教えてください。


あの方は月から来たかぐや姫です。(一同驚愕、メモを掴んで外に飛び出すマスコミの面々)


   ええええっ⁈ かぐや姫は月に帰ったはずですよね?


ええ、帰るには帰ったのですが、やっぱり地球が恋しくて・

と毎日泣いていたそうです。(少し歌う調子になる)


   それでドングリはどうしたのですか?


かぐや姫ですよ、ではドングリではありません。月に住んでる月星人もドジョウみたいに困りました。


お見合いでもさせたらどうかという案も出て、

星の王子様が候補に挙がったのですが、

しょせんあちらは、ほんのねんねの坊や、

地球で帝やら色恋のプロのような貴族を相手に

恋の駆け引きを繰り広げたかぐや姫とは役者が違います。


すぐに星の王子様の写真と釣書は放りだされました。

もう仕方がないのでかぐや姫を地球に送り返すことにしました。

                             

                           …続く


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る