第7話
ミツキが急に夜の11時に散歩がしたいと言い出した。僕もちょうどビールを買いに行きたかったので一緒に行くことにした。月は彼女に会ってからずっとナイフのように尖った三日月だった。
「少しそのベンチに座らない?」彼女が言った。
「美しい月ね」ベンチに座り月を見上げながら彼女は言った。
「ねえ、いつになったら僕に月を返してくれるんだい?」
「それは分からないわ。三日月は嫌い?」
僕はもミツキに何かを聞くのをやめることにした。彼女への質問は夢の中でする会話と同じくらい意味がない。
ビール買ってくるから少し待っていてと彼女に言い僕はコンビニに行った。店内はとても明るく、客は僕しかいなかった。僕は缶ビールを2つ買い店を出た。
ミツキの待つベンチに行くと彼女はさっきと同じ体勢で空を眺めていた。僕は彼女の隣に座り、同じように空を見て彼女が立つのを待った。10分ほどたってから彼女は帰ろうと言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます