震
足の指を見つめている
気づけばくの字に変形をして
醜く折れ曲がっている
わたしとあなたのようすに似ている
湿りけのような緩やかなゆがみによって
取り戻せない嘘を重ねて来たんだ
放置では狂っていく一方なので
靴を変えるか手術をするか
意識してなにかを変えるしかない
あらぬ方向を指しながら
共にあることで生じるひずみによって
事態は刻刻と深刻さを増す
進んで合わない靴を履き
痛みをないものとして
オシャレのためと言い聞かせ
わたしとあなたの生きざまそのもの
息をするように無理を重ねた
外面ばかりを気にした代償
────たとえば生まれ直すとして
そんな叶わぬ妄想をして
外反拇趾を見つめている
20210220
第108回 詩コン「震」 佳作
空にささめく ── 詩コン編 双星たかはる @soiboshi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます