第2話


    ラリル・・ラリラルル・・

    少しは前よりましに話せるかい? ダメかい・・


ではそれからしばらくしてのこと、

婆さんは山に焚き木になる小枝を探しに行くと言って出かけて行ったのさ、

爺さんは囲炉裏の横で夜に備えてうとうとしておったのじゃ。

そのうちにがーがーと大いびきで熟睡だ。


山の細道をかなり登って行った婆さんは大きな木の根元に来るとサッと身をひるがえして消えてしまった!


婆さんが木の根元の穴を滑り台のように滑っていくと、その下には

広間があって大勢の白鼠が忙しそうに走り回っていたのさ。

「お帰りだ!」「おかえりだ!」とチュウチュウ叫びながらネズミ達はおばあさんに飛びついてペロペロなめまわしたのさ!


そしたらどうだ! あら不思議、さっきのしょぼくれた婆さんは

ボッティチェリのヴィーナスの誕生みたいな美女に変身してしまった。


おやまあ!と美女は我が身を鏡で観ると、言ったのさ。

「何だいお前たち、わたしゃこんなブスじゃないよ、忘れたのかい!」


ネズミ達は震えあがってまた婆さんビジョブスに飛びついて嘗め回したんだわ。


やれやれ、という声と共にネズミ達を振り落として出て来たのは

西の国の悪い魔女だった。 マーガレット・ハミルトンだね。

(オズの魔法使いをググってごらんキャストに写真が出てくるよ)


実は婆さんは派遣のお仕事をしていたっていうことだわ。

おとぎ話の世界も能力のある人材を見つけるのがたいへんだよ。

一人で何役もやらなくてはならないから能力のあるハケン達はゆっくり寝る暇もなかったそうな。

                                            

                             … 続く


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