乙女の帰還(10)
ニューメニティ
「ぬわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
技を受けた管長の体は、電気ショックを受けているかのように激しく
30秒ほども技をかけてから、にゅうめんマンはようやく管長の体に当てていた手を離した。強烈な技の効果によって管長は、壮齢のゴリラの往復ビンタをくらって打ちのめされた子供のようにぐったりとして、しばらくは身じろぎもしなかった。しかしやがて、様子を見守るにゅうめんマンの前で管長はむっくりと体を起こし、朝目が覚めたばかりのような表情でにゅうめんマンの顔を見た。にゅうめんマンは言った。
「行くがいい。自分のすべきことは分かっているはずだ」
ニューメニティ
それを見届けると、にゅうめんマンは三輪さんに歩み寄って声をかけた。三輪さんはもう床に倒れてはおらず、同じ場所に静かに立っていた。目の横あたりを殴られたらしくあざができている。
「大丈夫ですか。さっきはひどく殴られたようですが」
「……」
三輪さんは答えなかった。管長の部下である立場上仕方がないのかもしれない。にゅうめんマンは、三輪さんの怪我の状態を見るために
「失礼します」
と言ってマスクを外そうとした。三輪さんはあえてそれを妨げなかったが、いずれにしてもマスクは外れなかった。
「あれ。外れない。どうなってるんだ」
「これは管長以外の者には外せない。私も含めて」
ここで三輪さんが口をきいた。
「なぜですか」
「管長の霊力によって外れない仕組みになっているんだ」
「霊力でそんなことができるんですか。器用なもんだな」
マスクを外させるため、にゅうめんマンは管長の後を追って急いで階段を下り、どこかへ向かって廊下を歩いていた管長を捕まえ、迷惑そうな顔をする管長を引き連れてすぐに屋上へ戻って来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます