第3話

「どうぞ。あまりきれいではありませんが」


「ありがとう。あと敬語使わないで、私たちは同い年よ」なぜ僕の歳を知っているんだろうか?少し考えたが答えは出なかった。きっと僕の知らないところで会っているんだろう。


「なるほど。じゃあ君の名前はなんって言うんだい?」


「うーん。名前、名前ね。ないと不便だもんね……美月、美月よ」嘘だな。僕は彼女が初めに美しく月だねと言ったのを思い出した。


「じゃあ僕は陽太。それで君はいつ帰ってくれるんだい?まさか泊まるつもりじゃないだろ」


「落し物を返したら帰るわ」


「それは月を返したらってこと?」


「そう」僕はそこのソファーに座るよう彼女に言った。僕はベットの上に座った。


「今日は家に泊まるんでしょ。どこに寝るんだい?僕の使ってたベットで良いなら貸すけど」


「私はソファーでいいわ。だってここはあなたの家だから」


「君は相当変わっているよ、見ず知らず同い年の男の家に泊まるなんて」


「あなたは私を襲うの?」彼女が僕の目を見て言ってきた。


「いや、襲うつもりは無いよ」僕は本当にそんなつもりはなかった。


「じゃあ問題ないじゃない」


「それでも普通はそんな事しない。君は変わっているよ」


「普通は見ず知らずの変わった女性を家には泊めないわ。あなたも変わっているのよ」

僕は変わっているのだろうか。


「僕は寝るよ。そこの綿毛布を使ってもらって構わないから」


「ありがとう。おやすみヨウタ」


「おやすみミツキ。やっぱり君は変わってるよ」

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