第6話

パーティ会場の上から下までドローンの映像のように

周りをぐるっと見まわした婆さんはハッと気がついた!! 


これは!と気がつくと頭に血が上った、その途端

真っ白い光が婆さんの体から放射してバチバチと音を立てた、

婆さんは今までの気を隠していたのを捨てて正体を現した。


辺りの空気が一変して竹林の中に激しい風が吹き渡り、

バラバラっと雹が降った。 稲妻が走り、雷が鳴った。


小さなお姉ちゃんたちはほんの一瞬驚いて固まっていたが

危ないと思ったのか一人二人とスズメに変身し始めた。

というか

こちらも正体を現して笹の葉が生い茂っている竹の枝や

太い竹の幹にぶち当たりながら逃げまどった。


婆さんはまだ小さいままの爺さんを掴み上げると

小川をめがけて駆け出して行った。

小川に来ると婆さんの体は大きな蛇になって

爺さんを口にくわえたままどんどん下流に向って泳いでいったのさ。


河口に着いた処で、一寸法師だった爺さんは浜辺に投げ出された。


蛇から戻った婆さんは、静かに爺さんの目を見てこう言ったのさ、


「この浜辺を覚えているかい、タローさん、いやさ、浦島太郎・・・」


どこか遠くでゴーンとお寺の鐘が鳴った。



    ラリルレロ、らりるれろ、ラリルレロラロ・・

    ああ、よかったやっと言えるようになったね。

    さあ、じゃあこれから先はあんたが続けてくれ。



                           …続く



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る