第5話

 僕は大学に行き人生に必要ない講義を聞いた。入っていた講義がひとつ中止になったので講義後に図書館によって本を読んでいくことにした。勉強をしている学生は何人かいたが本を読んでいる人はいなかった。僕は特に読みたいもの無かったからおすすめの棚にある目に付いた「月の人」を読むことにした。


 1時間ほど読んで僕は本を借りて帰ることにした。僕は大学を出てスーパーによって2人分の食料を買った。家に帰るとミツキはテレビを見ていた。


「おかえり」家に帰りおかえりと言われるのはなんだか変な感じがした。


「ただいま」


「にゃーお」猫の鳴き声がした。確か僕は猫を飼っていなかったはずだ。


「今猫の鳴き声しなかったか?」


「したわよ」よく見ると彼女は黒猫を抱いていた。


「君が連れてきたのかい?」彼女は僕がいない間に外に出たらしい。コンビニの袋があったし、服も変わっていた。


「勝手についてきたのよ。猫は嫌い?」


「嫌いではないよ」


「じゃあいいじゃない」僕のアパートはペット可だし、やはり断る理由が見つからなかったので飼うことにした。


「餌とかはどうするの?」


「餌ならそこに買ってあるわ」彼女が指を指した先には猫を飼うのに必要だと思われる物がだいたい揃っていた。


「じゃあ僕は大学のレポートを書くから」


「ええ」彼女はそう返事をしてすぐに猫の方に目を向けた。

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