第2話
ラリル・・ラリラルル・・
少しは前よりましに話せるかい? ダメかい・・
ではそれからしばらくしてのこと、
婆さんは山に焚き木になる小枝を探しに行くと言って出かけて行ったのさ、
爺さんは囲炉裏の横で夜に備えてうとうとしておったのじゃ。
そのうちにがーがーと大いびきで熟睡だ。
山の細道をかなり登って行った婆さんは大きな木の根元に来るとサッと身をひるがえして消えてしまった!
婆さんが木の根元の穴を滑り台のように滑っていくと、その下には
広間があって大勢の白鼠が忙しそうに走り回っていたのさ。
「お帰りだ!」「おかえりだ!」とチュウチュウ叫びながらネズミ達はおばあさんに飛びついてペロペロなめまわしたのさ!
そしたらどうだ! あら不思議、さっきのしょぼくれた婆さんは
ボッティチェリのヴィーナスの誕生みたいな美女に変身してしまった。
おやまあ!と美女は我が身を鏡で観ると、言ったのさ。
「何だいお前たち、わたしゃこんなブスじゃないよ、忘れたのかい!」
ネズミ達は震えあがってまた婆さんビジョブスに飛びついて嘗め回したんだわ。
やれやれ、という声と共にネズミ達を振り落として出て来たのは
西の国の悪い魔女だった。 マーガレット・ハミルトンだね。
(オズの魔法使いをググってごらんキャストに写真が出てくるよ)
実は婆さんは派遣のお仕事をしていたっていうことだわ。
おとぎ話の世界も能力のある人材を見つけるのがたいへんだよ。
一人で何役もやらなくてはならないから能力のあるハケン達はゆっくり寝る暇もなかったそうな。
… 続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます